2016年度工学院大学 先進工学部生命化学科

総合生物学(General biology)[6K03]

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1単位
鈴木 基文 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
生命科学の時代といわれる21世紀における生物学の対象となるものは、全ての生きもの(生命、生命体)であり、多様性の世界である。この世界は時間の流れの中で地球とともに共進化してきたものである。本授業のねらいはこの多様性をヒトがどのように理解しているのかを知ることである。多様性が食糧・健康・医療・環境と密接に関連していることを理解する。生命の多様性に関わる本質は遺伝子DNAの塩基配列にあり、これを包む細胞にあることを理解する。細胞が地球環境に適応進化することを理解し、単細胞と多細胞の共通点と相違点を知り、細胞の調節機構を理解する。生命科学における生命哲学の重要性を理解する。

<受講にあたっての前提条件>
生物学を知りたいと意欲をもつこと。

<具体的な到達目標>
到達目標は以下の通りである。(1)地球に棲む多様な生命が地球の歴史とともに共進化してきたことを理解できる。(2)生命のゲノムにある遺伝子DNAの塩基配列の意義を理解できる。(3)単細胞生物および多細胞生物の多様性を理解できる。(4)生命の調節機構について分子レベルで理解できる。(5)ヒトと生物と環境との相互関係について理解できる。(6)生命哲学における生命倫理および環境倫理の意義について理解できる。

<授業計画及び準備学習>
1. 「地球と生命」生命とは何かを考える。今ある多様な生命は地球との共進化によるものであることを学ぶ。準備学習:次回の講義のためのプリントを配布しますので、講義前までに予習する。

2. 「生命と遺伝子DNA」生命を担う分子としてDNA、RNA、タンパク質の構造と機能ならびに遺伝情報の流れや調節の仕組みについて学ぶ。また、遺伝子の普遍性と多様性について学ぶ。準備学習:次回の講義のためのプリントを配布しますので、講義前までに予習する。

3. 「単細胞」 生命は遺伝子DNAを包む細胞からなるが、単細胞からなる生命体(生物)には多様性があることを学ぶ。準備学習:次回の講義のためのプリントを配布しますので、講義前までに予習する。

4. 「多細胞」 単細胞から進化した多細胞生物も多様性があることを学ぶ。多細胞生物であるヒトついて考える。準備学習:次回の講義のためのプリントを配布しますので、講義前までに予習する。

5. 「生命の調節」 細胞間における分子シグナルの伝達機構、インスリンホルモンの遺伝子組換えや糖代謝調節機構、抗体分子と遺伝子発現との関係について学ぶ。準備学習:次回の講義のためのプリントを配布しますので、講義前までに予習する。

6. 「生命と環境とヒト」 生命の進化と系統および生態におけるヒトの位置づけについて学び、生物多様性、環境倫理および生命倫理について考察する。準備学習:次回の講義のためのプリントを配布しますので、講義前までに予習する。

7. 「学習を振り返る」 自然(ありのまま)と人工(ヒトによってつくられたもの)について考察する。

<成績評価方法>
定期試験のみで評価する。
Grade D以上の者に単位を認める。

<教科書>
指定教科書なし

<参考書>
「エッセンシャルキャンベル生物学」池内昌彦、伊藤元己、箸本春樹 監訳 (丸善出版)
「生命科学入門」 丸山工作、丸山 敬 著 (東京教学社)
 「ニューステージ 新生物図表」 浜島書店編集部 (浜島書店)
 他の参考書は授業にて紹介します。

<オフィスアワー>
授業終了後、教室にて質問を受けます。

<学生へのメッセージ>
プリントを中心に授業を行います。生物学とは何かを伝えたいと思います。授業で、生物学に関する時事ニュース、有名な科学者の伝記、科学の啓蒙書などを紹介し、生物学に興味をいだくきっかけをつくりたいと思っています。


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