2017年度工学院大学 工学部電気電子工学科
○物理学D(Physics D)[3317]
1単位 進藤 哲央 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 物理学C〜Fでは、「物理学A」および「物理学B」で学んだ、力学の諸概念と物理学の考え方をもとに、物理学の諸分野の基礎理論を概観する。
物理学Dでは、熱力学の基礎理論について学ぶ。 また、これらの学習を通じて、現実に起こる自然現象をどのようにモデル化し、数学的な方法を用いて記述していくかということを系統的に学び、 後の工学系の専門科目を学習する際の基礎を築く。
- <受講にあたっての前提条件>
- 「物理学A」および「物理学B」の内容を理解していること。
- 高校数学全範囲および「微分積分A,B」・「線形代数学A,B」の内容を理解し、使えるようになっていること。
- <具体的な到達目標>
- 熱力学の基礎的な概念を理解する。
- 理想気体を事例として,物質の状態変化の熱力学的記述を理解する
- 熱力学の第1,第2法則を理解し,単純な系に対してそれらを適用して分析できる
- 状態量の概念の重要性を理解し,内部エネルギー,エントロピーの概念を把握する
- <授業計画及び準備学習>
- 熱力学の基礎概念と物理量
SIの復習。物質量,絶対温度の意味,熱,熱容量,比熱。理想気体の状態量(p, V, T)と状態方程式の紹介。状態図(pV図など)の読み方。 [準備学習] 「物理学A」および「物理学B」の内容を復習しておくこと。
- 理想気体の状態方程式,気体分子運動論
気体の状態方程式の意味。理想気体の分子論的定義と状態方程式の導出。気体のエネルギーと等分配の法則。 [準備学習] 状態方程式の意味や使い方について理解しておくこと。
- 熱力学の第1法則
気体のする仕事とpV図の関係。状態量の概念と意義および各種の比熱。内部エネルギー。第1法則。 [準備学習] pV図の読み方と状態方程式との関係を理解しておくこと。仕事とエネルギーについて復習しておくこと。
- 気体の状態変化
定積変化と定圧変化。マイヤーの関係式。等温変化と断熱変化。比熱比。気体分子の自由度。 [準備学習] 準静的変化を表すpV図から気体のする仕事が求められるようにしておくこと。
- 熱機関,熱力学の第2法則
熱機関と熱効率。熱サイクル(カルノーなど)の効率。第2法則の各種の表現(効率,トムソン,クラウジウス)と意味。 [準備学習] 様々な準静的変化に対して,気体がする仕事,吸収する熱などを求められるようにしておくこと。
- 第2法則とエントロピー
カルノーの定理,クラウジウスの不等式からエントロピーの概念へ。第2法則とエントロピーの増大。エントロピーのミクロな表現。 [準備学習] 熱力学第1法則および第2法則の内容を理解しておく。
- 学習の振り返り
[準備学習] これまでに学んだ内容を総復習しておくこと。
- <成績評価方法>
- 期末試験の成績をもとに理解度を評価する。Grade D以上を合格とする。
- <教科書>
- 加藤潔『理工系 物理学講義』(培風館)
授業はこの教科書を適宜参照しつつ行う。また,必要に応じてプリントなどの資料を配布する。
- <参考書>
- 他にも、大学レベルの力学の教科書は多く出版されているので、各自に合ったものを少なくとも1冊は購入しておくことを勧める。
以下に例を示す。
- <オフィスアワー>
- 1,2期:火曜日5限,3,4期:火曜4限
場所:八王子キャンパス 1S-323 メール(shindou@cc.kogakuin.ac.jp)などによる質問・相談にも随時対応する。
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