2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

物理化学入門(Basic Physical Chemistry)[5G25]

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1単位
森田 真人 特任助教  
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
物理化学は、化学における物質の種類にとらわれない共通的な法則性の理解を目的とした学問である。この科目では、物理化学概論と併せて物質を構成する化合物や分子などの構造、性質(物性)や反応を調べるために、無機・有機化合物に関わらず物理学的な手法が有用なことを学ぶ。熱力学と量子力学、およびこれらをつなぐ統計力学が理論的な基礎であり、反応速度論、電気化学、量子化学、分光学、界面科学、熱化学、計算化学(分子動力学法、分子軌道法)などからなる物理化学の全体像を把握するための基礎事項について講義する。物理化学は、原子・分子レベルで化学反応の制御を目指すナノサイエンス、ナノテクノロジーの発展を支えていることを理解する。その内、この科目では、化学熱力学の基礎となる概念と法則の理解を達成目標とする。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
授業のねらいを参照すること。

<授業計画及び準備学習>
1. イントロダクション:高校化学の復習(特に物質の三態について)。物理化学とは何か、ミクロな視点・マクロな視点から説明する。また、物理量や単位について学習する。
2. 非理想気体、気体の分子運動論:非理想気体の状態方程式を学ぶ上で、ビリアル方程式やvan der Waals方程式について理解を深める。また、気体の圧力と分子の運動論の関係について学習する。
3. エネルギー保存の法則:物質の変化を規定する法則の1つ、エネルギー保存の法則(熱力学第1法則)を気体分子の運動、内部エネルギーから学ぶ。
4. 状態関数とエンタルピー:状態関数の定義を理解し、状態関数の変化量について説明する。さらに化学反応における熱反応からエンタルピーに関して学ぶ。
5. エントロピー増大の法則:最大仕事と可逆過程から熱力学第二法則を説明する。
6. エントロピー:系の自発過程の方向を与える状態関数からエントロピーを学ぶ。エントロピーの定義からエントロピー増大の法則を説明する。
7. 平衡とエントロピー:化学反応とエントロピーを説明し,化学平衡や質量保存の法則,ルシャトリエの法則について学ぶ。
8. 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
原則として、期末試験の点数が60点以上を合格とする。ただし、授業中提出課題の評価を50%まで含め、総合評価が100点を超えないようにして規格化して評価する。

<教科書>
Gordon M. Barrow著 バーロー物理化学(上) 東京化学同人

<参考書>
佐藤光史監修 他著 大学生の化学 Introduction 培風館
Moore WJ. 著 基礎物理科学 東京化学同人
枝元一之著 初めて学ぶ物理化学 化学同人
前川恒夫著 物理化学 裳華房
Peter Atkins著 アトキンス物理化学(上) 東京化学同人

<オフィスアワー>
毎週火曜日16:30〜18:00
(八王子;18号館309または12号館305号室,新宿;木曜日4時限A-2718室)

<学生へのメッセージ>
物理化学は様々な専門分野の基礎的な部分です。断片的な知識としてではなく、論理的につながりのある系として、理解するよう努めて下さい。


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