2017年度工学院大学 第1部機械工学科
線形代数学II(Linear Algebra II)[4A01]
2単位 金城 謙作 支援教員
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 平面や空間の一般化である線形空間と, 線形空間の間の線形写像について学習する. そして, 線形空間の基底や次元, 部分空間, 線形写像の核と像について理解する. また, 行列の固有値, 固有ベクトル, 対角化を計算出来ることが目標である.
- <受講にあたっての前提条件>
- 線形代数学Tの内容(行列の演算や逆行列, 基本変形など)を使用するため, 線形代数学Tを履修していること.
本科目の習得後は「数値計算法」などの科目を履修することができる.
- <具体的な到達目標>
- 以下の項目を理解し, 正しく計算出来ることが到達目標である.
(1)一次独立の概念を理解し, 一次従属の場合は一次結合で表すことが出来る, (2)線形写像の像と核を計算し, 線形空間の基底や次元を計算できる, (3)固有値, 固有ベクトル, 対角化の計算.
(JABEE学習・教育到達目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:D-1◎
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 線形空間
空間ベクトルを復習し, 一般の線形空間の説明を行う. 準備学習:高校数学の平面ベクトル, 空間ベクトルと「線形代数学I」の行列の演算を復習すること. 教科書p.1〜p.20, p.138〜p.147まで熟読すること.
2. 部分空間と一次独立, 一次従属 線形空間と部分空間を復習する. そして, 一次独立と従属の定義と例を紹介する. 準備学習:第1回の内容を復習すること. 教科書p.141〜p.153まで熟読すること.
3. 基底と次元 一次独立な最大個数のベクトルの判定法について学習する. 準備学習:第2回の内容を復習すること. また, 行列の簡約化の復習をすること. 教科書p.153〜p.159まで熟読すること.
4. 写像と線形写像 写像と線形写像について, 定義と例を学習する. 準備学習:第3回の内容を復習すること. 教科書p.160〜p.168まで熟読すること.
5. 核と像 線形写像を復習したあと, 線形写像の核と像について学習する. 準備学習:第4回の内容を復習すること. 教科書p.168〜p.174まで熟読すること.
6. 基底変換行列と表現行列 線形空間の基底を固定することで, 線形写像と行列の関係を学習する. 準備学習:第4回と第5回の内容を復習すること. 教科書p.175〜p.187まで熟読すること.
7. 固有値と固有ベクトル(1) 線形写像の固有値と固有ベクトルの定義を学習する. 準備学習:「線形代数学T」の行列式の計算方法を復習すること. 教科書p.188〜p.199まで熟読すること.
8. 固有値と固有ベクトル(2) 行列の固有値と固有ベクトルの定義を学習し, 2次, 3次の正方行列を中心に計算演習を行う. 準備学習:第7回の内容を復習すること. 教科書p.188〜p.199まで再度熟読すること.
9. 対角化(1) 行列の固有値と固有ベクトルを復習したあと, 行列の対角化を解説する. 準備学習:第8回の内容を復習すること. 教科書p.199〜p.205まで熟読すること.
10. 対角化(2) 行列の対角化を復習したあと, 行列の累乗への応用を解説する. 準備学習:第9回の内容を復習すること. 教科書p.199〜p.205まで再度熟読すること.
11. 正規直交基底 正規直交基底を定義し,シュミットの直交化法により正規直交基底を計算する. 準備学習:第10回の内容を復習すること. 教科書p.206〜p.215まで熟読すること.
12. 対称行列の直交行列による対角化 実対称行列の固有値や対角化に関する性質を学習する. 準備学習:第11回の内容を復習すること. 教科書p.215〜p.222まで熟読すること.
13. 対角化の応用 行列の対角化の復習をしたあと, 対角化の応用について学習する. 準備学習:第9回と第12回の内容を復習すること. 教科書p.221〜p.222の問題は解答すること.
14. 学習成果の確認 これまでの学習内容を復習し, 教科書の問題はすべて解答できるようにする. 準備学習:これまでの13回の講義内容に該当する教科書, 小テストを解答し直す.
- <成績評価方法>
- 各授業の中で行う小テスト(各3点満点)の合計点(30点満点で30点以上は30点とする)と定期試験期間内に実施する期末試験(100点満点)の70%の合計点(100点満点)で評価する.
2014年以前の入学者は合計点が60点以上を合格とし, 2015年度入学者はGrade D以上で合格とする. 但し100点満点の期末試験の点数の方が上述の合計点より高い場合は, 期末試験の点数で評価する.
- <教科書>
- 高木悟 他「理工系のための線形代数」培風館 (ISBN:978-4563004996)
- <参考書>
- 高木悟 他「理工系のための基礎数学」培風館 (ISBN:978-4563004972)
三宅敏恒 著「入門線形代数」培風館 (ISBN:978-4563002169)
- <オフィスアワー>
- 授業時間の前後に非常勤講師室または教室にて. 事前に連絡を入れると対応が円滑になる.
- <学生へのメッセージ>
- 授業で扱った題材や教科書の問題でわからないことは, オフィスアワーや学習支援センターを活用して解答出来るようにすること.
- <備 考>
- 学生の習熟度や授業の進行により扱う内容を変更することがある. また, 必要に応じてレポート課題を課すことがある.
「理工系のための線形代数」「理工系のための基礎数学」の訂正は, 下記のアドレスを参照にすること. http://home.att.ne.jp/air/satorut/book/index.html
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