2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科
物理化学I(Physical Chemistry I)[4132]
2単位 酒井 裕司 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 化学技術者として、物質の製造、使用、回収、再利用、最終処理までを取り扱う。それらのいずれの過程においても、物質がどのような変化をするか知らなければならない。物質は、温度・圧力によって状態を変化し、この状態が物質の性質を決める。このような状態変化に伴う物質の性質を理解することが物理化学の基礎である。
講義の前半では、気体の性質と熱力学の基本となる熱力学第1法則、エンタルピーを学習し、 講義後半では、熱力学第2法則、エントロピー、その他、ヘルムホルツエネルギーやギブズエネルギー、最後には、第1法則と第2法則の結合により理解を深める。
- <受講にあたっての前提条件>
- ●前期開講されている「数学」「化学」「物理学」の内容を復習し良く理解していること。
●初等関数の簡単な微分、積分計算ができること。
- <具体的な到達目標>
- ●物理量、単位を理解し、自身で計算できる。
●完全気体、実在気体の性質の違いを理解した上で、自身で計算ができる。 ●熱力学第1法則の内容を理解し、気体を例とした応用例を理解する。 ●熱力学第2法則の内容を理解し、さまざまな過程のエントロピー計算をできる。 ●ヘルムホルツエネルギー、ギブスエネルギーの内容を理解し、自身で計算ができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週 物理量と単位、気体の性質:復習、導入
物理量と単位の復習をし、高校で学習した気体の性質について解説する。 準備学習:数学、物理、化学で行った内容を復習する。 第2週 気体の性質、気体の分子運動論 完全気体の性質、気体の分子運動論について解説する。 準備学習:前回までの復習をノートと教科書を利用して行う。 第3週 実在気体 完全気体と実在気体の性質の違いとファンデルワールスの式を解説する。 準備学習:前回までの復習をノートと教科書を利用して行う。 第4週 熱力学第1法則の基本的な概念 熱力学第1法則の基本的な概念について解説する。 準備学習:前回までの復習をノートと教科書を利用して行う。 第5週 膨張の仕事、熱のやり取り 気体の膨張による仕事や熱のやり取りを解説する。 準備学習:前回までの復習をノートと教科書を利用して行う。 第6週 エンタルピー エンタルピーの概念について解説する。断熱変化、熱化学についても解説する。 準備学習:前回までの復習をノートと教科書を利用して行う。 第7週 学習成果の確認(中間試験) 準備学習:第1週目から第6週目までの範囲を総復習する。 第8週 熱力学第2法則、エントロピー 熱力学第2法則の概念とエントロピーの概念について解説する。 準備学習:中間試験前までの範囲の復習をノートと教科書を利用して行うこと 第9週 カルノーサイクル、様々な過程のエントロピー変化 エントロピー、カルノーサイクル、様々な過程におけるエントロピー変化を解説する。 準備学習:前回までの復習をノートと教科書を利用して行う。 第10週 ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギー ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギーについて解説する。 準備学習:前回までの復習をノートと教科書を利用して行う。 第11週 熱力学第1法則と第2法則の結合 熱力学第1法則と第2法則の結合により、熱力学の基礎式を解説する。 準備学習:前回までの復習をノートと教科書を利用して行う。 第12週 ギブズエネルギーの温度、圧力依存性 ギブズエネルギーの温度と圧力における依存性を解説する。 準備学習:前回までの復習をノートと教科書を利用して行う。 第13週 学習成果の確認(期末試験) 準備学習:第1週目から第12週目までの全範囲を総復習する。 第14週 学習内容の振り返り
- <成績評価方法>
- 成績評価は中間試験と定期試験の結果で評価する。中間試験(40%)と期末試験(60%)の比重で配点する。なお、期末試験は定期試験期間に行う。
- <教科書>
- 「アトキンス 物理化学(上)第8版」 東京化学同人 P.W.Atkins著 千原秀昭、中村亘男訳
- <参考書>
- 指定参考書は無いですが、基礎的な内容が記載されている物理化学の書籍を参考にしてください。
- <オフィスアワー>
- 質問などは、e-mail(sakai@cc.kogakuin.ac.jp)で約束の上であれば、いつでも可。
木曜日13:00-15:00@八王子校舎5号館205
- <学生へのメッセージ>
- 本講義は、今後の学問を学ぶ上での基礎となる分野であるため、しっかりと身につけられるように学習してください。授業中に理解出来なかった部分は、分かるまで復習する習慣をつけるように。
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