2016年度工学院大学 第2部建築学科
構造設計法(Method of Structural Design)[5S10]
2単位 横尾 格美 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 近年、構造設計法の高度化が益々進む中で、解析数値に対する当該現象が見えにくくなってきている。工学という分野は正にこの点が重要であり、解析は精密になされるものの、理解は単純に、大きな視野でなされることが望まれる。授業では、基準法の変遷と解析方法について説明し、以下の到達目標を達成する。
(1) 最も基礎的な許容応力度設計法を具体的な例題により理解して、主に地震荷重の意味理解と計算ができる。 (2) 大地震時における建築物の耐震性評価ができる。
- <受講にあたっての前提条件>
- 以下の条件を理解していることが望ましい。
(1) 力の三要素(軸方向力、曲げモーメント、せん断力)を理解していること。 (2) モーメント(力×距離)の計算ができること。 (3) コンクリートと鉄骨の材料特性を理解していること。
- <具体的な到達目標>
- (1) 新旧建築基準法による耐震性能評価の違いが判る。
(2) 中地震及び大地震時の設計用地震荷重の理解と計算ができる。 (3) 許容応力度設計法による応力計算と断面算定ができる。 (4) 大地震時の耐震性能評価ができる。
- <授業計画及び準備学習>
- (前時限/後時限)
第1週 ガイダンス/建築基準法の変遷 第2週 演習/部材の崩壊形と耐震性能 第3週 許容応力度設計法における荷重(特に地震)算定/応力算定と断面算定 準備学習:配布資料の18頁から23頁を読んでおくこと 第4週 大地震に対する設計(二次設計)の考え方 準備学習:配布資料の24頁から28頁を読んでおくこと 第5週 構造設計と目に見える現象/試験 第6週 試験解答の説明/構造設計界の現況
- <成績評価方法>
- 出席数は6週のうち4週以上が必要である。その上で、出席率(約20点)と、第5週試験(約80点:教科書等の持込み不可)で計算した総合評価点が60点以上を合格とする。
- <教科書>
- (1) 配布資料(第1週に配布)
(2) 市販の指定教科書は無し
- <参考書>
- (1)「鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説 2010」(日本建築学会)
(2) 図説「建築構造のなりたち」日本建築構造技術者協会編(彰国社)
- <オフィスアワー>
- 受講日17:20〜17:40(12階講師室)
- <学生へのメッセージ>
- 私達は「有形」の建築物や空間を造ることが目的と考えがちであるが、本当は『安心』という「無形」のものを与えることが大切である。計算数値から、目に見える実際の現象をイメージできるような構造設計を講義します。
- <備 考>
- 欠席数が3週以上、および第5週試験を受けられない者は単位取得の資格がありませんので注意して下さい。
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