2016年度工学院大学 先進工学部機械理工学科

物理化学概論(Introduction to Phisycal Chemistry)[5G23]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

1単位
森田 真人 特任助教  
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
物理化学は、化学における物質の種類にとらわれない共通的な法則性の理解を目的とした学問である。この科目では、物理化学入門の発展として、物質を構成する化合物や分子などの構造、性質(物性)や反応を調べるために、無機・有機化合物に関わらず物理学的な手法が有用なことを学ぶ。この科目では、原子・分子レベルでの非常に微視的な世界における現象を学ぶために、量子力学について理解を深める。また、原子・分子と光との相互作用を理解し、その現象を用いた分析法についても学ぶ。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
授業のねらいを参照すること

<授業計画及び準備学習>
1. 量子力学の基本原理:エネルギーの量子化とは?量子力学の基本について学ぶ。光の波動性と粒子性について説明し,電磁波,光電効果について学ぶ。この発展から物質の波動性について説明し,量子力学の基本概念となる電子の二重性について学ぶ。
2. 波動関数:波動関数の定義を説明し,シュレディンガー方程式を導出する。波動関数の性質を説明し,波動関数と物理量の関係を学ぶ。
3. 原子と分子:水素原子とシュレディンガー方程式について説明する。シュレディンガー方程式が例外的に解けるのが水素原子であることを説明し,そこから原子・分子の量子論的に説明する。
4. 反応速度の理論:化学反応と化学平衡を説明し,反応が起こるメカニズムを学ぶ。反応次数と反応速度から反応速度の理論を説明する。
5. 回折:結晶と結晶面について学び、X線や電子線が結晶中で回折する現象について学習する。さらにこの現象を用いた種々の結晶構造解析法について理解を深める。
6. 光化学反応:光のエネルギーにより反応が起こることを学ぶ。
7. 分光学による分子構造の決定:分子の構造がどのように決定されているのか,分子構造パラメーターと理論計算の関係について学ぶ。
8. 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
原則として、期末試験の点数が60点以上を合格とする。ただし、授業中提出課題の評価を50%まで含め、総合評価が100点を超えないようにして規格化して評価する。

<教科書>
Gordon M. Barrow著 バーロー物理化学(下) 東京化学同人

<参考書>
佐藤光史監修 他著 大学生の化学 Introduction 培風館
Moore WJ. 著 基礎物理科学 東京化学同人
枝元一之著 初めて学ぶ物理化学 化学同人
前川恒夫著 物理化学 裳華房
Peter Atkins 著 アトキンス物理化学(上)(下) 東京化学同人

<オフィスアワー>
毎週火曜日16:30〜18:00
(八王子;18号館309または12号館305号室,新宿;木曜日4時限A-2718室)

<学生へのメッセージ>
物理化学は様々な専門分野の基礎的な部分です。断片的な知識としてではなく、論理的につながりのある系として、理解するよう努めて下さい。


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.