2016年度工学院大学 先進工学部

地学(General Earth Science)[6315]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

1単位
田野崎 隆雄 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
地学は、自然科学を4領域とした場合の「物理学」「化学」「生物学」に含まれなかった分野を全部一括りにして、一定時間内に習得させることを意図した科目である。これを6回の講義という限られた中で、自然現象すべてといってよい地学の内容を、概説することは本来不可能であろう。また一方で最先端領域でもあり、常に新発見が相次ぎ、旧来の概念が更新されている領域でもある。そこで本講では、現代日本において緊喫の課題ともなっている、防災および環境問題に関する地学事象の、マスメデア発表を理解して、該課題に関して多くの人々と実りあるコミュニケーションを行えることを狙いとしたい。例えば近年の台風の巨大化による被害の増加が、二酸化炭素の増加による地球温暖化の影響といったものだけではなく、環境的・経済的な判断が必要であり、多くの異なる価値観・立場の人々とデータをもとにした議論が展開されてくることになる。このそのための技術者として、各事象を文書で記録できるようになる必要がある。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
1.マスメデイアでよく見受けられる地学関連用語を理解し、ことばで説明できるようになる。
2.実際のフィールドにおいて、どのような地学現象が現れているか理解し説明できるようになる。
3.持続可能な発展のために、地学の知識を活かせるようにする。具体的には地学オリンピック(日本語版)の問題が、正答はともかく出題文の内容が理解できること。

<授業計画及び準備学習>
初回授業の準備学習については、「教科書」の内容を概読(特にp4−6)しておくこと。 都度、教科書の内容説明はしない。わからない説明部位はチェックしておくこと。
教科書の順序とは入れ替わるが、各回は
1.地学の内容と測定・観測
2.地圏・気圏・水圏の特徴(資源学・気象学・海洋学)
3.生物圏とその変化(環境学・生態学・進化学)
4.地球型惑星の構造と変化1(地球物理学・地球化学・鉱物岩石学)
5.地球型惑星の構造と変化2(層序学・地史学・テクトニクス)
6.宇宙の起源と構造(太陽系・銀河系・宇宙の歴史)
7.学習成果の確認
となる予定である。なおオーデオビジュアルを用いた現象説明を多用する。

<成績評価方法>
期末試験の成績をもとに理解度を評価する。試験は記述式であり、知識を問うものではなく、見方考え方を問うものになる。詳細は初回に説明する。出席は都度確認しないが、全部の講義に出ている前提で進める。また試料鑑定を課題として、提出者には試験点数に加えて加点する。

<教科書>
『もういちど読む数研の高校地学』(数研出版)

<参考書>
『ニューステージ新地学図表―地学基礎+地学対応』(浜島書店)

<オフィスアワー>
毎週土曜日3時限後bは八王子講師室にいるので、質問等OKである。

<学生へのメッセージ>
留意して欲しいことは、
1.ことばによる概念定義に慣れ、新聞テレビの解説を理解でき、それを他者に説明できるようになること。
2.中学校科目の内容(特に理科、地理、国語)を理解し、地学現象の説明を中学生レベルにできること


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.