2016年度工学院大学 先進工学部環境化学科
化学実験(Experiments in Chemistry)[4362]
1単位 油井 信弘 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 「講義(化学1)」→「実験の予習」→「実験操作」→「実験結果の記録と整理」→「レポート作成」という一連の流れから、理工系学部生にとって必要な化学実験の操作技術と化学的視点の洞察力を身につける。
- <受講にあたっての前提条件>
- ・本授業の実験内容は、化学1の講義内容と密接に関係している。実験の理論・背景を十分に理解するために、化学1の講義内容を復習しておくこと。
・高校レベルの化学の基礎知識を有することが望ましい。高校で化学を履修しなかった人は、学習支援センターの基礎講座を受講し、化学の知識を補うこと。 ・安全のため、白衣を購入し、必ず着用すること。 ・大学生協で販売されているA4実験ノート(オレンジ色の表紙)を購入し、実験の予習を必ず行うこと。 ・実験ノートへの記録用に、黒の油性ボールペン(指定はないが、後から消す機能がないものとする)を用意すること。 ・関数電卓を購入・持参すること。普通の電卓でも良いが、携帯電話などの電卓機能の使用は認めない。
- <具体的な到達目標>
- ・安全と環境に配慮し、化学実験器具や化学薬品を適切に取り扱うことができる。
・実験の全体像を理解し、実験ノートに予習を行うことができる。 ・実験中に起こる変化を注意深く観察・洞察し、正確にノートに記述することができる。 ・実験データに基づき、濃度・収率などの量を計算することができる。 ・実験結果を十分に考察し、実験レポートを作成できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 実験は、すべて各個人で行う。白衣・予習を行った実験ノートを忘れた場合、実験を行うことはできない。各週の実験内容は以下の予定である。
第1回: 概要の説明・基本的な実験操作 [学習内容]【前半】実験内容、注意事項、予習方法・レポートの書き方の説明を行う。 化学式・モルに関する演習問題を行う。 【後半】1. 分子模型を組み立てる。 2. 基本的な実験操作を学ぶ。 [準備学習] 白衣・実験ノート・関数電卓を購入し、持参すること。 化学式やモルについて復習しておくこと。 この回は、実験の予習は不要である。 テキストの必要部分は授業で配布する。
第2回: 基礎実験(ナイロン合成と炎色反応) [学習内容]【前半】ナイロン6 10の合成を行う。 【後半】金属イオンの炎色反応の実験を行う。 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
第3回: 無機定性分析実験1(金属陽イオンの反応) [学習内容]【前半】Ag+, Pb2+, Al3+, Fe3+の各イオンの性質を調べる。 【後半】Ag+, Pb2+, Al3+, Fe3+混合溶液の系統分離分析を行う。 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
第4回: レポート指導・無機定性分析実験2(未知試料の分析) [学習内容]【前半】第2, 3回の実験レポートについて、講評および指導を行う。 【後半】Ag+, Pb2+, Al3+, Fe3+のうち数種類のイオンを含む未知試料の分析を行う。 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
第5回: 定量分析実験(食酢中の酢酸濃度の測定) [学習内容]【前半】NaOH水溶液を調製し、塩酸標準液を用いて濃度を測定する。 【後半】NaOH標準液を用いて、食酢中の酢酸濃度を測定する。 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
第6回: 無機合成実験(硫酸銅五水和物の合成と精製) [学習内容]【前半】硫酸銅五水和物の合成を行う。 【後半】硫酸銅五水和物の再結晶、乾燥、収率計算を行う。 [準備学習] テキストの「予習」を行うとともに、実験手順をまとめる。
第7回: 学習内容の振り返り [準備学習] 前回までの総復習を行う。
- <成績評価方法>
- ・試験は行わない。
・予習(20 %)とレポート(80%)の出来で成績評価し、Grade D以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- テキストはPDFファイルで配布する。<参考ホームページアドレス>に書かれている化学実験ホームページにアクセスし、化学実験テキストのPDFファイルを参照しながら、実験ノートに予習すること。初回の授業に関連する部分(「受講のための準備」「分子模型」「基本的な実験操作」)は、初回に講義室で配布する。第2回以降のページは、必要であれば、各自で印刷すること。
- <参考書>
- 以下の参考図書・参考DVDは、すべて図書館に置いてある。有効に活用すること。
●化学全般に関する教科書 ・「大学生の化学 Introduction」佐藤 光史 監修、2013年、培風館 ●化学全般に関する演習書 ・「大学と高校を結ぶ 化学基礎演習」佐藤 光史 監修、2015年、培風館 ●化学反応式や沈殿の色・形状 ・「−視覚でとらえる−フォトサイエンス化学図録(新課程改訂版)」数研出版編集部 編、2013年、数研出版 ●酸と塩基 ・「DVD教材 化学:未来をひらくサイエンス CHEMISTRYシリーズ 第10巻 酸と塩基」 ●実験レポートの書き方 ・「改訂 化学のレポートと論文の書き方」泉 美治 他監修、1999年、化学同人 ●安全について ・「実験を安全に行うために(第7版)」化学同人編集部 編、2006年、化学同人 ・「続 実験を安全に行うために(第3版)」化学同人編集部 編、2007年、化学同人
- <オフィスアワー>
- 金曜13:00−15:00とする。教員の居室は八王子キャンパス(17号館205号室)。予約は不要だが、会議や出張で不在の可能性があるので、事前に連絡を取ることを推奨する。メールで連絡・質問する場合は、bt13347@ns.kogakuin.ac.jpまで。
- <学生へのメッセージ>
- 化学薬品や実験器具の取り扱い方を学ぶ化学実験は、先進工学において重要な基礎となるものである。実験操作やレポートの書き方を、確実に習得してほしい。また、色の変化や沈殿の生成など、化学変化の多様さに興味を持ちながら実験を行ってほしい。
- <備 考>
- ・先進工学部以外の学生が受講しても、卒業単位として認定されないので注意すること。
・2年生の再履修・リピート受講は認める。1年生の再履修・リピート受講は認めない。 ・全出席、無遅刻、全レポート提出が原則である。 ・実験は約3時間半立ちっぱなしのため、万全の体調で実験に臨むこと。体調が悪いときは、無理をせずに、医療機関を受診して、診断書を提出すること。 ・実験直前に初めてテキストを見るようでは、実験中に慌てて事故につながる。安全かつ手際良く実験を行うため、事前に予習を行うこと。 ・予習においては、 1.使用試薬の化学式(分子式)、分子量、融点、沸点、密度、溶解性、性状(固体、粉末、液体) 2.反応式 3.使用器具(ビーカー、漏斗、フラスコなど) 4.実験操作の手順、箇条書きまたはフローチャートにしてまとめる。 を実験ノートに記入すること。
- <参考ホームページアドレス>
- 化学実験ホームページ: http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwa1077/index.html
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