2016年度工学院大学 教職課程科目

教育心理学(Educational Psychology)[9033]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
安部 芳絵 准教授  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
本授業のねらいは、履修学生が教育心理学における中心的概念である心身の発達及び学習の過程を理解し、それらを教師の指導・支援にどう活かしていけるかについて、理解を深めることである。

<受講にあたっての前提条件>
教職課程を履修していること、または履修しようとしていること。

<具体的な到達目標>
具体的到達目標は、@幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程を知ること、A障害のある幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程を知ること、B@とAを踏まえ、教師の指導・支援にどのように活かせるか、考えることができるようになることである。
 心理学における発達は、受精から死までの時間的推移の中で生じる心理的・行動的変化や持続性を意味する。これに対し、特定の経験によって知識や技能を獲得することによって生じる心理的・行動的変化が学習である。より効果的な学習には発達を理解することが不可欠であるように、発達と学習は無関係ではない。本授業では、生涯発達という概念を踏まえ、行動主義から状況論的アプローチに至る学習論をもとに、赤ちゃんからおとなまでの発達と学習をトータルに見ていく。なかでも、中学・高校の教師が対象とする青年期については、具体的な課題を提示しながら、教師の指導・支援のあり方やその役割について、学習論における動機づけや教育環境、学習方法と合わせて検討したい。
 なお、授業は理解度と意欲を高めるために、一方通行の講義ではなく、グループディスカッションをまじえた参加型で行う。毎回の授業終了時には、自己の省察を深めるためにコメントシートに記入し、翌週の授業時にレビューとして配布、全体で共有する。積極的な参加を期待する。

<授業計画及び準備学習>
<授業計画>
1. ガイダンス
2. 発達1:乳幼児期から児童期
3. 発達2:青年期1−アイデンティティ−
4. 発達3:青年期2−ジェンダー
5. 発達4:青年期3−社会性をどう獲得するか
6. 学習1:行動主義/構成主義/認知心理学的アプローチ
7. 学習2:社会文化的アプローチ/状況論的アプローチ
8. 学習3:動機づけ、学ぶ意欲と教育環境
9. 学習4:参加型学習・協同学習
10.評価1:学力と評価
11.評価2:評価方法と教育の改善
12.適応1:不適応の理解と対応(不登校・摂食障害・非行・精神疾患など)
13.適応2:障害の理解(身体障害、発達障害など)とその支援
14.学習内容の確認とふりかえり
<準備学習>
※各回の授業予習として
1新聞やニュースで子どもに関連する記事を読むこと、とくに気になった記事はクリッピングすること
2子どもに関する記事やニュースを題材に、家族や友人と話をすること
3前回のコメントシートに目を通しておくこと
※各回の復習として
1コメントシートに自分なりの考えを記入すること
2講義で学んだことを子どもと向き合う実践に活かすこと
3活かしてみた結果を次回の講義に反映すること。

<成績評価方法>
講義への出席とディスカッション・グループワークへの参加を前提とし、期末に実施するレポートを100点満点として、6割以上の者に単位を認める。

<教科書>
特に指定しない。毎回の授業に際しては、作成したレジュメおよびコメントシートのレビューを配布することで、授業の理解度を深める。

<参考書>
<参考書・参考資料等>
藤村宣之2012『数学的・科学的リテラシーの心理学 子どもの学力はどう高まるか』有斐閣
安藤寿康・鹿毛雅治2013『教育心理学 教育の科学的解明をめざして』慶応義塾大学出版会
心理科学研究会2012『中学・高校教師になるための教育心理学 第3版』有斐閣
学習指導要領
※このほかは適宜授業時間内に紹介する。

<オフィスアワー>
水曜日 12:50−13:40(八王子校舎総合教育棟 1s-326)

<学生へのメッセージ>
学校現場や塾講師、ボランティア、子育てなど、子どもと接する場面で「どうしてうまくいかないんだろう」「どうすればいいのかな」「何かできることはないのかな」と感じることはありませんか。教育心理学を通し発達と学習のメカニズムを学ぶことで、子どもをみる、新しい視点を獲得してみませんか。


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