2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科
△ロジカルライティングII(Logical Writing throughCrit ical Thinking II)[3444]
2単位 井上 知樹 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- キーワード:論理的な文章を書く・研究活動の基礎力および社会人基礎力(社会で活躍するために必要な力)の養成
この授業では、大学生としての「主体的な学び」を実践するために必要な、批判的に考え論理的に述べる力を育成することを目標としています。また、これらのスキルを習得することで、専門分野における研究活動のための基礎力や、社会人としての基礎力が養成されることも目指します。
- <受講にあたっての前提条件>
- 本科目は「建築ロジカルライティング I」ので学修する内容の応用を行う科目です。効果的に学修をするためには前期に「建築ロジカルライティング I」を受講するか、同科目で扱う内容を予め理解した上で履修することが必須です。
- <具体的な到達目標>
- 1.批判的に考える
2.考えたことを論理的にまとめ、相手に伝わりやすい形で書く 3.説得力のある文章を書くことに慣れる 4.人と話す、人前で話すことができる
様々な議論・討論、レポート作成を繰り返し、論理的な思考力および文章力をつけることを目標とします。お互いの持つ異なる考えを知り、新しい発見をすることで、批判的思考力(クリティカル・シンキング)を養い、これまでとは違う考え方ができるようになることも目標とします。
- <授業計画及び準備学習>
- ●第1週 [ガイダンス]
目標を設定する・「問題解決」がテーマであることを知る。 課題1 「1年生前期、あなたは大学生としてどのようなスキル・知識を身に付けましたか?また、1年生後期になった今、あなたはどのようなスキル・知識を必要としていますか?どのようなスキル・知識を得たいのか、目標を設定してください。」 準備学習: シラバスをきちんと読んでおくこと。
(第2週〜第7週) 課題2 「東京オリンピック2020の『ゆるキャラ』を考案し、それを提案するプレゼンテーションを6分間程度で行いなさい」
●第2週 [課題における目的の理解] 「なぜ?」「どうして?」を繰り返すことで課題の目的を明確にする。 準備学習: 課題1の執筆
●第3週 [課題における目的理解の深化(学術的な根拠)] アカデミックな根拠をもとに課題の目的を明確にする。 準備学習: ゆるキャラについての参考文献(こちらが指定)を読み、ゆるキャラの目的について、 レジュメにまとめてくる。」
●第4週 [目的にあったコンセプトの構築] 課題の背景を理解し、必要な定義を行う。(妥当性のある解決策を提案) 準備学習: 東京オリンピック2020の概要を調べ、レジュメにまとめてくる。
●第5週 [説得的な提案/批判的な検討] 説得的な説明・根拠を準備し、自身の考えを提案する/評価をする。 準備学習: コンセプトをふまえて、実際のゆるキャラを考案し、グループ内でアイディア・ コンペをする準備をする。(レジュメの準備)
●第6週 [プレゼンテーションの基本] 「良いプレゼンテーション」の要素を知る・考える。 準備学習: プレゼンテーションの準備
●第7週 [プレゼンテーションの修正] プレゼンテーションに再挑戦 / 問題解決の観点から総括 準備学習: プレゼンテーションの修正
(第8週〜第10週) 課題3 「『キャンパスコモン』に代わる新しい愛称を考案し、それを提案するプレゼンテーションを6分間程度で行いなさい」
●第8週 [課題に対する問題設定・解決提案] 与えられた課題に問題を設定し、妥当な解決策を考える。 準備学習: 課題2の総括レポート 「クラス内のグループが提案した東京オリンピック2020の ゆるキャラの中で最も良いと思ったものとその理由を説明しなさい。」
●第9週 [説得的な提案/批判的な検討の深化] 「わかりやすい」「説得的な」説明のための工夫を考える。 準備学習: グループ内で行った問題設定をもとに、自身の案を提案するためのレジュメを まとめてくる。(参考文献を必ず1つはつける)
●第10週 [プレゼンテーションの実践] 自身が考えた内容を発表し、他者のものを批評する。 準備学習: プレゼンテーションの準備
(第11週〜第13週) 課題4 「将来、あなたが就きたい建築に関わる仕事(分野)をあげ、その仕事に就くため(分野に関わるため)にこれからの大学生活で何をすべきかを、その根拠とともに400字程度でまとめなさい。」
●第11週 [課題の背景の理解と定義] 講義を受け、そこで得た知識を整理し、書く。 準備学習: 課題3の総括レポート 「今回の課題の出来ばえについて、前回の課題の出来ばえと 比べながら、自身を評価しなさい。」
●第12週 [課題における論点の設定] 課題の背景をもとに議論の切り口および根拠となる事例を探す。 準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、「建築の仕事」をどのように定義するのか整理 しておく。
●第13週 [課題に対する議論の構築] 収集した情報をもとに、考えをまとめ、考察・議論を考える。 準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、「自分はどのように建築の仕事に携わりたい のか」を考えておく。
●第14週 [自己評価] この科目を通しての、自身の成長を評価し、今後の目標設定を行う。(課題5「この授業を振り返って」) 準備学習: 課題4の執筆
●第15週 [学習成果の確認] 総まとめ 準備学習:前回の授業の内容を理解したうえで、課題5を執筆する。
- <成績評価方法>
- 授業に出席をし、積極的に議論に参加することは大前提である。
課題・レポートに授業中の議論における貢献度を加味して総合的に、その到達度を評価する。
- <教科書>
- ・「Logical Writing ―論理的な文章力を鍛える―」(大学生基礎力BOOKシリーズ)(株)ベネッセコーポレーション
他、適宜、プリントを配布する。
- <参考書>
- 特に指定はしないが、普段から新聞や文庫本をたくさん読むことを勧める。
- <オフィスアワー>
- 講義の前後、講師控室にて
- <学生へのメッセージ>
- 皆さんは、日常、ラインやツイッター、メールを仲間の中で使っていると思います。その際、絵文字やスタンプを使って感情も文字の中に盛り込んでいるのではないでしょうか。そういった感情を表す物が文面に欠けると、例えば、「これ〇〇ちゃんからもらったプレゼント、かわいくない」と書くと、「?」やルンルン気分を表すスタンプが欠けるだけで、嬉しさを表すプチ自慢から相手を傷つける言葉へと変わってしまいます。或いは、「お前、明日何で来るの?」と書くだけでは、相手が来ることを前提に電車かバスか徒歩か聞いている文面が、「お前は来るな」といういじめにも似た表現に変わってしまいます。
ところが、大人=社会人=仕事・職業の場面では絵文字やスタンプは使えません。言葉だけで表現しなければなりません。この講義を履修・修得することで、言葉を駆使する能力を獲得して、大人=社会人=職業人へと一歩一歩成長していって下さい。
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