2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

ナノエレクトロニクス(Nanoelectronics)[3G40]

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1単位
坂本 哲夫 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
電子分野では古くから固体内のミクロな電子や正孔の振る舞いを制御してきた。しかしながら、現代および近い将来に求められるこうした電子デバイスの性能は、より小さな「ナノスケール」での物質制御・特異な物理現象を利用することを要求している。近い将来の技術者・開発者が直面するであろうこうしたナノスケールにおける電子工学(エレクトロニクス)、すなわち、ナノエレクトロニクスの基本原理を学ぶ。

<受講にあたっての前提条件>
特にない。

<具体的な到達目標>
応用物理学という括りにとらわれず、将来的に融合するであろう周辺分野も含め、現在のナノエレクトロニクスの起源、開発動向、将来展望を広く理解する。また、こうした新技術が必要とされる背景(情報化社会、エネルギー・環境問題)についても理解し、ナノエレクトロニクスに携わる者としての素養を身に着ける。

<授業計画及び準備学習>
第1回 超微細化の歴史と意義、作り方
物質の成り立ち、ナノスケールの世界観を学ぶ。そして、トップダウンとボトムアップという2大手法の考え方を理解する。
第2回 ナノスケールに特有の物性メカニズム
結晶のサイズ効果、磁性材料のナノスケール効果等、近年利用されつつあるナノスケールにおいてのみ発現する物性について学ぶ。
第3回 自然・生物から学ぶナノテクノロジー
DNAに代表されるように、高度な生命活動は自然界が生んだナノテクノロジーである。ここから自己組織化という現象を学ぶ。
第4回 微細な世界を分析するツール群
微小な物を作るにはそれを評価・分析する技術が必要である。光学顕微鏡、近接場光、X線構造解析、電子顕微鏡等の周辺技術を学ぶ。
第5回 ナノ構造を作る新しい技術
作るための技術である光ピンセット、集束イオンビーム、ナノ粒子生成、表面加工技術について学ぶ。
第6回 半導体技術におけるナノエレクトロニクス
ハードディスク、メモリー素子、ディスプレイ、光ディスク、これらに利用されているナノエレクトロニクス技術を学ぶ。
第7回 次世代材料
フラーレン、カーボンナノチューブといった次世代材料の特性を学ぶ。また、これらナノマテリアルの安全性についても理解を深める。

準備学習としては、毎回、次回の講義範囲を熟読してくること。

<成績評価方法>
期末試験により、Gradeで評価する。D以上の者に単位を与える。

<教科書>
吉田典之著、ここまで来たナノテクノロジー −産業化する原子の世界−、技術評論社

<参考書>
必要ない。

<オフィスアワー>
毎週火曜日 17:00〜18:00、5号館701号室(ただし、事前に連絡のこと)


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