2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

ロジカルライティングII(Logical Writing throughCrit ical Thinking II)[3446]

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2単位
草野  章 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
キーワード:
説得力のある表現・ チームでの討議と協働による批判的思考力の育成・研究活動の基礎力および社会人基礎力(社会で活躍するために必要な力)の養成

この授業では、大学生としての「主体的な学び」を実践するために必要な、批判的に考え論理的に述べる力をつけることを目標としています。また、これらのスキルを習得することで、専門分野における研究活動のための基礎力や、社会人としての基礎力を身につけることも目指します。

具体的には、ロジカルライティングI、IIをとおし、「読み、聴き、話し、書く」を通じて、「理解する力、考えて主張を組み立てる力、表現する力」を身につけること、「協働力」として「他者と議論し、協働する力」を身につけることがねらいです。

<受講にあたっての前提条件>
本科目は「ロジカルライティング I」で学修する内容の応用を行う科目です。効果的に学修をするためには前期に「ロジカルライティング I」をきちんと履修する必要があります。
また、日本語能力を伸ばし、批判的思考力を養うために、普段から新聞に目をとおす習慣もつけましょう。

<具体的な到達目標>
1.チームで討議し、協働して、説得力のあるチーム・プレゼンテーションを行うことができる(重点目標)
2.論理的で説得力のある文章を、課題に即して書くことができる。
3.批判的に考えることに慣れる

前期の授業では、ライティングを中心にわかりやすい表現を目標としました。後期の授業では、説得力のある表現を目標に、チーム・プレゼンテーションにも力を入れます。他の人と討議し、協働することで視野を広げ、考えを深めて、表現の説得力を高めることを目指します。

上記1の目標を達成するためには、@チームで協働できること(チームで討議できることとチームで作業ができること)、A説得力のあるチーム・プレゼンテーションができることの二つが必要です。そのためにするべきこととして、次のようなことがあります。
 ・討議への積極的参加(意見を言う、相手の意見に耳を傾ける、質問する)
 ・建設的討議(論理的主張、⽴場をはっきりさせた議論・双⽅向の議論・創造的議論)
 ・作業協働(役割分担、連携行動、気配り、相互支援)
討議によってお互いの持つ異なる考えを知り、新しい発見をすることで、これまでとは違う考え方ができるようになります。それによって批判的思考力(クリティカル・シンキング)を養うことも目標とします。

<授業計画及び準備学習>
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【テーマ1: 授業目標設定】
  □ねらい 授業目標を設定する
  □課題1 「あなたはこの授業で何を学びたいか」
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 ●第1週 [ガイダンス]
  この科目を通しての目標設定をする
   準備学習: シラバスをきちんと読んでおく

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【テーマ2: 科学技術や情報化の進展について考える】
  □ねらい 議論に慣れる
  □課題2 「科学技術や情報化の進展における人間の個性や人間関係のあり方」
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 ●第2週 [文献から得た情報をもとにしたライティング]
  文献から得た情報をもとにした要約と他者との議論をふまえてライティング(課題2)
   準備学習: 文献の要約

 ●第3週 [ライティングの自己・他己評価]
  自分が・他人が書いた文章を評価し、課題2を修正する
   準備学習: 課題2の内容を確認

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【テーマ3: グローバル化について考える】
  □ねらい 議論をとおして考えを深めることに慣れる/批判的思考方法を学ぶ
  □課題3 「グローバル化時代におけるコミュニケーション能力について」
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 ●第4週 [収集した情報の共有、課題の学術的理解]
  収集した情報をグループで共有し、参考文献(配布)の要約をつうじて課題の目的を学術的に理解する
   準備学習: 課題3に関する情報収集

 ●第5週 [文献・講義から得た知識をもとにした課題の理解の深化]
  講義をうけ、文献で得た知識とあわせて課題に関する理解を深める
   準備学習: 文献要約の確認

