2017年度工学院大学 工学部電気電子工学科

物理学D(Physics D)[3318]

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1単位
進藤 哲央 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
物理学C〜Fでは、「物理学A」および「物理学B」で学んだ、力学の諸概念と物理学の考え方をもとに、物理学の諸分野の基礎理論を概観する。
物理学Dでは、熱力学の基礎理論について学ぶ。
また、これらの学習を通じて、現実に起こる自然現象をどのようにモデル化し、数学的な方法を用いて記述していくかということを系統的に学び、
後の工学系の専門科目を学習する際の基礎を築く。

<受講にあたっての前提条件>
  • 「物理学A」および「物理学B」の内容を理解していること。
  • 高校数学全範囲および「微分積分A,B」・「線形代数学A,B」の内容を理解し、使えるようになっていること。

<具体的な到達目標>
  • 熱力学の基礎的な概念を理解する。
  • 理想気体を事例として,物質の状態変化の熱力学的記述を理解する
  • 熱力学の第1,第2法則を理解し,単純な系に対してそれらを適用して分析できる
  • 状態量の概念の重要性を理解し,内部エネルギー,エントロピーの概念を把握する

<授業計画及び準備学習>
  1. 熱力学の基礎概念と物理量
    SIの復習。物質量,絶対温度の意味,熱,熱容量,比熱。理想気体の状態量(p, V, T)と状態方程式の紹介。状態図(pV図など)の読み方。
    [準備学習] 「物理学A」および「物理学B」の内容を復習しておくこと。

  2. 理想気体の状態方程式,気体分子運動論
    気体の状態方程式の意味。理想気体の分子論的定義と状態方程式の導出。気体のエネルギーと等分配の法則。
    [準備学習] 状態方程式の意味や使い方について理解しておくこと。
  3. 熱力学の第1法則
    気体のする仕事とpV図の関係。状態量の概念と意義および各種の比熱。内部エネルギー。第1法則。
    [準備学習] pV図の読み方と状態方程式との関係を理解しておくこと。仕事とエネルギーについて復習しておくこと。
  4. 気体の状態変化
    定積変化と定圧変化。マイヤーの関係式。等温変化と断熱変化。比熱比。気体分子の自由度。
    [準備学習] 準静的変化を表すpV図から気体のする仕事が求められるようにしておくこと。
  5. 熱機関,熱力学の第2法則
    熱機関と熱効率。熱サイクル(カルノーなど)の効率。第2法則の各種の表現(効率,トムソン,クラウジウス)と意味。
    [準備学習] 様々な準静的変化に対して,気体がする仕事,吸収する熱などを求められるようにしておくこと。
  6. 第2法則とエントロピー
    カルノーの定理,クラウジウスの不等式からエントロピーの概念へ。第2法則とエントロピーの増大。エントロピーのミクロな表現。
    [準備学習] 熱力学第1法則および第2法則の内容を理解しておく。
  7. 学習の振り返り
    [準備学習] これまでに学んだ内容を総復習しておくこと。
<成績評価方法>
期末試験の成績をもとに理解度を評価する。Grade D以上を合格とする。

<教科書>
加藤潔『理工系 物理学講義』(培風館)
授業はこの教科書を適宜参照しつつ行う。また,必要に応じてプリントなどの資料を配布する。

<参考書>
他にも、大学レベルの力学の教科書は多く出版されているので、各自に合ったものを少なくとも1冊は購入しておくことを勧める。
以下に例を示す。

<オフィスアワー>
1,2期:火曜日5限,3,4期:火曜4限
場所:八王子キャンパス 1S-323
メール(shindou@cc.kogakuin.ac.jp)などによる質問・相談にも随時対応する。


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