2016年度工学院大学 先進工学部機械理工学科

ロジカルライティングII(Logical Writing throughCrit ical Thinking II)[3342]

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2単位
井上 知樹 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
キーワード:
論理的な文章を書く・研究活動の基礎力および社会人基礎力(社会で活躍するために必要な力)の養成

この授業では、大学生としての「主体的な学び」を実践するために必要な、批判的に考え論理的に述べる力をつけることを目標としています。また、これらのスキルを習得することで、専門分野における研究活動のための基礎力や、社会人としての基礎力を身につけることことも目指します。

<受講にあたっての前提条件>
本科目は「ロジカルライティング I」で学修する内容の応用を行う科目です。効果的に学修をするためには前期に「ロジカルライティング I」をきちんと履修する必要があります。
また、チーム・プレゼンテーションの準備にも利用するので、普段から新聞に目をとおす習慣をつけましょう。

<具体的な到達目標>
1 チームで協働し、説得力のあるチーム・プレゼンテーションを行うことができる(重点目標)。
2 自分のチーム、および他のチームのプレゼンテーションを評価することができる。
3 チーム協働やプレゼンテーションがうまくいかなかった場合には、その原因を分析し、次の機会に生かすためのヒントを得ることができる。
4 目的に応じた情報収集ができる。
5 読みやすく、説得力のある文章を課題に即して書くことができる(前期からの継続課題)

 上記1を達成するためには、@チームで協働できること(チームで討議できることとチームで作業ができること)、A説得力のあるチーム・プレゼンテーションができること の二つが必要です。そのためにするべきこととして、次のようなことがあります。

 ・討議への積極的参加(意見を言う、相手の意見に耳を傾ける、質問する)
 ・建設的討議(論理的主張、⽴場をはっきりさせた議論・双⽅向の議論・創造的議論)
 ・作業協働(役割分担、連携行動、気配り、相互支援)

  お互いの持つ異なる考えを知り、新しい発見をすることで、批判的思考力(クリティカル・シンキング)を養い、これまでとは違う考え方ができるようになることも目標とします。

<授業計画及び準備学習>
※各課題は変更する可能性があります

●第1週 [ガイダンス]
  授業の目標を設定する。

【課題1】
「この授業をつうじて何ができるようになりたいか、理由をあわせて書いてください」(300字)
   準備学習: シラバスをきちんと読んでおくこと。

【課題2】
 チーム・プレゼンテーションの実践(その1)

●第2週 [プレゼンテーションの方法の理解・収集した情報の共有]
  プレゼンテーションの方法を学び、収集した情報をグループで共有する
   準備学習: 課題2にかんする情報収集

●第3週 [プレゼンテーションの準備]
プレゼンテーションの目的を明確化し、構成や役割分担を決定する
   準備学習: プレゼンテーション構成の考案 

●第4週 [プレゼンテーションの実践〕
チームでプレゼンテーションを実践し、互いに評価する。
   準備学習: プレゼンテーションの準備

●第5週 [プレゼンテーションのふり返りとライティング
 チーム・プレゼンテーションの実践をふり返る。とくに「討議への積極的参加」「作業協働」についてどこまでできたかを考察し、次の課題にむけて、具体的行動のレベルでの目標設定をかねたライティングを行う。
準備学習: プレゼンテーションの反省点のメモ

【課題3】
 チーム・プレゼンテーションの実践(その2)

●第6週 [収集した情報の共有、課題の学術的理解]
  収集した情報をグループで共有し、参考文献(配布)をつうじて課題の目的を学術的に理解する。
   準備学習: 課題3にかんする情報収集

●第7週 [プレゼンテーションの準備]
 プレゼンテーションの目的を明確化し、構成や役割分担を決定する
   準備学習: プレゼンテーション構成の考案 

●第8週 [プレゼンテーションの実践〕
 チームでプレゼンテーションを実践し、互いに評価する。
   準備学習: プレゼンテーションの準備

●第9週 [プレゼンテーションのふり返りとライティング]
 チーム・プレゼンテーションの実践をふり返る。「討議への積極的参加」「作業協働」については目標とした具体的行動が達成できたか、また、「建設的討議」がどこまでできたかを考察する。次の課題にむけて、具体的行動のレベルでの目標設定をかねたライティングを行う。
準備学習: プレゼンテーションの反省点のメモ

【課題4】
 チーム・プレゼンテーションの実践(その3)

●第10週 [収集した情報の共有]
  収集した情報をグループで共有し、課題についてさらに深く考察するために、今後の情報収集や読むべき文献の分担などを決定する。
   準備学習: 課題4にかんする情報収集

●第11週 〔収集した情報の共有と検討、課題の理解の深化〕
  収集した情報をグループで共有し、学術的根拠の明確化、目的の検討などをつうじて課題にかんする理解を深める。
  準備学習:  課題4にかんする情報収集と学習

●第12週 [プレゼンテーションの準備]
 プレゼンテーションの目的を明確化し、構成や役割分担を決定する
   準備学習: プレゼンテーション構成の考案 

●第13週 [プレゼンテーションの実践〕
 チームでプレゼンテーションを実践し、互いに評価する。
   準備学習: プレゼンテーションの準備

【課題5】
この授業をつうじてどのようなスキル・知識を身につけましたか。またそれを今後、どのように生かすことができそうですか。

●第14週 〔プレゼンテーション・授業のふり返りとライティング]
 チーム・プレゼンテーションの実践をふり返る。「討議への積極的参加」「作業協働」「建   
設的討議」のそれぞれについて、設定した行動目標がどこまで達成できたかを考察し、授
業の全体をつうじて「チームで協働し、説得力のあるチーム・プレゼンテーション」をはじめ
とする授業の目標が、どこまで達成できたかを検討する。授業全体のふりかえりをふまえ
てライティングを行い、今後の目標も設定する。
準備学習: プレゼンテーション、および授業全体への取組みに対する反省点のメモ

●第15週 [学習成果の確認]

<成績評価方法>
授業に出席をし、積極的に議論に参加する(人と話す)ことは大前提です。
チームでの作業に対する取り組み(授業態度のほか宿題シートやワークシート、振り返りシートで把握します)、プレゼンテーションの成果、ライティングの結果などを総合的に評価します

<教科書>
特に指定はしないが、適宜、プリントを配布します。

<参考書>
特に指定はしないが、普段から新聞や文庫本をたくさん読むことを勧めます。

<オフィスアワー>
講義の前後、講師控室にて

<学生へのメッセージ>
 皆さんは、日常、ラインやツイッター、メールを仲間の中で使っていると思います。その際、絵文字やスタンプを使って感情も文字の中に盛り込んでいるのではないでしょうか。そういった感情を表す物が文面に欠けると、例えば、「これ〇〇ちゃんからもらったプレゼント、かわいくない」と書くと、「?」やルンルン気分を表すスタンプが欠けるだけで、嬉しさを表すプチ自慢から相手を傷つける言葉へと変わってしまいます。或いは、「お前、明日何で来るの?」と書くだけでは、相手が来ることを前提に電車かバスか徒歩か聞いている文面が、「お前は来るな」といういじめにも似た表現に変わってしまいます。
 ところが、大人=社会人=仕事・職業の場面では絵文字やスタンプは使えません。言葉だけで表現しなければなりません。この講義を履修・修得することで、言葉を駆使する能力を獲得して、大人=社会人=職業人へと一歩一歩成長していって下さい。


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