2017年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

災害危機管理(Disaster Management)[3B17]

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2単位
藤賀 雅人 助教  
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
災害対応は防災・減災のみならず、復興過程も視野に多様な視点からの対応が求められる。東日本大震災発生以降はこうした復興プロセスに内在する矛盾が露わになり、既存の復興過程から蓄積されてきた減災や事前復興といった思考が曖昧さを増している実態もある。本講義では、こうした背景を踏まえつつ、日本における防災・減災・事前復興の施策を行政・市民の両面から理解し、今後の都市安全の方向性を思考する基礎的な知識を習得する。

<受講にあたっての前提条件>
「まちづくり論」「地域の安全」を履修しておくこと。

<具体的な到達目標>
(1)これまで災害に対して講じられてきた危機対応を理解する。
(2)基本的な復興プロセスと課題を説明することができる。
(3)工学や社会科学に関する知見や技術を活用した社会システムづくりを思考できる。

<授業計画及び準備学習>
第1回 イントロダクション
講義の進め方・評価基準について説明し、災害前後を読み解く視点を理解する.
準備学習:日本における過去の災害事例を調べ、リストアップしておく.

第2回 大規模災害の歴史
日本・世界における災害史を外観する.
準備学習:日本・世界の自然災害、人的災害について調べ、各災害発生時の社会的課題を整理しておく.

第3回 復興プロセス@
日本における近代復興のプロセスを把握する.
準備学習:過去の災害からの復興の過程について調べておく.

第4回 復興プロセスA
阪神淡路大震災など、震災の復興過程から現代の復興プロセスを考える.
準備学習:阪神淡路大震災の被害の特徴を整理しておく.

第5回 復興プロセスB
東日本大震災の復興過程から現代の復興プロセスを考える.
準備学習:東日本大震災の被害の特徴を整理しておく.

第6回 復興プロセスC
その他の災害の復興過程から現代の復興プロセスを考える.
準備学習:土砂災害・火山噴火・洪水被害等の被害の特徴を整理しておく.

第7回 災害対応の法体系@
大規模災害に備えた法整備の内容を理解する.
準備学習:災害対策基本法、災害救助法を読んでおく.

第8回 災害対応の法体系A
復興過程における法整備の内容と計画立案の関係性を把握する.
準備学習:過去の災害事例における復興計画の特徴を調べておく.

第9回 災害前後の行政対応
災害時の国・地方自治体の役割の違いを理解し、行政制度の全体像を理解する.
準備学習:参考書を熟読し、災害前後の行政対応について理解を深めておく.

第10回 災害前後の市民対応
災害時の地域・市民の対応のあり方を理解し、まちづくりと事前対応の重要性を確認する.
準備学習:復興まちづくりの活動事例を調べておく.

第11回 災害後の専門家の役割
復興に関わる各分野の専門家のあり方を網羅的に紹介する.
準備学習:各自の専門分野から災害前後に取り組める活動をリストアップしておく.

第12回 事前復興@
事前復興の概念と施策の展開を把握する.
準備学習:事前復興まちづくりの事例を調べておく.

第13回 事前復興A
防災計画・復興プロセスからこれからの事前復興のあり方を考える.
準備学習:第12回配布資料を熟読しておく.

第14回 講義内容の確認
講義で取り上げた内容を振り返る.
準備学習:第13回までの配布資料を熟読しておく.

<成績評価方法>
講義内で行う小課題(50%)、レポート課題(50%)の合計60点以上を合格とする。

<教科書>
講義時に資料を配付する。

<参考書>
佐々木昌二「最新 防災・復興法制-東日本大震災を踏まえた災害予防・応急・復旧・復興制度の解説-」第一法規株式会社,2017
牧紀男「復興の防災計画: 巨大災害に向けて」鹿島出版会,2013
牧紀男「災害の住宅誌: 人々の移動とすまい」鹿島出版会,2011

<オフィスアワー>
水曜日 11:30〜13:30 ただし事前にアポイントメントをとること。
E-mail:m_fujiga@cc.kogakuin.ac.jp


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