2017年度工学院大学 第1部応用化学科
△世界の文学A(World Literature A)[5B02]
2単位 吉田 司雄 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ◎ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 本年度はマーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』(1936年)を読む。南北戦争による国家分断の時代を描いた作品に触れながら、現代社会に通じる問題点を考えていきたい。1939年にハリウッドで映画化され、日本でも宝塚歌劇団などで繰り返し舞台化されてきた作品なので、親しみやすいよう映像資料を参照しながら、長く親しまれてきた作品の魅力を少しでも掘り下げ、文学作品の鑑賞力を磨いてゆく。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特になし。
- <具体的な到達目標>
- 単に小説を読んで楽しむのではなく、社会や文化などにも目を向けながら、文学テクストの読解力を養うこと、自分の意見を自分の言葉で書ける表現力を身につけることを目標とする。
- <授業計画及び準備学習>
- 1 ガイダンス(履修上の注意と毎回提出の課題の説明)
準備学習:『風と共に去りぬ』を入手し読みはじめる 2 『風と共に去りぬ』の時代背景−19世紀とはどういう時代だったか 準備学習:『風と共に去りぬ』を指定の箇所まで読了しておく 3 『風と共に去りぬ』の時代背景−アイルランド移民 準備学習:『風と共に去りぬ』を指定の箇所まで読了しておく 4 『風と共に去りぬ』の時代背景−黒人奴隷とプランテーション 準備学習:『風と共に去りぬ』を指定の箇所まで読了しておく 5 『風と共に去りぬ』の時代背景−南北戦争の時代 準備学習:『風と共に去りぬ』を指定の箇所まで読了しておく 6 『風と共に去りぬ』をどう読むか−作中人物の構図 準備学習:『風と共に去りぬ』を指定の箇所まで読了しておく 7 『風と共に去りぬ』をどう読むか−物語の構造 準備学習:『風と共に去りぬ』を指定の箇所まで読了しておく 8 『風と共に去りぬ』をどう読むか−叙述と時間 準備学習:『風と共に去りぬ』を指定の箇所まで読了しておく 9 『風と共に去りぬ』の映画化 準備学習:『風と共に去りぬ』を最後まで読了しておく 10 『風と共に去りぬ』と戦後日本 準備学習:映画『風と共に去りぬ』を観てみる 11 『風と共に去りぬ』の向こうへ 準備学習:『風と共に去りぬ』の続編を想像してみる 12 『風と共に去りぬ』が描かなかったもの 準備学習:『風と共に去りぬ』の世界をもう一度振り返っておく 13 学習成果の確認(教場レポート試験) 準備学習:授業での指示を守り、「自分の言葉で」批評を書き上げる 14 学習内容の振り返り 準備学習:自分の書いたレポートでどこがまずかったか考えておく
- <成績評価方法>
- 「文学」の授業では、まず取り上げる作品をきちんと読むことが基本。毎回宿題に課したところまでの感想文等の提出を求めたり、未知のクラスメート間で感想文を回覧し相互批評を行ったりする。その他宿題や授業中の提出物をもとに平常点を算出。最終回の授業教場で執筆してもらう批評レポートとあわせて評価、A+〜Fの6段階のGradeで評価し、D以上の者に単位を認める。最終の批評レポートの比重は約7割。ただし、平常点が一定の点数に達しない者の批評レポートは、採点対象としない。教場レポートのみ提出しても単位はとれない。
- <教科書>
- マーガレット・ミッチェル、荒このみ訳『風と共に去りぬ』第1巻〜第6巻(岩波文庫)
上記を推奨するが、他社の文庫本や文学全集本で読んでも構わない。
- <参考書>
- 読んでほしい本を教場で随時紹介する。
- <オフィスアワー>
- 新宿校舎2715研究室 月13:00〜13:20
それ以外は教員に直接たずねること。
- <学生へのメッセージ>
- 『風と共に去りぬ』をともかく一日も早く読了(過去に読んだことがある人は再読了)することが必要。まず第1巻だけでもゴールデンウィーク前までに読みあげないと、授業についていけなくなる。通学往復の車中などを利用して、長編小説を読み進めていくための時間を作り、読みはじめた以上は最後まで読み通す決意を固めてほしい。
この授業は作品を先に読んでいなければどうにもならない。文庫本の巻数と厚さとに臆することなく、この機会に著名な長篇小説の全巻読破にチャレンジしてみようという心意気のある学生にだけ受講してほしいと思う。そして、欠席すると授業中に行われる課題への参加に支障が生じる(他の学生たちにも迷惑をかけることになる)ので、登録した以上は一回も休むことなくきちんと出席するよう強くお願いする。
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