2016年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

有機化学I(Organic Chemistry I)[3133]

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2単位
松野 研司 教授  
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
有機化合物の性質と有機反応の基礎を理解する。

<受講にあたっての前提条件>
高校化学の基礎をよく復習しておいてください。

<具体的な到達目標>
・有機化合物の構造を理解できる知識を身につける。
・混成軌道を理解し、分子の形を3次元的にイメージできる。
・有機化学反応を電子の動きで理解できる。
・原料と反応条件から、生成物を推測できる。
・目的とする有機化合物の合成法を立案できる。

<授業計画及び準備学習>
教科書の例題などを復習し、重要なポイントを確認すること。
化合物・官能基名は、英語で覚えること。

講義内容
教科書の該当章とキーワード

1. 化学結合と混成軌道(1)
   教科書第1章、sp3混成軌道

2. 化学結合と混成軌道(2)
   教科書第1章、sp2混成軌道、sp混成軌道
   (分子模型を使います)

3. 電気陰性度と分極、有機化合物の酸性と塩基性
   教科書第1章、分子の極性、ブレンステッド酸・塩基

4. 有機化合物の酸性と塩基性、アルカンの命名法
   教科書第1-2章、ルイス酸・塩基、IUPAC命名法

5. アルカンの命名法、アルカンの立体配座
   教科書第2章、IUPAC命名法、Newman投影式

6. シクロアルカンの命名法、立体配座
   教科書第2章、いす形配座、環反転

7. アルケンの命名法、幾何異性体
   教科書第3章、IUPAC命名法、順位則

8. 有機化学反応の機構
   教科書第3章、置換反応、付加反応、求核剤、求電子剤

9. アルケンの付加反応と選択性(1)
   教科書第3-4章、アルケンとHXとの反応、カルボカチオン、遷移状態
   マルコウニコフ則
   教科書第4章、非対称アルケンとHXとの反応、カルボカチオンの安定性、反応の選択性

10. アルケンの付加反応と選択性(2)
   教科書第4章、アルケンとX2との反応など、反応中間体

11. 共鳴理論と共役系化合物
   教科書第4章、共役ジエンとHXとの反応、反応中間体、アリルカチオン

12. 芳香族化合物と求電子置換反応
   教科書第5章、ベンゼン系化合物の概要、命名法、ニトロ化など

13. 求電子置換反応とフリーデル・クラフツ反応
   教科書第5章、カチオン性中間体、反応の選択性、置換基の電子的効果

14. 学習内容の振り返り

15. 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
授業に出席することが成績評価の前提(妥当性のない遅刻・途中退席は相応の評価となる)。
学期末に授業内容すべてを範囲とした試験を実施する。
試験の結果でA+〜Fの6段階評価し、D以上の者を合格とする。
詳細に関しては講義中に述べる。

<教科書>
マクマリー有機化学概説(東京化学同人)

<参考書>
有機化学の基本-電子のやりとりから反応を理解する-(化学同人)

<オフィスアワー>
いつでもどうぞ(ただし、在室していても対応できない時もあるため、事前に電話またはe-mailで都合を確認するのが望ましい)。

<学生へのメッセージ>
有機化合物は、皆さんの身近にある化合物であり、様々な材料や医薬品として利用されています。これらの機能を理解する上で、その構造(形)をしっかりと理解することはとても重要です。ノートに書く平面の絵ではなく、立体的な形を理解するために、分子模型も活用します。


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