2017年度工学院大学 建築学部まちづくり学科
イギリス留学建築計画(Architectural Planning Theory for the Special Program of Study in England)[0401]
2単位 田村 雅紀 教授 [ 教員業績 JP EN ] 西森 陸雄 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 日本の建築生産体系は,A(発注者)がB(設計者)とC(施工者)に対して,建築の設計と施工を発注し,所定の工期内にBには設計図書を,Cには実建物の竣工を実現する構図を容易に描くことができた時間が続いたが,それは安定で大量に供給可能な建築材料(Resource fullness)があり,その製造を実現できる多種多様の製造者C'が存在してきたという日本に特有の各種環境が大きく作用している。
本講義により,イギリスにおける建築材料およびその製造者C’の特徴を深く分析することができる。具体的には,実際の建材である木材,鋼材,コンクリートなどの構造材料をはじめ,石材,煉瓦,左官材,自然素材などの内外装材料に至るまでの建築材料全般の特性を把握し,日本の建材と比較したイギリス建築材料の特徴を理解する。そして,建築物そのものがその風土や社会環境に大きく影響を受けて成り立っていることを考察する。 続いて,建築材料に関わる規格群(国際規格ISO,ヨーロッパ規格EN,イギリス規格BS,日本工業規格JISなど)にふれ,現代建築を構築する上で必要となる各種建築材料のモジュール・性能の違いや,物性の評価方法・範囲の違いを比較し,素材レベルをはじめ,材料・部材レベル,構造体ならびに建物レベルで,どのような要求機能・性能に違いが生じるのかを考察する。 そして後半には,イギリス建築材料ウォークを実施し,市中で様々な建築材料を観察し,当該材料の素材採掘の様子をはじめ,製造の様子や,実際の施工の状況をイメージし,日常をかたちづくる建築材料の役割を理解する。最終的に,地域の固有さが多様であり,建築材料が,建物をつくるためのありがたい存在であることが再確認できる。
- <受講にあたっての前提条件>
- ・留学開始後から受講までに写真データを整理しておくこと。
・ホームステー先でDIYを手伝ったりした場合,その様子を記録しておくこと。 ・建材屋を見つけたら,どういう種類・規格の建材があり,単価がどの程度かをメモしておくこと。
- <具体的な到達目標>
- ・日本とイギリスの主要な構造材料および内外装材料の製造および性質に関する基礎的知識を修得する。
- <授業計画及び準備学習>
- 素材から建築への繋がりを学ぶための全14回に分けられる集中講義を予定する。そのうち,数回はフィールドワークを行うものとし,その準備学習用に予習メモをダウンロードし,ホームステー先での日常の生活体験そのものを題材としたレポートをする。これらを通じて,積極的に自分の足跡を残す時間とする
1. NHK世界ふれあい待ち歩き(カンタベリー編) 準備学習:教科書pp.1-15より,キーワード抽出・記述 2.地球の地殻構成と大陸移動のメカニズム 準備学習:教科書pp.16-30より,キーワード抽出・記述 3. イギリスの土地と岩石 準備学習:教科書pp.31-43より,キーワード抽出・記述 4. イギリスの建材とBS規格 準備学習:教科書pp.47-50より,キーワード抽出・記述 5. イギリスの土・石・コンクリート 準備学習:教科書pp.51-87より,キーワード抽出・記述 6. イギリスの石膏・漆喰・鉄 準備学習:教科書pp.88-105より,キーワード抽出・記述 7. ドーバー・ホワイトクリフ散策(1)白亜紀・石灰石採掘 準備学習:教科書pp.44-47より,キーワード抽出・記述 8. ドーバー・ホワイトクリフ散策(2)チャート採掘 準備学習:教科書pp.44-47より,キーワード抽出・記述 9. ドーバー・ホワイトクリフ散策(3)オパール採取 準備学習:教科書pp.44-47より,キーワード抽出・記述. 10. イギリスのホームセンター・B&Q調査(1) 準備学習:教科書pp.106-118より,キーワード抽出・記述 11. イギリスのホームセンター・B&Q調査(2) 準備学習:教科書pp.106-118より,キーワード抽出・記述 12. イギリスと泥炭とスコッチウイスキー 準備学習:教科書pp.32-42より,キーワード抽出・記述 13. イギリス・プレゼンテーション 準備学習:教科書pp.119〜より,キーワード抽出・記述 14. 学習内容の振り返り
- <成績評価方法>
- 授業にきちんと出席することが成績評価の前提。
1)ブレイクウイーク建材レポ(25%),2)プレゼンテーション(25%), 3)フィールドワーク分析レポ2種類(25%,25%)の4つの課題等を踏まえ,GPAによりA+,A,B,C,D,Fの6段階評価でD以上を合格とする。 期末テストは行われない。
- <教科書>
- 講義用テキストを事前にpdf配布する。
渡航前に各自で印刷し,イギリスに持参してください
- <参考書>
- 「ベーシック建築材料」,田村雅紀他,彰国社
- <オフィスアワー>
- 授業前後合計2時間,カンタベリ講義室にて。またはメール(masaki-t@cc.kogakuin.ac.jp)により相談を受け付けることができます
- <学生へのメッセージ>
- イギリスの風と土を,どのように建築材料に変え,建物としてなじませているのか,一緒にかんがえてみましょう。特にブレイクウイークでは,旅をしながら,その土地と風土と建築材料の関わりについて,視点を深めてください。
- <参考ホームページアドレス>
- 田村研ホームページ http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~dt40009/
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