原子力工学概論（Introduction to Nuclear Engineering）[5F01]

＜授業のねらい＞

原子力について、開発の背景、位置付け、原子力発電所プラントの仕組み・システム構成、規制する法律、取巻く社会・経済情勢などを理解し、エネルギー問題や地球環境問題を“原子力”というテーマを通して総合的観点から考察する。

＜受講にあたっての前提条件＞

本科目の履修にあたって、原子力に関する予備知識は不要。材料力学・工業熱力学・流れ学を履修していることが望ましい。専門分野の知識を幅広くし、かつ高めようとの意欲を持って臨むこと。

＜具体的な到達目標＞

原子力工学は機械・電気・物理・化学など多分野の英知を集大成して実現される総合工学。工学を専攻する者として、技術の本質を学ぶことはもとより、技術を安全に実現させるための法規制、また、取巻く社会・経済情勢などを含め総合的・多面的な観点から学び、技術について自らの意見を述べることが出来る能力を“原子力というテーマを通して養い実務的な課題に適応する。JABEE目標（A)◎

＜授業計画及び準備学習＞

（１）[ガイダンス]、原子力開発の歴史（国外）
（２）原子力開発の歴史（国内）、原子力発電の仕組み（加圧水型軽水炉）
　　　【準備学習】原子力総合パンフレット（第1回に配布）P1〜P22を熟読しておくこと
（３）原子力発電の仕組み（沸騰水型軽水炉）
　　　【準備学習】原子力総合パンフレット（第1回に配布）P21〜P27を熟読しておくこと
（４）原子力関連の法律・規制
　　　【準備学習】原子力総合パンフレット（第1回に配布）P53〜P62を熟読しておくこと
（５）放射線
　　　【準備学習】原子力総合パンフレット（第1回に配布）P41〜P52を熟読しておくこと
（６）原子燃料サイクル（高速増殖炉）
　　　【準備学習】原子力総合パンフレット（第1回に配布）P28〜P35を熟読しておくこと
（７）放射性廃棄物の処理・処分
　　　【準備学習】原子力総合パンフレット（第1回に配布）P35〜P40を熟読しておくこと
（８）原子力発電所の廃止措置
　　　【準備学習】第7回に配布する資料及び原子力総合パンフレット（第1回に配布）P28を熟読しておくこと
（９）原子力の事故事例
　　　【準備学習】原子力総合パンフレット（第1回に配布）P75〜P88を熟読しておくこと
（１０）新型炉の開発
　　　【準備学習】第9回に配布する資料を熟読しておくこと
（１１）国内外のエネルギー情勢
　　　【準備学習】原子力総合パンフレット（第1回に配布）P1〜P10を熟読しておくこと
（１２）日本のエネルギー政策における原子力の位置づけ
　　　【準備学習】原子力総合パンフレット（第1回に配布）P10〜P22を熟読しておくこと
（１３）新エネルギーの開発状況、エネルギーベストミクス 、地球温暖化
　　　【準備学習】第12回に配布する資料を熟読しておくこと
（１４）学習内容の振り返り
　　　【準備学習】これまでの13回の講義内容を復習する
（１５）学習成果の確認（期末テスト）

＜成績評価方法＞

授業にきちんと出席することが成績評価の前提。試験期間に授業内容すべてを範囲とする学期末試験を実施。さらに課題レポート（３回、内１回は放射線測定器（貸与）による通学途上などでの各自の測定実施結果の考察）の提出を求める。学期末試験、レポートの評価割合は７：３。Grade評価がD以上であれば、合格とする。

＜教科書＞

指定教科書なし。
原子力総合パンフレット（第1回に配布）、各回資料を配布する。

＜参考書＞

「原子力がひらく世紀」日本原子力学会　ISBN 978-4-89047-096-9
「原子力教科書 原子力プラント工学」オーム社　神田誠他 ISBN 978-4-274-20660-3

＜オフィスアワー＞

授業前・終了後、講師室にて。

＜学生へのメッセージ＞

将来、日本の技術分野を支えていく技術者として、今後日本がどの様に原子力開発を行なっていくことが望ましいか、自分の考えを持って欲しい。

＜参考ホームページアドレス＞

http://www.ene100.jp/map_title