2017年度工学院大学 第1部情報通信工学科
インターネット論(Internet Engineering)[5L07]
2単位 金田 泰 非常勤講師
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- インターネットにおける通信・マルチメディア通信の基盤となるイーサネット,TCP/IP などのプロトコルと,ネットワークの構成法の基礎を理解すること
- <受講にあたっての前提条件>
- 高卒程度の知識以外に必須の知識はとくにありませんが,パソコンへのイーサネットやインターネットへの接続を経験していると理解しやすいとおもいます.パソコンを使用した実習をおこないますが,そこでは Windows のもとで Python 言語のプログラムを使用する予定なので,Microsoft Windows でのプログラムの実行 (コマンドプロンプト) になれていると,よりよいとおもいます.
- <具体的な到達目標>
- イーサネットやインターネットによるネットワークのしくみや,そのうえのかんたんなプログラムの動作を理解することができ,単純なネットワークを設計することができるようになること.すなわち,ネットワークに関する専門分野知識を習得するとともに,それを応用できる汎用的問題解決技能を身につけること.
- <授業計画及び準備学習>
- インターネット (IP) とイーサネット,およびそれらの比較を中心として,コンピュータ・ネットワークの基礎を学習します.
1. さまざまなネットワークとその現状 (1 回, 9/15 予定) コンピュータ・ネットワークだけでなく,それをとりまく携帯電話や,交通・輸送などのネットワーク,複雑ネットワーク,IoT などをみていきます.
2. 通信ネットワークの原理 (1 回, 9/22 予定) プロトコル,アドレス,1 対 1 の通信と放送,パケット交換と回線交換など,通信ネットワークの基本・原理を学習します.
3. コンピュータとインターネット上のネットワーク・サービス (2 回くらい [演習つき], 9/29, 10/6 予定) コンピュータ・ネットワークを学習するうえで必要なコンピュータ (おもに Microsoft Windows) の知識から,インターネット上で実現されているメールや WWW などのサービスのしくみまでを学習し,演習でたしかめます. 演習では Windows 上でのコマンド実行 (コマンドプロンプト) を使用するので,それを予習しておくとよいとおもいます.
4. ネットワーク・サービスの基礎プロトコル TCP と UDP (2 回くらい [演習つき], 10/13, 10/20 予定) インターネット上でさまざまなサービスを実現する基礎になるプロトコル TCP と UDP について学習し,その動作を演習でたしかめます.
5. イーサネット (LAN) (1 回くらい [演習つき], 11/3 予定) ローカルエリア・ネットワーク (LAN) でつかわれるイーサネットのしくみやネットワーク構成法などについて学習します,イーサネットの動作とかんたんなネットワークの設計に関するレポートを課して,採点後返却します.
6. インターネットとインターネット・プロトコル (IP) (2 回くらい [演習つき], 11/10, 11/24 予定) 世界をつなぐネットワークのネットワークであるインターネットのしくみやネットワーク構成法などについて学習します.IP を使用するネットワークの動作とかんたんなネットワークの設計に関するレポートを課して,採点後返却します.
7. インターネットとイーサネット (IP/Ethernet) (1 回弱, 12/1 予定) イーサネットによるネットワークをインターネットにつなぐ方法を学習し,IP とイーサネットを比較します. IP およびイーサネットについてすでに学んでいるので,その相違点や類似点について,あらかじめかんがえておくとよいでしょう.
8. プロトコルとネットワークの階層構造 (1 回強, 12/1, 12/8 予定) さまざまなプロトコルをかさねて高機能なネットワークをつくったり,ネットワークどうしがつながって複雑なネットワークができるしくみを学習します.
9. プライベート・ネットワークとネットワーク仮想化 (1 回くらい, 12/15 予定) インターネットのようなパブリックなネットワークのうえにプライベートなネットワーク (秘密がまもられ,パブリック・ネットワークにしばられないネットワーク) をつくる方法について学習します.
10. ネットワーク・セキュリティ (1 回, 12/22 予定) ネットワーク上での秘密漏洩やサービス妨害などとそれらを防止する方法について学習します.
11. 学習成果の確認 (試験) (1/19 予定)
- <成績評価方法>
- 最後におこなう試験の成績で 60%,2 回の提出を予定しているかんたんなレポートで 40%,その合計得点が 60/100 以上の場合に単位を認定します.レポートは採点後返却し,試験に関してもメイル等でできるだけフィードバックします.
- <教科書>
- 教科書は指定しません.初年度 (4 年まえ) には参考書の最初にあげた「新しい情報ネットワーク教科書」を教科書としたので,今年度も講義内容や構成はこの本に比較的ちかくなるとおもいます.
- <参考書>
- 井戸 伸彦 著 「新しい情報ネットワーク教科書」: 図などを利用します. 講義内容の概要と一部の図は電子的に,または紙で配布します.
ネットワーク一般に関する参考書として,織田 薫,坪山 博貴 著「図解! よくわかるネットワークの仕組み」 (SoftBank Creative) をあげておきます.上記の本にはない無線ネットワークなどもとりあげられています.この本からも図を利用します. 複雑ネットワークに関する参考書として,増田 直紀,今野 紀雄 著 「「複雑ネットワーク」 とは何か」 (講談社) を推薦します. 他の参考書は講義のなかで必要に応じて紹介します.
- <オフィスアワー>
- 毎週土曜日の授業時間の前後.非常勤講師室 (教務課のとなり).
それ以外の日時の連絡先: yasusi@kanadas.com
- <学生へのメッセージ>
- 聞くだけ・うつすだけの授業でなく手をうごかして理解すること,その結果をレポートでたしかめて,試験でみなさんがよい成績をとれるようにすることをめざします (努力しなくてもよい成績がとれるということでは,もちろんありません).
- <参考ホームページアドレス>
- http://www.kanadas.com/kogakuin-cn/ (この科目に関する公開ブログをつくりました.昨年度の情報もあります.コメントの記入も可能です.)
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