2016年度工学院大学 先進工学部環境化学科
△有機化学I(Organic Chemistry I)[3133]
2単位 松野 研司 教授
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 有機化合物の性質と有機反応の基礎を理解する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校化学の基礎をよく復習しておいてください。
- <具体的な到達目標>
- ・有機化合物の構造を理解できる知識を身につける。
・混成軌道を理解し、分子の形を3次元的にイメージできる。 ・有機化学反応を電子の動きで理解できる。 ・原料と反応条件から、生成物を推測できる。 ・目的とする有機化合物の合成法を立案できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 教科書の例題などを復習し、重要なポイントを確認すること。
化合物・官能基名は、英語で覚えること。
講義内容 教科書の該当章とキーワード
1. 化学結合と混成軌道(1) 教科書第1章、sp3混成軌道
2. 化学結合と混成軌道(2) 教科書第1章、sp2混成軌道、sp混成軌道 (分子模型を使います)
3. 電気陰性度と分極、有機化合物の酸性と塩基性 教科書第1章、分子の極性、ブレンステッド酸・塩基
4. 有機化合物の酸性と塩基性、アルカンの命名法 教科書第1-2章、ルイス酸・塩基、IUPAC命名法
5. アルカンの命名法、アルカンの立体配座 教科書第2章、IUPAC命名法、Newman投影式
6. シクロアルカンの命名法、立体配座 教科書第2章、いす形配座、環反転
7. アルケンの命名法、幾何異性体 教科書第3章、IUPAC命名法、順位則
8. 有機化学反応の機構 教科書第3章、置換反応、付加反応、求核剤、求電子剤
9. アルケンの付加反応と選択性(1) 教科書第3-4章、アルケンとHXとの反応、カルボカチオン、遷移状態 マルコウニコフ則 教科書第4章、非対称アルケンとHXとの反応、カルボカチオンの安定性、反応の選択性
10. アルケンの付加反応と選択性(2) 教科書第4章、アルケンとX2との反応など、反応中間体
11. 共鳴理論と共役系化合物 教科書第4章、共役ジエンとHXとの反応、反応中間体、アリルカチオン
12. 芳香族化合物と求電子置換反応 教科書第5章、ベンゼン系化合物の概要、命名法、ニトロ化など
13. 求電子置換反応とフリーデル・クラフツ反応 教科書第5章、カチオン性中間体、反応の選択性、置換基の電子的効果
14. 学習内容の振り返り
15. 学習成果の確認(試験)
- <成績評価方法>
- 授業に出席することが成績評価の前提(妥当性のない遅刻・途中退席は相応の評価となる)。
学期末に授業内容すべてを範囲とした試験を実施する。 試験の結果でA+〜Fの6段階評価し、D以上の者を合格とする。 詳細に関しては講義中に述べる。
- <教科書>
- マクマリー有機化学概説(東京化学同人)
- <参考書>
- 有機化学の基本-電子のやりとりから反応を理解する-(化学同人)
- <オフィスアワー>
- いつでもどうぞ(ただし、在室していても対応できない時もあるため、事前に電話またはe-mailで都合を確認するのが望ましい)。
- <学生へのメッセージ>
- 有機化合物は、皆さんの身近にある化合物であり、様々な材料や医薬品として利用されています。これらの機能を理解する上で、その構造(形)をしっかりと理解することはとても重要です。ノートに書く平面の絵ではなく、立体的な形を理解するために、分子模型も活用します。
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