2016年度工学院大学 教職課程科目

工業教育の研究B(Study of Industrial Education B)[9191]

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4単位
長谷川 雅康 非常勤講師  
竹谷 尚人 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
わが国の公的職業教育において最大規模を構成している、高校工業教育の意義と役割を明確にし、拡充・発展の筋道を探る。具体的には、高校工業教育の直面している課題の分析を3つの視点(歴史、社会的基盤、諸外国の工業教育)で行い、現場教師の優れた実践記録の分析を通して、実践の道筋を明らかにする。また、戦後の高校工業教育の歴史的な変遷を辿り、今後に受け継ぐべき内容と方法を検討する。

<受講にあたっての前提条件>
中学校時代の「技術・家庭科」の内容を復習し、かつ同級生で工業高校卒業生がいれば、工業高校の状況を聴いて置くこと。

<具体的な到達目標>
1.学校教育法や青年の自立の課題に照らして、高校工業教育の意義と役割を明確にできること。
2.今日の高校工業教育の課題の本質を分析できること。
3.高校工業教育の拡充・発展の筋道を、実際の授業づくりなどに則して実践的に展望できること。

<授業計画及び準備学習>
1. はじめに 工業高校の実践例
2. 工業教育の歩み (戦前、戦中の実業教育)
3. 工業教育の歩み(戦後の工業教育1)
4. 工業教育の歩み(戦後の工業教育2)
5. 工業高校卒業者の高校工業教育に対する評価(調査結果を基に)
6. 工業教育の歩み(近年の工業教育)実践を中心に
7.高校工業教育の諸問題
8.学校教育法および学習指導要領(工業)
9.工業における学習指導と評価
10.工業の授業における評価の実際
11.工業の授業づくり(機械系)
12.工業の授業づくり(化学系)
13.工業科と他教科との関連
14.実習授業の内容
15.資格取得指導
16.定時制工業高校の実際
17.学習指導案の作成
18.学習指導案の検討
19.模擬授業(1)
20.模擬授業(2)
21. 授業研究協議(模擬授業のまとめ)
22. 工業教育の教育内容の変遷−教育課程と実習内容の変遷−
23. 技術教育の方法について (プロジェクト法と実践例)
24. 技術教育の方法について(オペレーション法、作業分析と実践例)
25. 技術教育の方法について(仮説実験授業、その他の方法)
26. 諸外国の工業教育の事例
27. 現場教師の研究−教材・教具の開発など− 教師の職務とあり方
28. 工業教育の特徴と教育的意義
29. 今後の工業教育のあり方と課題
30.学習内容の振り返り、まとめと質疑、授業内試験

準備学習について
(長谷川)
 教科書と授業で配布するプリントに書かれている、特に授業実践報告を熟読して、工業高校教員の仕事の楽しさと難しさを学んで欲しい。
(竹谷) 
 毎回の授業で配布するプリントを自宅で復習し、次回の講義に備えること。
講義で紹介する参考書や文献を取り寄せ、「授業づくり」について自ら学習することを期待する。

<成績評価方法>
(長谷川)レポート、試験の結果などをもとに評価する。
(竹谷) レポートおよび最終試験で評価する。

<教科書>
斉藤武雄他編『工業高校の挑戦−高校教育再生への道−』(学文社)、プリント教材等を使用する。

<参考書>
(長谷川)堀内達夫他『新版 専門高校の国際比較』(法律文化社)、このほかは、その都度紹介する。
(竹谷)大田邦郎『問題形式で考えさせる』(東信堂)

<オフィスアワー>
1) 休み時間および授業時間後に教室または講師室にて
2)メールで約束の上、対応します。
 長谷川:hasegawa0125@gmail.com  竹谷:hisato@v7.com

<学生へのメッセージ>
高校工業教育は多くの課題を抱えているが、その課題に挑戦して高校教育そのものの展望を切り開く実践も少なくない。2週間の集中講義を通して、高校生と共に生きる工業高校の教師という仕事の魅力を掴んでもらえれば幸いである。


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