2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科
プログラミング論II(Programming Techniques and Algorithms II)[5G24]
2単位 斎藤 秀俊 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 本講義では,「プログラミング論T」で学んだ事を基礎として,代表的なデータ構造や基本的なアルゴリズムのプログラムなどを理解することを目的としています.ここで言う「アルゴリズム」とは,どのようにコンピュータに計算させるかという手段や方法のことです.つまり,我々が日常において何かものごとを行うときの「やり方」に相当しています.このため,「やり方」が「上手い」,もしくは「下手」ということが当然あります.コンピュータの場合には,「計算が速い」とか「計算が遅い」ということになります.よって,同じ計算をするのであれば,上手い方法でやればより速く計算できるということになります.この講義においては,みなさんが,できるだけ「上手い」やり方でコンピュータを用いて,C言語による基礎的なプログラムの作成ができるようになることを到達目標としています.
- <受講にあたっての前提条件>
- 本科目を履修するに当たり,情報処理概論演習,プログラミング論T及び同演習Tを履修し合格しておくことが望ましいです.
- <具体的な到達目標>
- ・プログラムを用いて解くことができる基本的な問題を通して,問題の定式化やアルゴリズム化の方法を学び理解します.
・C言語を用いてプログラム化の方法を学びながら,プログラムを作成する開発手法を身に付けます.
- <授業計画及び準備学習>
- 1.プログラミングとデータ構造
プログラムを実行する際に,多くのデータをメモリに記憶し,処理を進めて行きます.ここでは,メモリ上の データの記憶形式や表現方法であるデータ構造の概要について学び理解します. 2.変数と定数,基本データ型 基本データ構造として,変数と定数について学ぶと共に,基本データ型として単純型とポインタ型についても学び理解します. 3.構造型と抽象データ型 基本データ構造として,構造型について学び,配列型とレコード型について理解します.さらに,抽象データ型についても学び理解します. 4.リスト,スタック,キュー リスト,スタック,キューなどの問題向きデータ構造について学び理解します. 5.木,ハッシュ 木やハッシュなどの問題向きデータ構造について引き続き学び,理解します. 6.フロチャート,サブルーチン フロチャートの基本として,流れ図記号などについて学び理解します.次に,メインルーチン,サブルーチンについて学び理解します.事例として,階乗の計算や配列要素の交換などを取り上げ,理解を深めます. 7.再帰 再帰という技法について学び理解します.事例として,フィボナッチ数列やエイトクイーン問題などを取り上げ,理解を深めます. 8.アルゴリズム(1) アルゴリズムの必須条件や選択基準について学び理解します.そして,アルゴリズムの評価尺度となる計算量 についても学び理解を深めます. 9.アルゴリズム(2) 幾つかのアルゴリズムの事例について学び理解します.事例として,最大値と整列,10進数から2進数への変換,素数を見つけるアルゴリズムなどを取り上げ,アルゴリズムに対する理解を深めます. 10.探索(1) 配列や単方向リストを用いた線形探索の技法について学ぶと共に,二分探索の技法についても学び理解します. 11.探索(2) 二分探索木やハッシュ探索について学び理解します. 12.整列 バブルソート,クイックソート,ヒープソートなどについて学び理解を深めます. 13.文字列照合 基本の文字列照合や番兵を用いた文字列照合について学び理解を深めます. 14.学習成果の確認 これまでの学習がどれだけ身に付いたか,授業で学んだ技法を反映させて学力の達成度を確認します. ただし,開講年次により講義で扱うテーマの変更もしく進捗状況を判断して修正する場合があります.その場合には講義などを通じて別途通知します.また,第14回目までの講義に必要となる準備学習については,事前に教科書の指定された箇所や配布したプリントを読むなどの準備をして下さい.また必要となる場合には,講義時間中に理解を深めるための小テストを実施する場合があります.講義終了後には,講義で得た知識を基に,与えられた課題を解くことや,各自で不明箇所について復習して下さい.
- <成績評価方法>
- 授業期間内の確認テストと課題による平常点,及び期末定期試験による両者の評価をします.共に,100点満点中,60点以上の評価をされた場合にのみ,D以上の評価を以って合格とします.他の履修条件は,学生便覧に記載されている各種規定に従います.
- <教科書>
- アルゴリズム入門(改訂版),大谷紀子・志村正道,コロナ社
- <参考書>
- あるごりずむ,広瀬貞樹,近代科学社
上記以外でも,自分に合ったものを利用してください.
- <オフィスアワー>
- 金曜日13:05-13:35 八王子校舎総合教育棟1N-125講師室,もしくは電子メールによる連絡でも良いです.連絡用の電子メールは講義開始後に通知します.簡単な質問は,講義後に教室で受け付けます.
- <学生へのメッセージ>
- プログラミングについては,まず基本となる事項を身に付け,応用する力を少しでも身に付けることができれば良いと思います.
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