2016年度工学院大学 教職課程科目

教育工学(Educational Technology)[9546]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
豊福 晋平 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
今日の学校教育では、情報社会を生きる児童・生徒が必要な資質(情報活用能力)を身に付けることが求められている。あわせて、学習に新しい情報手段を活用することによって、多様かつ高度な教育効果が期待されており、指導する側もこれら時代の要請に応じた資質能力を高める必要がある。
教育工学には2つの意義がある。一つは工学の科学的合理的手法を教育に適用すること。もう一つは技術の潜在的可能性をもって教育の前提条件を覆し、教育に革新をもたらすことである。古くは学校制度・授業技法の研究に始まったが、現代では広く技術・メディアと教育との接点が議論されている。本講では、教育工学的アプローチへの理解を深めるとともに、いくつかのトピックについて実際に課題に取り組み、その意義や問題点について検討していく。

<受講にあたっての前提条件>
受講にあたっての前提条件は特にない。ただし、講義中個別にインターネットへのアクセスを行う場面があり、提出物等の作成にあたってはPCを要するので、適宜学習に必要な情報環境を整えることが望ましい。

<具体的な到達目標>
達成目標としては次の3点をあげる。
1)教育工学の歴史的背景・主要領域の知見・課題について系統的に理解できること
2)メディアリテラシーの観点から、教育とメディアとの関わりについて考察できること
3)教育情報化の課題を概括し、特に情報機器及び教材の活用に必要な要件を提案できること

<授業計画及び準備学習>
#1[教育工学とは何か]
 教育工学の目的と意義について、歴史的な背景から解説する
 準備学習:高校までに履修した情報教育、あるいは一般教科学習でICTを用いた学習経験について簡単にまとめておくこと。

#2[学校建築]
 校舎建築の課題・要件と最近のトレンド
 準備学習:校舎建築の課題をもとに、コンセプトの整理と提案をまとめる

#3[授業設計・授業評価]
 授業設計モデル・様々な授業評価方法
 準備学習:講義中指示するワークシート課題についてまとめる

#4[メディアリテラシー]
 メディアリテラシーの定義・映像メディアの分析
 準備学習:講義中指示する分析シートをもとに映像メディアの分析を行う

#5[学習者メディア空間と知的作業環境の構成]
 学習者が利用するメディアと社会的つながりをもとに知的作業環境の最適構成について考える
 準備学習:自身が利用するメディアと知的環境(ICT利用)について整理する

#6[学校広報・授業ICT利活用]
 学校広報理論と一般教科学習におけるICT利活用
 準備学習:抽出した学校サイトの評価を行いチェック表を完成させる

なお、内容は適宜変更することがある

<成績評価方法>
講義期間中の提出物・発表をもって評価し60点以上を合格とする。いずれも評価ポイントは体裁・基本事項の理解・論理性・卓越性の4つ。なお、3回以上欠席した場合は履修放棄とみなし成績評価は行わない。

<教科書>
指定教科書なし

<参考書>
講義中に適宜指示する。
「メディア・リテラシー」菅谷明子著(岩波新書)
「教育×破壊的イノベーション」クリステンセン著(翔泳社)
「未来の学校建築―教育改革をささえる空間づくり」上野淳著(岩波書店)
「授業設計マニュアル―教師のためのインストラクショナルデザイン」稲垣忠・鈴木克明著(北大路書房)
 学習指導要領・情報化への対応(文部科学省)

<オフィスアワー>
講義前20分新宿キャンパス12階講師室にて。メールでも対応可(fu25252@ns.kogakuin.ac.jp)

<参考ホームページアドレス>
http://www.i-learn.jp/


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.