2017年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

教育の思想(Thoughts of Education)[4H03]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
黒川 悠輔 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
わたしたちの生活のなかで、教育は常に多くの人びとの関心が集まるテーマである。教育の専門家や関係者だけでなく、一般の人びとも教育について何らかのことを語り、ときには辛辣なまでの批判を繰り広げる。それは、ひとつには誰もが教育を受けたことのある当事者(経験者)だからであろう。つまり、教育について自分も少しは何かを知っているから自分にも語れる、と思っているわけである。たとえば、いわゆる「ゆとり教育」はさまざまな人たちからの批判にさらされ、それを受けて学校教育のあり方も見直されてきている。けれども、わたしたちは教育について何を知っているのだろうか。あるいは、教育について自分自身の頭でどこまで考えたことがあるだろうか。マスメディアや世間で語られていることのなかにどれだけの真実があり、どれだけのウソや思考停止がみられるか、確かめてみたことがあるだろうか。ここがこの授業の出発点である。教育の思想について学ぶこの授業では、教育に関する他者の考え方を知り、自分の考え方を深め、よりよい教育の姿についてみずからの言葉で語れるようになることをめざす。そのために、既存の教育思想を理解するだけでなく、授業内でのディスカッション等を通して、授業の参加者(学生・教師)の間での意見の交換や自分たち自身の思想の形成をおこなう。

<受講にあたっての前提条件>
ほぼ毎回グループディスカッションをおこなう。グループのメンバーに迷惑がかからないよう、やむを得ない場合をのぞき、毎回出席すること。また、単に出席するだけでなく、自分にとって授業が意味のあるものになるよう、しっかりと「参加」をすること。

<具体的な到達目標>
・教育についての他者の思想を読み取り、それが論じられている文脈との関係で適切に理解することができる。
・教育にかかわる既存の概念や考え方を批判的に問い直し、その意味や価値について、自分なりに説明することができる。
・あるべき教育ついてのさまざまな立場の見解を受け入れたうえで、現在および将来の教育をめぐる具体的な状況を考慮に入れながら、よりよい教育の姿について自分の言葉で語ることができる。

<授業計画及び準備学習>
1. 授業全体のガイダンス
2. 「ゆとり教育」とは何だったのか ―教育について自分自身で考える―
3. 「学力」とは何か(1) ―「学力低下論争」から考える―
4. 「学力」とは何か(2) ―多様な学力観と能力の考え方―
5. 教育思想の描き方(中間レポートの準備)
6. ここまでの内容のまとめ・中間レポート
7. 中間レポートの返却とふり返り
8.「学ぶ」とは何か(1) ―勉強するのは何のため?―
9.「学ぶ」とは何か(2) ―子ども期の意味―
10. 教育をめぐる思想上の対立 ―政治・宗教・文化・…―
11. よい教育とは何か(1) ―経験から考える―
12. よい教育とは何か(2) ―事例から考える―
13. ここまでのふり返り(最終レポートの準備)
14. 授業全体の総括

準備学習:事前に資料を配布したり問いや課題を提示したりすることがあるので、それらに沿って自分自身の考えをまとめるなどの準備をおこない、講義およびディスカッションにスムーズに取り組めるようにしておくこと。

※参加者の問題関心や実際の授業のなかでの議論の進み方によって、各回で扱う具体的なテーマを決定したり、上記の流れを変更したりする場合がある。

<成績評価方法>
・平常点 … 30%
・中間レポート … 30%
・最終レポート … 40%

※上記を基本的な点数配分とし、総合的に評価する。なお、毎回の授業終了時にコメントシートの提出を求めるが、基本的にはその内容によって平常点の評価をおこなう。

<教科書>
特に指定しない。
毎回、各テーマに応じた資料を配布する。

<参考書>
特に指定しない。
必要に応じて、授業のなかで紹介する。

<オフィスアワー>
授業前後に教室や講師室にて質問等受け付けますので気軽に声をかけてください。

<学生へのメッセージ>
この授業ではグループディスカッション等をおこなう予定ですが、よく知らない人と一緒に話し合うことに慣れていない人や苦手意識をもっている人も多くいると思います。ですが、実際にやってみるとそれなりに話せたり、意外な収穫があったりするものです。もちろんうまくいかないと感じることもあるでしょうが、むしろ大学の授業でこそ、そのような経験をしておくべきでしょう。この授業では、一生懸命取り組もうとする態度は大いに評価しますし、講師からのサポートもできるだけおこなうつもりです。迷っている人はとりあえず一緒にやってみましょう。


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