2016年度工学院大学 先進工学部機械理工学科

ベクトル解析(Vector Analysis)[2D31]

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2単位
長谷川 研二 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
本科目はベクトル解析を指導する。ベクトル解析は電磁気学や流体力学の数学的基礎を与えるが、幾何的な意味がわかりにくいので図を見せることにより理解を促したい。主な授業のねらいは
  • 線積分や面積分を計算する。
  • 積分公式を理解し、専門分野に応用する。

<受講にあたっての前提条件>
微分、積分、偏微分、重積分を単位取得または履修中であること。

<具体的な到達目標>
  1. 線積分や面積分を定積分や重積分に直して計算できる。
  2. グリーンの定理で平面における線積分と領域上の重積分の関係を理解して応用できる。
  3. ガウスの定理で空間における曲面の面積分と領域上の体積分の関係を理解して応用できる
  4. ストークスの定理で空間における曲面の面積分と境界の線積分の関係を理解して応用できる。

<授業計画及び準備学習>
  1. ベクトルの内積と外積:
    内積の他に高校で習わない3次元ベクトルの外積の幾何的な定義と成分の公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:プリントは事前に配布できないので高校で習ったベクトルと数学I・IIの復習をする。
  2. 曲線:
    媒介変数表示された曲線の長さを積分で求めたり、接線ベクトルや法線ベクトルの成分を微分で求める。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:プリントを読んでおく。
  3. スカラー場とベクトル場:
    ベクトル解析では平面や空間の点にベクトルを対応させたベクトル場が登場する。それに対して平面や空間上の関数は点に対してスカラーが対応するのでスカラー場ともいう。ベクトル場の例や演算規則を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  4. 線積分:
    ベクトル場において曲線の接線ベクトルや法線ベクトルとの内積を曲線上で積分することを線積分という。線積分の方法を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  5. 平面における積分公式:
    領域上の重積分と境界における線積分の関係を表す積分公式であるガウスの定理とグリーンの定理を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  6. 曲面:
    曲面は2つの媒介変数で表示される。曲面上の点に対する接平面の方程式や法線ベクトルを求める公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  7. 曲面積:
    面積分の1つである曲面の面積を2つの媒介変数の重積分で求める公式を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  8. 面積分:
    ベクトル場と曲面の法線ベクトルの内積を曲面で積分することはベクトル解析で重要な面積分である。面積分を計算する方法を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  9. 体積分:
    変数が3つある関数の積分を3重積分というが、これは3次元空間上の積分で体積分ともいう。重積分と同様に累次積分で体積分を計算させる。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  10. 3次元の極座標とヤコビアン:
    3次元の極座標の定義と極座標で体積分するためのヤコビアンを解説し、極座標を使って体積分を計算させる。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  11. 回転と発散:
    空間における積分公式に必要なベクトル場の演算である回転と発散の幾何的意味と成分の計算方法を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  12. ガウスの定理(3次元):
    平面(2次元)にあったガウスの定理を3次元に拡張する。ベクトル場の発散の体積分と境界面の面積分との関係を理解させる。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  13. ストークスの定理:
    曲面上のベクトル場の回転の面積分と境界での線積分との関係を表すストークスの定理を解説する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  14. 学習内容の振り返り:
    準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。

<成績評価方法>
試験期間に実施する定期試験の得点が80点以上であればそれを成績点とする。定期試験の得点が80点未満であればそれをx点として、成績点を(ax)b(小数点以下四捨五入)とする。ただしabは(80a)b =80で合格基準点x0に対して(ax0)b =60を満たすように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後であるが、他人の答案を写すだけの解答が多い場合は平常点を考慮しない(基準点を一律60点)で試験のみで成績評価することがある。2015年以降入学者についてはXが90以上であればA+、80〜89であればA、70〜79であればBとしてXが60〜69で試験の得点が50以上がC、50未満をDとする。2014年以前入学者はXが60以上で単位を与える。

<教科書>
  • 指定教科書なし
  • プリントを授業で配布したり、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。

<参考書>
  • ベクトル解析入門 小林亮・高橋大輔 著 東京大学出版会
  • ベクトル解析 H.P.スウ 著 森北出版

<オフィスアワー>
火曜日13:30〜15:00(1E-313数学研究室)


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