2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

プログラミング演習II(Seminar in Programming II)[2N23]

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1単位
斎藤 秀俊 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
本演習では「プログラミング論II」の講義に対応させながら,本学の情報科学研究教育センターの管理する
計算機端末の設置された演習室において,1人1台の端末によりプログラム開発環境ソフトウエアVisual Studioなどを用いてC言語のプログラミング演習を行います.演習内容は,「プログラミング演習I」で学んだ事を基礎として,代表的なデータ構造や基本的なアルゴリズムのプログラムなどを,演習を通して理解することを目的としています.C言語プログラミングにおいて,C言語を特徴付ける機能であるポインタや構造体などを中心に学習し,プログラミングに必要な文法の基本的事項を一つずつ学び理解しながら進めて行きます.そして,みなさんが,実際に比較的簡単なプログラムを作成することで,プログラミングの技術と問題解決の考え方を身につけることを実践します.

<受講にあたっての前提条件>
本科目を履修するに当たり,情報処理概論演習,プログラミング論T及び同演習Tを履修し合格しておくことが望ましいです.できれば,プログラミング論Uを履修していることも望ましいです.

<具体的な到達目標>
本演習を履修することで,次のことを理解したり,身に付けたりすることができます.
・C言語を用いて,プログラムの考え方の基礎とその技法について,演習を通して学び理解します.
・基本的な問題を解決するためのプログラムを,C言語を用いて作成することができるようになります.

<授業計画及び準備学習>
1.変数・演算子・入出力
C言語における変数,演算子,標準入出力について学び理解します.事例として,乱数の発生などを取り上げます.
2.制御構造とファイル入出力
C言語における制御構造とファイル入出力を学び理解します.事例として,パスカルの三角形,順列・組合せなどを取り上げます.
3.配列とポインタ,動的メモリ確保 
C言語プログラミングの特徴であるポインタについての概説とともに,配列の位置とポインタの関係,文字列と配列の関係についても学びます.さらに動的メモリ確保についても学び, ポインタと配列, 文字列の関係についても理解を深めます.事例として,順位付け,ランダムな順列などを取り上げます.
4.関数とポインタ
関数及び関数におけるポインタの使用方法などについて学び、プログラム構造を分かりやすくするための方法を学び理解します.
5.構造体と共用体
プログラムの記述をより分かりやすくする構造体と共用体について学び、ポインタとの関係を理解します.
6.プリプロセッサと標準ライブラリ関数
プログラムの保守をしやすくするプリプロセッサについて学びます.そして,よく利用する標準ライブラリ関数について学びます.
7.探索法(1)
基本的な選択法,挿入法,及び交換法に基づくソート法について学び理解します.そして,簡単な配列に対して実行できるようにします.
8.探索法(2)
改良交換法,併合法などに基づくソート法について学び理解します.
9.文字列の照合と置き換え
文字列を照合する方法と置き換える方法について学び理解します.事例として,Boyer-Moore法などを取り上げます.
10.再帰(1)
C言語プログラミングで認められている再帰について学び,その簡単な事例について理解します.事例として,階乗の再帰解,フィボナッチ数列などを取り上げます.
11.再帰(2)
再帰解と非再帰解について取り上げ,再帰を使用する指針について検討します.さらに,少し複雑な問題に再帰を用いる事例として,ハノイの塔などの事例を取り上げます.
12.データ構造
データ構造の代表例として,スタック,キューについて学び,理解します.事例として,先に示したハノイの塔などの事例を取り上げます.
13.木構造と探索
単方向リストと木構造の基本を理解します.そして,先に学んだ構造体とポインタ,リストを用いた二分探索木の実現について学びます.二分探索木における挿入と走査について学び理解します.
14.学習成果の確認
これまでの学習がどれだけ身に付いたか,授業で学んだ技法を反映させて学力の達成度を確認します.

ただし,開講年次により講義で扱うテーマの変更もしく進捗状況を判断して修正する場合があります.その場合には講義などを通じて別途通知します.また,第14回目までの講義に必要となる準備学習については,事前に教科書の指定された箇所や配布したプリントを読むなどの準備をして下さい.また必要となる場合には,講義時間中に理解を深めるための小テストを実施する場合があります.講義終了後には,講義で得た知識を基に,与えられた課題を解くことや,各自で不明箇所について復習して下さい.また,第14回目の講義における準備学習は,第13回目までの学習事項を復習しておいてください.

<成績評価方法>
授業期間内の確認テストと課題による平常点,及び期末定期試験による両者の評価をします.共に,100点満点中,60点以上の評価をされた場合にのみ,D以上の評価を以って合格とします.他の履修条件は,学生便覧に記載されている各種規定に従います.

<教科書>
『C言語改訂版2 はじめて学ぶCの仕組み (CD-ROM付) (プログラミング学習シリーズ) @A』倉 薫,翔泳社

<参考書>
『プログラミング言語C 第2版 ANSI規格準拠』B.W.Kernighan, D.M.Ritchie (石田晴久 訳), 共立出版
他に、C言語の参考書は多くありますので、自分に合ったものを利用して下さい.

<オフィスアワー>
火曜日15:00-15:30 八王子校舎総合教育棟1N-125講師室,もしくは電子メールによる連絡でも良いです.連絡用の電子メールは講義開始後に通知します.簡単な質問は,講義後に教室で受け付けます.

<学生へのメッセージ>
英語の文法と同じようにプログラミングにも決まりがあります。それに慣れることが肝心なことです。しっかり、がんばりましょう。


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