 ●第6週 [プレゼンテーションの準備]
  プレゼンテーションの課題設定、主張を明確化し、構成や役割分担を決定する
   準備学習: プレゼンテーション構成の考案 

 ●第7週 [プレゼンテーションの実践〕
  チームでプレゼンテーションを実践し、互いに評価する
   準備学習: プレゼンテーションの準備

 ●第8週 [プレゼンテーションの振り返りとライティング〕
  チーム・プレゼンテーションの実践をふり返る。「討議への積極的参加」「作業協働」については
  目標とした具体的行動が達成できたか、また、「建設的討議」がどこまでできたかを考察する。
  次の課題にむけて、具体的行動のレベルでの目標設定をかねたライティングを行う
   準備学習: プレゼンテーションの反省点のメモ

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【テーマ4: 課題設定する】
  □ねらい 課題設定方法を学ぶ
  □課題4 「チームで自由なテーマでプレゼンテーションする」
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 ●第9週 [収集した情報の共有と検討]
  収集した情報をグループで共有し、プレゼンテーションテーマ、課題を決定する。プレゼンテーションに
  おける課題についてさらに深く考察するために、今後の情報収集や読むべき文献の分担などを決定する
   準備学習: プレゼンテーションテーマを考える

 ●第10週 〔収集した情報の共有と検討、課題の理解の深化〕
  収集した情報をグループで共有し、学術的根拠の明確化、目的の検討などをつうじて設定した課題に
  関する理解を深める
   準備学習: 課題4に関する情報収集と学習

 ●第11週 [プレゼンテーションの準備]
  プレゼンテーションの課題設定、主張を明確化し、構成や役割分担を決定する
   準備学習: プレゼンテーション構成の考案 

 ●第12週 [プレゼンテーションの実践〕
  チームでプレゼンテーションを実践し、互いに評価する
   準備学習: プレゼンテーションの準備

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【テーマ5: 授業の振り返り】
  □ねらい 授業を振り返る
  □課題5 「この授業で学んだこと、今後の課題」
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 ●第13週・第14週 [学習の総括]
  授業を振り返り、これまでの学習成果を確認する
   準備学習: これまでの授業の確認

※各課題は変更になる場合があります

<成績評価方法>
授業に出席をし、積極的に議論に参加する(人と話す)ことは大前提です。
チームでの作業に対する取り組み(授業態度のほか宿題シートやワークシート、振り返りシートで把握します)(40%)、プレゼンテーションの成果(30%)、ライティングの結果(30%)などを総合的に評価します。

<教科書>
指定教科書なし。適宜、プリントを配布します。

<参考書>
特に指定はしないが、普段から新聞や文庫本をたくさん読むことを勧めます。

<オフィスアワー>
八王子校舎1号館1E-310号室:金曜日13〜14時
新宿校舎27階2744号室:木曜日13〜14時
新宿校舎12階講師室:水曜日19〜19:30(後期のみ)
上記以外にも、事前に協議の上で研究室来訪の日時を予約することができる。休暇中は必ず事前に予約した上で来室すること。

<学生へのメッセージ>
文章技術の習得が、この授業を受講する人の関心事だと思います。文章の達人(作家など)が一般人(?)と比べて違っているものがもしあるとしたら、圧倒的な読書量の多さでしょう。よい文章を書くためには、その何十倍、何百倍も他人の書いたものを読み、それを自分の頭で考えてみることが必要なのです。映像メディアや情報技術の発達の中、文字で書かれた「暗号」を読み解かなくても、直感的にわかりやすい情報が手軽に得られるご時世。そんな時代だからこそ、「読む」ことと「考える」ことを意識して習慣づけるようにしてください。それがよい文章を書けるようになる早道だと思います。

<備 考>
この科目は大学での学び方を学ぶ先進工学部1年生のための科目です。
決められたクラスで受講してください。上級生や他学部生は受講できません。


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