2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科
△ロジカルライティングI(Logical Writing through Critical Thinking I)[3336]
2単位 井上 知樹 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- キーワード:
論理的な文章を書く・研究活動の基礎力および社会人基礎力(社会で活躍するために必要な力)の養成
この授業では、大学生としての「主体的な学び」を実践するために必要な、批判的に考え論理的に述べる力をつけることを目標としています。また、これらのスキルを習得することで、専門分野における研究活動のための基礎力や、社会人としての基礎力を身につけることことも目指します。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高等学校までに身につけるべき国語力があることが必須です。日頃より新聞や文庫本などを積極的に読み、正しい「書き言葉」を意識し、そして漢字の読み書きを身につけるようにしておいてください。
- <具体的な到達目標>
- 1.批判的に考えることに慣れる
2.考えたことを論理的にまとめ、相手に伝わりやすい形で書くことができる 3.説得力のある文章を書くことに慣れる 4.人と話す、人前で話すことに慣れる
様々な議論・討論、レポート作成を繰り返し、論理的な思考力および文章力をつけることを目標とします。お互いの持つ異なる考えを知り、新しい発見をすることで、批判的思考力(クリティカル・シンキング)を養い、これまでとは違う考え方ができるようになることも目標とします。
- <授業計画及び準備学習>
- ●第1週 [ガイダンス]
この科目を通しての目標設定をする(課題1)・「仲間づくり」をする。 準備学習: シラバスをきちんと読んでおくこと。
●第2週 [ロジカルライティングに挑戦] まずは書くことで、その難しさを実感する。 準備学習: 課題1「あなたはこの授業で何を学びたいですか? どのようなスキル・知識を得たいのか、目標を設定 してください。」
●第3週 [読みやすい文章とは] 読みやすい文章を書くための「量・構成・書き言葉」を理解する 準備学習: 課題2「あなたが最も成長したと思う体験を挙げ、 なぜ成長したと言えるのかを具体的な例を挙げながら 説明しなさい」
●第4週 [「ノートテーキングと要約に挑戦] 先輩(1人目)の経験談を聞き、ノートテーキング&要約する 準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題2を修正する。
●第5週 [ノートテーキングと要約の基本] ノートテーキングと要約のポイントを理解する。 準備学習: 先輩(ロールモデル1)の経験談を聞き、その内容を 要約する。
●第6週 [ノートテーキングと要約に再挑戦] 先輩(2人目)の経験談のノートテーキング&要約 準備学習:個人の要約をもとに、グループごとの要約をまとめる。
●第7週 [ノートテーキングと要約の自己・他己評価] 聞いたことをもとに自身の考えを書き、それを評価する 準備学習: 課題3「あなたはこの4年間、どう成長したいですか? 自分が4年後にどうなりたいか、そうなるために何を するべきかを説明しなさい」
●第8週 [文献からの情報収集] 技術者の業績と生き方:文献からのノートテーキング。 準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題3を修正する。
●第9週 [文献から得た情報をもとにしたライティング] 文献から得た情報をもとに要約をふまえたライティングの練習。 準備学習: 課題4「資料中の技術者のなかであなたがもっとも関心をもった 人について、説明しなさい」
●第10週 [講義からの知識の取得] 講義をうけ、そこで得た知識を整理し、書く。 準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題4を修正する。
●第11週 [調査した情報と文献からの知識をもとにしたライティング] 文献を読み、そこで得た知識をもとに自分の意見をまとめ、書く 準備学習: 課題5「技術をよりよく学ぶうえで、日々の姿勢としてどんなことが大切だと考えますか。 とくに大切にしたいことをひとつあげ、その根拠とともに説明しなさい」
●第12週 [講義・調査・文献から得た知識をもとにしたライティング] 複数の資料や情報をもとに、自身の意見をまとめ、書く。 準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題5の内容を修正する。
●第13週 [学習の総括] これまでの授業で学んだことについて、意見をまとめ、書く。 準備学習: 課題6「あなたはこの授業でどのようなことを学びましたか。また、自分にとって今後の課題は 何だと思いますか。説明しなさい」
●第14週 [ライティングの自己・他己評価] 自分が・他人が書いた文章の要約・評価 準備学習: 前回の授業の内容を理解したうえで、課題6の内容を修正する。
●第15週 [学習成果の確認](試験かレポート)
●第16週 [授業内容の振り返り]
- <成績評価方法>
- 授業に出席をし、積極的に議論に参加する(人と話す)ことは大前提です。
課題レポート、宿題その他の提出物に、授業中の議論における貢献度を加味して総合的に評価します。
- <教科書>
- ・「Logical Writing ―論理的な文章力を鍛える―」(大学生基礎力BOOKシリーズ)(株)ベネッセコーポレーション
他、適宜、プリントを配布します。
- <参考書>
- 特に指定はしないが、普段から新聞や文庫本をたくさん読むことを勧めます。
- <オフィスアワー>
- 講義の前後に、講師控室にて
- <学生へのメッセージ>
- 皆さんは、日常、ラインやツイッター、メールを仲間の中で使っていると思います。その際、絵文字やスタンプを使って感情も文字の中に盛り込んでいるのではないでしょうか。そういった感情を表す物が文面に欠けると、例えば、「これ〇〇ちゃんからもらったプレゼント、かわいくない」と書くと、「?」やルンルン気分を表すスタンプが欠けるだけで、嬉しさを表すプチ自慢から相手を傷つける言葉へと変わってしまいます。或いは、「お前、明日何で来るの?」と書くだけでは、相手が来ることを前提に電車かバスか徒歩か聞いている文面が、「お前は来るな」といういじめにも似た表現に変わってしまいます。
ところが、大人=社会人=仕事・職業の場面では絵文字やスタンプは使えません。言葉だけで表現しなければなりません。この講義を履修・修得することで、言葉を駆使する能力を獲得して、大人=社会人=職業人へと一歩一歩成長していって下さい。
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