2017年度工学院大学 第1部情報通信工学科
セキュアシステム(Secure System)[5B12]
2単位 水野 修 教授 [ 教員業績 JP EN ] 影井 良貴 特任教授
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 情報通信システムを構築する際にセキュリティ上で考慮すべき外部条件について、社会の仕組みと技術の両面から整理し、情報セキュリティを構築するために通常使われている技術を理解したうえで、情報セキュリティポリシーの策定から実際の構築・運用・評価に至る取組方法を理解する。 また、個人が社会生活を送っていく時に必要な、基本的な情報通信セキュリティの知識も、併せて身につける。
- <受講にあたっての前提条件>
- 「情報通信システム」,「情報通信ネットワーク」を履修していることが望ましい.
- <具体的な到達目標>
- ・情報セキュリティを考える際に考慮すべき周囲状況を整理できる。
・情報セキュリティを構成する概念を理解し、説明できる。 ・情報セキュリティの要素技術を理解し、説明できる。 ・情報セキュリティに関わるシステム技術の構築・運用の要点を整理できる。 ・情報セキュリティマネジメントの取り組みを説明できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.IT社会の基本構造と脅威とリスク(担当:水野)
現在のIT社会の中における情報及びその処理の位置づけについて解説する。 脅威と脆弱性とリスクの関係及び情報セキュリティの定義について解説する。
2.インターネットにおける脅威(クライアント側の脅威)(担当:水野) インターネットを介して行われる攻撃について解説する。 事前学習:教科書3章1〜5、5章2〜3を熟読し理解しておく。
3.サーバセキュリティ技術(担当:水野) センター側におけるシステムのセキュリティ対策について解説する。 事前学習:教科書5章4を熟読し理解しておく。
4.暗号技術とその応用(担当:水野) 暗号技術の概要とその利用方法について解説する。 事前学習:教科書5章5を熟読し理解しておく
5.認証技術と電子署名(担当:水野) 認証技術の概要とその利用方法について解説する。 事前学習:5章4を熟読し理解しておく
6.ネットワークセキュリティ(担当:水野) セキュアな通信路を実現する技術について解説する. 事前学習:事前配布資料を理解しておく
7.セキュリティマネジメント(担当:影井) 情報セキュリティポリシーや対策基準、実施手順及び社内体制について解説する。 事前学習:教科書4章及び6章1を熟読し理解しておく。
8.情報関連法制度(担当:影井) IT社会への移行とともに整備されてきた法制度について解説する。 事前学習:教科書6章2〜5を熟読し理解しておく。
9.電子証跡(担当:影井) 現在の社会における情報の法的な取扱い方について解説する。 事前学習:デジタルフォレンジクスについて調べ理解しておく。
10.モバイルセキュリティ(担当:影井) モバイル系の端末の利用やBYOD及び無線LANのセキュリティについて解説する。 事前学習:教科書3章6〜7を熟読し理解しておく。
11.外部委託(担当:影井) システムに関する外部委託に際して考慮すべき事項について解説する。 事前学習:一般的な業務委託契約の構造について調べ理解しておくこと。
12.リスクコミュニケーション(担当:影井) 実際の情報セキュリティ対策の実施の計画立案について解説する。 復習:情報セキュリティに関連する組織や団体について,書籍やWebサイトで調べておく。
13.新しい動向(担当:影井) 最近出てきた新たな情報セキュリティに関する課題を取り上げ、解説する。 事前学習:情報セキュリティに影響がありそうな新しい動きについて調べておく。
14.学習のふりかえり セキュリティマネジメント(担当:水野)
※なお,外部の方による特別講義を計画している.その場合は,回数と内容が変更になるので,講義中に周知する.
- <成績評価方法>
- 学期末の試験70%と適宜指示するレポート及び小テストの内容及び授業へ参画態度(30%)で評価し,到達目標と照らし合わせ,A+〜Dを合格とする.
- <教科書>
- 「情報セキュリティ読本 四訂版」 著者:情報処理推進機構(IPA) 実教出版株式会社 ISBN 987-4-407-33076-2
但し、授業ではスライドを使用する。その資料は、事前にKuPortで電子配布する。
- <参考書>
- その他の参考書及び参考資料については、講義の中で紹介する。
- <オフィスアワー>
- 水野:火曜日 11:00-12:30 13:30-15:00 (新宿キャンパス A-2217)
影井;水曜日 3時限(新宿キャンパス A-1475)
- <学生へのメッセージ>
- 卒業後、諸君がどこの分野で活躍するにしても、ITを使いこなすことは必須となっている。ITを使いこなすためには情報セキュリティに関するスキルが重要で、それを理解するためには、技術論的な視点だけでなく社会論的視点が重要であり、そのためには、世の中の動向に対してセンシティブであることが重要である。この講義を契機として、詳細な専門技術だけなく全体を見通せる幅広い知識や経験を習得して、これからのIT社会をより良いものにしていくことを期待している。
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