2016年度工学院大学 教職課程科目

職業指導(Career Guidance)[9805]

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4単位
柴沼 俊輔 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
社会的・国際的・歴史的に広い視野をもって職業指導をとらえ、自律的に職業指導を遂行できる教員としての資質を培う。

<受講にあたっての前提条件>
特になし。

<具体的な到達目標>
@「職業指導」概念、および「職業指導」の具体的な指導内容を理解する。
A日本の職業指導の特徴を、国際比較、歴史的事実の観点から把握する。
B職業指導、職業教育・訓練、普通教育としての技術教育を、三位一体のものとしてとらえた職業指導論『ノンキャリア教育としての職業指導』を批評できる。

<授業計画及び準備学習>
1.オリエンテーション(講義の概要、成績評価方法、受講生の自己紹介)
2.基本用語の整理(職業指導、進路指導、キャリア教育、職業教育・訓練)
3.学校から労働への移行に関する国際比較@(日本的雇用慣行、同慣行崩壊後の日本の雇用)
4.学校から労働への移行に関する国際比較A(他の先進諸国における移行の実際)
5.職業指導実践史@(日本における職業指導の導入)
6.職業指導実践史A(戦時下における職業指導)
7.職業指導実践史B(職業科教育における職業指導)
8.職業指導実践史C(職業指導の教科書)
9.職業指導実践史D(進路指導への転換)
10.職業指導実践史E(進路指導期の問題点)
11.職業指導実践史F(キャリア教育の導入経緯)
12.職業指導実践史G(キャリア教育のいま)
13.現代における職業指導の役割と課題@(子ども・青年の進路の現状、職業指導の現状と政策的対応)
14.現代における職業指導の役割と課題A(めざすべき職業指導の視点)
15.高校生の進路とその背景@(進路の全体的傾向)
16.高校生の進路とその背景A(日本的雇用システムの転換による影響)
17.職場で働く青年の実際@(青年労働者へのインタビューから)
18.職場で働く青年の実際A(中小企業で働き成長する青年たち)
19.高等学校における職業指導@(就職指導システム)
20.高等学校における職業指導A(教育実践としての職業指導)
21.高等学校における職業指導B(職業学科における職業指導)
22.高等学校における職業指導C(普通科、総合学科における職業指導)
23.グローバリゼーションと職業指導@(職業指導にかかわる国際基準)
24.グローバリゼーションと職業指導A(労働の世界にかかわる人権教育としての職業指導)
25.ハンディのある青年の進路保障@(若者の変身を支える職業訓練)
26.ハンディのある青年の進路保障A(障害のある青年に対する職業指導)
27.まとめ@(職業指導を実践する教員に求められるもの)
28.まとめA(職業指導の実践例)
29.最終課題@(「わたしの職業指導論」執筆)
30.最終課題A(「わたしの職業指導論」発表・交流)

<成績評価方法>
毎日、連続2コマの授業の最後に課す小テストの点数(70点)と、最終レポート(30点)の点数を総合して成績評価とする。合計60点以上を合格とする。

<教科書>
斉藤武雄・佐々木英一・田中喜美・依田有弘編著『ノンキャリア教育としての職業指導』(学文社、2009)

<参考書>
@清原道寿『清原道寿著作集第2巻 職業指導の歴史と展望』(国土社、1991)
A斉藤武雄・田中喜美・依田有弘編著『工業高校の挑戦―高校教育再生への道』(学文社、2005)
B本田由紀『教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ』(ちくま新書、2009)
C笹山尚人『労働法はぼくらの味方』(岩波ジュニア新書、2009)
D石岡学『「教育」としての職業指導の成立:戦前日本の学校と移行問題』(勁草書房、2011)
E堀内達夫・佐々木英一・伊藤一雄・佐藤史人編著『日本と世界の職業教育』(法律文化社、2013)
F藤田晃之『キャリア教育基礎論:正しい理解と実践のために』(実業之日本社、2014)

<オフィスアワー>
授業の前後、教室または非常勤講師室(12階)で受け付けます

<学生へのメッセージ>
職業指導は、将来の生き方について悩み、決定していかなければならない中学生・高校生の重要な発達課題に寄り添う教育活動です。その実践は、簡単ではありませんが、その分、やりがいもあるものだと思います。ぜひ、いっしょに有意義な職業指導の在り方を考えていきましょう。


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