2016年度工学院大学 先進工学部機械理工学科
△物理学実験(Experiments in Physics)[4361]
1単位 小麦 真也 准教授 矢吹 文昭 非常勤講師 吉村 季織 非常勤講師 田邊 誠 非常勤講師 渡部 勇 非常勤講師 金 哲 夫 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 物理学に限らず,理工学を学ぶ上では理論を学び(講義),理論を応用する(演習)だけでは不十分であり,実験による物理事象の検証・発展を必要とする。実験に対する理解の度合いは,報告レポートに如実に現れる。また,レポートをまとめることにより実験の理解を深めることにもなる。一方,研究報告には「早い者勝ち」的なところがある。したがって,どんなに小さな実験であっても,どんなに基本的な実験であっても,速やかに報告をまとめる訓練を今から始める必要がある。本授業では,以下の到達目標を達成する。
・実験について何も知らない実験レポートの読者が初読で追実験を行うことができるレベルのレポートをまとめることができる。
・決められたまたは限られた期間で,正確な実験レポートを作成することができる。
- <受講にあたっての前提条件>
- ・「物理学1」を受講または受講中であること。
・多項式関数,指数関数などの初等関数の微分,積分計算ができること。
- <具体的な到達目標>
- ・測定装置の原理,構造を理解し,適切な使用ができる。
・正確に実験を実行することができる。
・測定データの精度を正しく理解できる。
・必要事項をすべて網羅しかつ無駄のないレポートによる報告ができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 授業計画:
<第1週>実験の概要説明、実験テーマ00の説明および測定 <第2週>誤差および誤差伝搬、レポート作成についての説明 <第3、4週>以下のテーマから1テーマ 実験テーマ01:重力加速度の測定 ボルダの振り子を用いた重力加速度の測定 実験テーマ02:音速の測定 閉管気柱の定常波を利用した音速の測定 実験テーマ03:電気抵抗の理解 電気抵抗に関する合成則の検証 <第5〜6週>以下のテーマから1テーマ 実験テーマ04:ヤング率の測定 ユーイングの装置を使ったヤング率の測定 実験テーマ05:光の回折,干渉 光の干渉現象を利用した微小サイズの測定 実験テーマ06:熱電対の校正 物質の相転移を校正点とした熱電対の校正 実験テーマ07:粉粒体の密度測定 比重瓶を用いた粉粒体(主として金属)の密度測定 実験テーマ08:ガスの励起エネルギーの測定 フランク・ヘルツ管を使ったネオンガスの励起エネルギー測定 実験テーマ09:電磁コイルの特性 ソレノイドコイルのインダクタンス測定 実験テーマ10:放射線計測 β線源から放出されるβ線のエネルギー測定 <第7週>レポートの修正、振り返り
第5週以降の実験テーマの決定は,第2〜4週中に発表される。それを踏まえたうえで,実験テーマ00を含めたすべての予定される実験テーマについては,教科書の各テーマを読んで理解をしておくこと。
- <成績評価方法>
- 実験テーマ00を除いた10の実験テーマはすべて,1テーマにつき2週にわたって行われる。全員が実験テーマ00を含めた3テーマの実験を行う。指定した実験すべてについて実験レポートの提出を必須とし,それぞれの実験テーマごとの実験報告レポートによって成績を評価する。 このレポートの評価により、A+, A, B, C, D, Fの6段階のGradeで評価する。A+〜Dの者に単位を認める。
- <教科書>
- ・「物理学実験」(学術図書出版:工学院大学物理学教室編)
- <参考書>
- ・「新しい誤差論 - 実験データの解析法」(共立出版:吉澤康和)
・「物理学講義 改定版」(培風館:加藤潔)
- <オフィスアワー>
- 火曜日4限の時間帯。1S-327に直接来てください。
- <学生へのメッセージ>
- ・この授業は、2時限を通して行います。
・この授業は予習が必須です。教科書および実験ノートは必ず購入し、実験日の 前までに該当するテーマの項目を読み込んでおく事が必要です。予習をしないと 実験が行えません。
・オフィスアワー以外でも質問・相談は歓迎します。ただし実験テーマによって 担当者が違ってくるので、事前にメールを利用してアポイントメントをとること。 Physics.Exp[at]map.kogakuin.ac.jp
- <参考ホームページアドレス>
- http://www.map.kogakuin.ac.jp/~physics/Subject.html
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