2016年度工学院大学 先進工学部生命化学科

細胞生物学(Cell Biology)[5D18]

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2単位
小山 文隆 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
生命の主人公はタンパク質です。細胞の中で,タンパク質がどのように生まれ,育ち,働き,そして死を迎えるか。生命科学の基礎としての細胞生物学を空間的,時間的流れの中で,そのタンパク質の一生の流れから追います。そして細胞内がどのような統一性をもって「いのち」の営みを行っているかを勉強します。

<受講にあたっての前提条件>
生物化学,有機化学を受講していること。

<具体的な到達目標>
学生が,細胞を,化学の面から語れるようになる。具体的には,細胞の構造を明らかにし,機能の解析を支えた研究手法を開発の歴史とともに学び,これまで蓄積された細胞生物学の知識を理解する。そして,基礎科目である,生物化学,分子生物学などの基礎科目の概要も復習する。
4年次の卒論研究で,“小さいながらも世界初の発見ができるような研究”を行う上で,必要となる細胞の基礎知識を身に付けることを最終目標とする。

<授業計画及び準備学習>
1回目:
1.細胞生物学の授業に関する注意
2.シラバスの説明
3.自己紹介を兼ねた細胞生物学の紹介

2回目:
細胞を理解することの重要性を具体例で紹介。

3回目:
細胞生物学の発展を支えた研究手法の紹介。
形態観察,生物化学の発展,細胞分画法・超遠心法について具体的に説明。

4回目:
細胞生物学の発展を支えた研究手法
クロマトグラフィー,放射性同位体,遺伝子変異について具体的に説明。

5回目:
細胞の構成を説明。
生体膜と細胞小器官について具体的に解説。
1. 核 (nucleus)
2. ミトコンドリア (mitochondria)
3. 小胞体 (endoplasmic reticulum)
4. ゴルジ体 (Golgi apparatus )

6回目:
細胞の構成を説明。
生体膜と細胞小器官について具体的に解説。
5. ペルオキシソーム (peroxisome)
6. リソソーム (lysosome)
7. 細胞膜 (plasma membrane)

7回目:
原核生物と真核生物について説明。
そして,細胞におけるタンパク質の合成と分解の概要を説明。

8回目:
細胞内での遺伝子の複製と転写,スプライシングそして遺伝コードについて説明。

9回目:
細胞内でのタンパク質の合成とその重要性を説明。

10回目:
細胞内で合成されたタンパク質の高次構造形成とシャペロンについて説明。

11回目:
細胞内で合成されたタンパク質の適材適所配置について。細胞外へ分泌,あるいは細胞内小器官への局在など。そのメカニズム,シグナル仮説について説明。

12回目:
細胞内でのタンパク質の局在とそのメカニズム,細胞内小器官への輸送について説明。

13回目:
細胞内でタンパク質が果たす役割を機能の面から紹介。

14回目:
細胞内でのタンパク質の寿命と分解について解説。
学習内容の振り返り。

15回目:
定期試験

<準備学習>
学習の参考になるアメリカの出版社の動画(英語版)をほぼ毎回紹介します。授業で学習したことが動画を通じて理解できるように予習し,復習する。
授業では,細胞生物学に関わる基本的な用語を,日本語と英語で表記します。化学で必要とされる英語単語にも親しむことが出来ます。

<成績評価方法>
1. 成績評価
授業にきちんと出席することが成績評価の前提である。
試験期間に記憶すべき事項 (60%,基本的に穴埋め) と理解度 (40%,文章問題) を調べる学期末試験を実施する。
A+~Fの6段階評価で,D以上の者を合格とする。

2. 定期試験での資料等の持ち込みは一切不可。

<教科書>
はじめて出会う細胞の分子生物学  
伊藤 明夫 (著) 
出版社: 岩波書店

<参考書>
タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書) (新書)
永田 和宏 (著)

分子細胞生物学 第5版  
H. ロディッシュ 他(著)石浦 章一 他(翻訳)
出版社: 東京化学同人

<オフィスアワー>
後期、金曜日14時00分〜15時00分 八王子校舎 17号館 302 室にて質問,相談を受け付けます。
簡単な質問は授業後の教室でも受け付けます。
メールでの場合は、bt13262@ns.kogakuin.ac.jp で受け付けます。

<学生へのメッセージ>
全ての生物は細胞からできています。細胞生物学は細胞を対象とする生物学の一分野で,生物化学,分子生物学,微生物学,遺伝子工学,細胞工学などの分野と密接に関係しています。細胞の理解とその応用のため,しっかりと細胞の基礎を勉強してください。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwa1074/


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