2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

無機・有機材料入門(Basic Inorganic and Organic Composite Material)[2K11]

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1単位
森田 真人 特任助教  
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
この科目では、無機・有機材料概論と併せて、材料科学の基礎的理論を理解し身に付ける。
この科目では、特に、トランジスタ、発光材料、太陽電池など例に挙げ、半導体素子全般について、固体化学的立場から無機物質や無機材料の構造、特性、機能化手法などを学ぶ。また、色素増感太陽電池や有機ELといった有機物を用いたデバイスについても、その動作原理や無機物との差異について理解を深めていく。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
授業のねらいを参照すること

<授業計画及び準備学習>
1. イントロダクション: 無機・有機化学の復習を行う。固体材料を学ぶ上で重要な、金属・半導体・絶縁体について学ぶ。
2. 固体の電子伝導・イオン伝導(1): 最も基本的なSiを例に、欠陥やドーパントなどの結晶構造が材料物性に与える影響を学び、半導体素子の理論を学ぶ。その他のGaNなどのV-X属半導体についてもSiとの差異を明確にしながら学ぶ。
3. 固体の電子伝導・イオン伝導(2): p-n接合について理解し、トランジスタや発光素子について実例を挙げながら応用例について学ぶ。
4. 固体の電子伝導・イオン伝導(3): 固体材料と熱との相互作用について学習し、熱電対などの動作原理を学ぶ。
5. 光と固体の相互作用(1):回折や光電効果などといった重要な現象をもちいて、光の波動性と粒子性について学び、光と固体の相互作用について理解を深める。
6. 光と固体の相互作用(2): フォトダイオード、太陽電池、光触媒、色素といった材料を実例として挙げ、その動作原理について学び、光と固体の相互作用を用いた実材料について学習する。
7. 光と固体の相互作用(3): 無機EL, 有機EL, 液晶といった材料について学習し、普段身近に接しているディスプレイがどのような動作原理で動いているのか学ぶ。
8. 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
原則として、期末試験の点数が60点以上を合格とする。ただし、授業中提出課題の評価を50%まで含め、総合評価が100点を超えないようにして規格化して評価する。

<教科書>
Charles Kittel 著 キッテル固体物理学入門 (上) 丸善出版

<参考書>
Charles Kittel 著 キッテル固体物理学入門 (下) 丸善出版
William D. Callister著 材料の科学と工学 [3]材料の物理的・化学的性質 培風館
竹添秀男 他著 液晶・高分子入門 裳華房
妹尾学 他著 基礎分子科学 共立出版

<オフィスアワー>
毎週火曜日16:30〜18:00
(八王子;18号館309または12号館305号室,新宿;木曜日4時限A-2718室)

<学生へのメッセージ>
この科目では、材料の物性とその応用(実際の使われ方)について講義します。身の回りの製品がどういった原理で動いているか知るチャンスです。理論と応用の関わりについて勉強してください。


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