2016年度工学院大学 先進工学部

生物学(General Biology)[6203]

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1単位
山本 雄介 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
生物学は、DNAやRNA、タンパク質のようなミクロな分子の動態から植物や動物個体の生態のようなマクロな研究まですべての生命の仕組みを解明する非常に幅広い学問である。生物学の知識は食品や医薬品、医療の発展、開発に深く寄与していることから医学、薬学、化学とは密接に関連しているのはもちろんのこと、特に近年では数学、物理学、工学との融合によってさらなる進化を遂げている。本講義のねらいは、生命科学の基礎となる生体分子の理解から始まり、がんや生活習慣病などの疾患や健康食品など日常生活に深く入り込んでいる生物学について正しく理解することである。

<受講にあたっての前提条件>
特になし。講義は高校の生物学を履修していないことを前提に行います。

<具体的な到達目標>
講義を通して、分子生物学を中心とした現代生物学の基本的な素養を身につけると共に、日常生活に関連する生命現象や生物学を応用した生命工学を理解し、正しく判断する能力を身につけることを到達目標とする。具体的には(1)生命科学史の概要を理解することで、生命とその最小構成単位である細胞の成り立ちを理解する。(2)免疫システムを中心とした生体の恒常性維持機構とその破綻がもたらす疾患について生物的な観点から理解する。(3)幹細胞による組織の再生とその応用による再生医療について生物学かつ工学的な観点から理解する。

<授業計画及び準備学習>
授業では毎回プリントを配布します。プリントの復習をすることで次の授業の理解が深まりますので復習をしておいてください。
1.「生物学史」生物学の歴史の概要および最新の生命科学研究の紹介について
2.「細胞と分子」生命の最小単位である細胞を構築するDNA、RNA、タンパク質などの基本構造や細胞内でのそれぞれの役割について
3.「疾患生物学」がんや生活習慣病など身近に存在する疾患について
4.「獲得免疫と自然免疫」外部からの病原菌侵入や生体内部の異常から生体を保護する免疫機能について
5.「再生医療」胚性幹細胞(ES細胞)、iPS細胞、成体幹細胞の観点から個体発生および組織再生について
6.「生命工学」人工臓器やバイオマテリアルなど、生物学と工学の融合について
7. 定期試験
8. 「学習内容の振り返り」試験の解説および講義の復習

<成績評価方法>
授業ごとに課題を出し、その課題点を成績に加味する。課題点40%・定期テスト60%として総合的に成績を判断する。

<教科書>
指定教科書なし

<参考書>
ノーベル賞の生命科学入門 遺伝子工学の衝撃
石田寅夫・著
出版社: 講談社

<オフィスアワー>
授業終了後、教室で行います。それ以外で質問のある場合はyuyamamo@ncc.go.jpにメールお願いします。

<学生へのメッセージ>
講義はパワーポイントを使い、さらに要点をまとめたプリントを授業ごとに配布しそれを中心に授業を行います。取り上げる内容は基礎的な学問としての生物学だけではなく、日常で接することに多い病気(がんや感染症など)や食品、時事ニュースなどを含めた身近な話題を積極的にとりあげ、わかりやすい授業を展開します。授業で学ぶことにより、少しでも生物学について興味を持つきっかけの助けとなればと思います。


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