2016年度工学院大学 教職課程科目

理科教育の研究B(Study of Science Education B)[9151]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

4単位
高城 英子 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
中学校、高等学校での理科授業のねらい、内容、進め方などについて、広い視野から理解するとともに、一般的な教育の方法及び技術(情報機器及び教材の活用を含む)について理解を踏まえて理科教育に応用できるようにする。具体的に授業展開を進めていく実践的な指導力を養うことを目標とする。

<受講にあたっての前提条件>
理科教育に関する関心を常に持ち、自分の考えを持って講義に望むこと。

<具体的な到達目標>
中学校、高等学校での理科授業について、教育課程の意義及び編成の方法を踏まえて、学習指導要領の内容や指導などを実践的に学んでいく。特に、諸外国の教育に関する動向や、OECDのPISA調査なども含め、理科授業のデザインなど、理科教育を取り巻く国際的視点、教育環境、多様な教育方法に関して、具体的な根拠を明示して、自分の考えを持つことができる。

<授業計画及び準備学習>
1. ガイダンス 自分の中学校・高等学校での理科授業を振り返る なぜ理科教師になろうとするのか
2. 理科授業の目的  学習指導要領の意義と変遷
3. 教育課程の意義と編成(1) 授業形態、学びのプロセス、教材の排列
4. 教育課程の意義と編成(2)教科書中心と経験重視 「どのように学ぶ」の重視
5. 教育課程の意義と編成(3)学校と地域社会
6. 教育課程の意義と編成(4)小学校・中学校・高等学校・大学等の連携
7. 学習指導案づくり(1)  理科授業での「問い」 問題解決型の学び、1時間の授業の流れ
8. 学習指導案づくり(2) 思考を促す授業の創造 
9. 学習指導案の書き方@ 単元観、系統性、評価規準、評価基準
10. 学習指導案の書き方A 本時の展開を中心に(生徒の反応と指導、評価場面)
11.科学概念の系統性(1)  粒子モデルを用いた思考の深め方(授業検討)
12.科学概念の系統性(2) 「エネルギー」「生命」「地球」(授業検討)
13.生徒の学習評価とは 生徒の学びに活かす評価  ルーブリック評価等
14.教育の方法と技術 模擬授業に向けて 展開分野の検討  模擬授業の指導案・グループ分け
15.模擬授業と相互評価(1) グループ別模擬授業 (情報機器の活用を含む)
16.模擬授業と相互評価(2) グループ別模擬授業 (情報機器の活用を含む)
17.模擬授業と相互評価(3) グループ別模擬授業 (情報機器の活用を含む)
18.模擬授業と相互評価(4) グループ別模擬授業 (情報機器の活用を含む)
19.模擬授業から学んだもの(1)  教育の方法技術に関して(グループ内での検討) 
20.模擬授業から学んだもの(2)  教育の方法技術を向上させるために(グループ毎の発表
全体での振り返り)
21.教育方法技術の課題(1)日本の理科教育の流れ 世界で評価される「日本型授業研修」
22.教育方法技術の課題(2)「PISAショック」からの立ち直りと、これからの教育改革 
23.教育方法技術の課題(3)フィンランドやイギリス、北米の学び方
24.教育方法技術の課題(4)様々な指導法の比較 探究学習 構成主義の学び 
25.教育方法技術の課題(5)才能育成への試み SSH、科学オリンピックなど
26.教育方法技術の課題(6)教室を飛び出して学ぶ 情報機器の活用、デジタル教科書の紹介
27.グループ・全体討議 「目指す理科教師像」
28.先輩教師から学ぶ
29.理科教師の可能性 主体性の教育へ(「何を学ぶか」から「どのように学ぶか」へ)
30.学習成果の確認 本講座を振り返り、成果をまとめる
授業準備としては、次の3点を行ってください
・模擬授業では、授業展開に関して教材や教具を含めた50分の授業を創作し、自信をもって展開できる準備を望みます。
・毎回、前時のレポートを返還しますので、評価を参考に自分の思考を振り返り、次の講義に活かす努力を望みます。
・互いに学び合う形式で講義は進めますので、具体的な課題を出すことがあります。必ず、準備をして臨まないと他のメンバーにも迷惑がかかりますので、着手せずに参加することがないようにしてください。

<成績評価方法>
毎回の授業でのレポートの提出とその内容に対する5段階評価(A◎、A○、A、B、C)を合計し、6割以上で合格とする。その際、自らの追加レポートや模擬授業の参加態度、発言などを追加評価する。模擬授業への参加を必須とする。

<教科書>
学校学習指導要領解説 理科編(文部科学省)
高等学校学習指導要領解説 理科編(文部科学省)

<参考書>
『授業と評価をデザインする 理科』堀哲夫、西岡加名恵(著者)、日本標準(発行元)
『理科の先生のための新しい評価方法入門』Rドラン、Fチャン、Pタミル、Cレンハート(著者)、北大路書房(発行元)

<オフィスアワー>
講義の30分前には講師室におります。下記へのメールも受け付けます。
eikotkg@u01.gate01.com

<学生へのメッセージ>
アクティブ・ラーニング型の講義を実践していきます。積極的な参加を望みます。


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