2017年度工学院大学 第1部機械システム工学科

数学II(Mathematics II)[4N12]

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2単位
岸  俊晴 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
主に二変数関数の微分・積分に関する定義、定理及び公式を身につける。具体的な内容は、テイラー展開、極大・極小、重積分(順序交換、変数変換)などである。

<受講にあたっての前提条件>
「数学I」を受講し、一変数関数の微分及び積分の計算ができるようになっていること。
本科目習得後は「工業数学A・B」などの科目を履修することができる。

<具体的な到達目標>
○ 偏微分係数・偏導関数の意味を理解し、計算できる。
○ 微分可能性の意味を理解できる。
○ 二変数関数の極大値及び極小値を求めることができる。
○ 陰関数について、導関数及び接線の方程式を求めることができる。
○ 順序交換や変数変換により、重積分を計算できる。
(JABEE学習・教育到達目標)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:D-1◎
「機械システム基礎工学プログラム」:C-1◎

<授業計画及び準備学習>
1. 二変数関数のグラフと極限
 二変数関数について、グラフの形状を視覚的に捉えることができる。また、極限計算の基本的な手法を学び、簡単な関数の極限を計算できる。
【準備学習】一変数関数の極限について復習しておくこと。教科書第 3.1 節(p. 101〜)を読んでおくこと。

2. 空間ベクトル
 二変数関数の微分可能性を理解するために必要となる空間ベクトルの基礎について復習する。
【準備学習】高校で学習したベクトルを復習しておくこと。

3. 偏微分係数と偏導関数
 多変数の関数を一変数関数とみなして微分する「偏微分」について、図形的な意味を理解し、基本的な関数の場合に計算できる。
【準備学習】教科書第 3.2 節(p. 102〜)を熟読し、例 3.1〜3.5 を理解しておくこと。

4. 二変数関数の微分可能性について
 二変数関数の微分可能性の定義を理解し、具体的な関数が微分可能か否かを判定(全微分可能性)できる。
【準備学習】前々回及び前回のプリントを復習しておくこと。

5. 高階偏導関数
 偏導関数の偏導関数である高階偏導関数を計算できるようになる。また、複素関数論とも関係する調和関数や、極小曲面へ応用できる。
【準備学習】教科書第 3.3 節(p. 106〜)を読み、例 3.6〜3.8 を理解しておくこと。

6. 合成関数の微分法
 二変数関数と一変数関数との合成関数や、二変数関数と二変数関数の合成関数について、偏導関数を計算できる。
【準備学習】一変数関数の合成関数とその微分法について復習しておくこと。

7. 二変数関数のテイラー展開
 二変数関数が多項式によって近似できることを理解し、具体的な関数のテイラー展開を求めることができる。
【準備学習】教科書第 3.4 節(p. 108〜)を読み、例 3.9〜3.10 を理解しておくこと。

8. 極大・極小と鞍点
 多項式関数を中心に、二変数関数の極大値・極小値を求めることができる。
【準備学習】教科書第 3.5 節(p. 113〜)を熟読し、例 3.11〜3.15 を理解しておくこと。

9. 陰関数の導関数
 方程式によって定義される関数の導関数を計算できる。また、円積問題の研究の中で考案された古典的な曲線や、近年暗号理論等で活用されている楕円曲線との関連を理解する。
【準備学習】教科書第 3.6 節の前半(p. 124〜126)を熟読し、例 3.16〜3.17 を理解しておくこと。

10. 二重積分と累次積分
 二変数関数の定積分(二重積分)が一変数関数の定積分に帰着できることを理解し、長方形領域における二重積分を計算できる。
【準備学習】教科書第 4.1 節(p. 138〜)及び 4.2 節(p. 140〜)を熟読し、例 4.1〜4.2 を理解しておくこと。

11. 二重積分の計算
 一般の領域(連続関数で挟まれた領域)における二重積分が累次積分に帰着できることを理解し、計算できる。
【準備学習】教科書第 4.3 節(p. 143〜)及び 4.4 節の前半(p. 144〜147)を熟読し、例 4.3〜4.5 を理解しておくこと。

12. 二重積分(順序交換)
 積分の順序を交換することにより、二重積分の値を計算できる。
【準備学習】教科書第 4.4 節の後半(p. 148〜)を読み、例 4.6〜4.7 を理解しておくこと。

13. 二重積分(変数変換)
 一変数関数における置換積分法に相当する「変数変換」について、極座標変換と線形変換を用いて二重積分を計算できる。
【準備学習】教科書第 4.5 節(p. 149〜)及び 4.6 節の前半(p. 154〜155)を熟読し、例 4.9〜4.11 を理解しておくこと。

14. 学習内容の振り返り
【準備学習】定期試験で解けなかった単元を復習しておくこと。

<成績評価方法>
試験期間に実施する期末試験100%。到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。

<教科書>
長谷川研二 他「理工系のための微分積分」培風館

<参考書>
高木悟 他「理工系のための基礎数学」培風館

<オフィスアワー>
木曜日3限から5限終了までの休み時間、八王子校舎講師室。

<備 考>
「理工系のための微分積分」「理工系のための基礎数学」の訂正は
http://home.att.ne.jp/air/satorut/book/index.html


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