2016年度工学院大学 先進工学部生命化学科

有機化学II(Organic Chemistry II)[2A22]

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2単位
南雲 紳史 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
有機化学基礎、有機化学Iで学んできた基礎的理論を基に芳香族、ハロゲン化アルキル、アルコール、エーテルなどの構造、性質、反応などについて理解を深める。また、有機化合物の立体構造について学ぶ。

<受講にあたっての前提条件>
有機化学Iの内容に関して、理解が進んでいる事。できれば、3回目の講義ぐらいまでに教科書の1章から4章までの章末問題を全て行い、その正解率が8割程度になるまで繰り返すことが望ましい。

<具体的な到達目標>
共鳴構造を書ける。
キラルについて説明でき、不斉炭素の絶対配置を明示できる。
ベンゼン誘導体の反応に関して反応機構を明示でき、位置選択性を予測できる。
求核置換反応、脱離反応の反応機構を明示できる。
アルコール、エーテル化合物の反応を挙げ、それらの反応機構を明示できる。

<授業計画及び準備学習>
1. 芳香族性
    『有機化学基礎』(1年2Q)で学んだ各種混成軌道の電子配置を書けるようにしておくこと
    (C、N、O原子のsp3,sp2,sp混成軌道は必ず!)
2. 芳香族求電子置換反応
    『有機化学T』(1年3,4Q)で学んだ共鳴理論を復習し、共鳴式を書けるようにしておくこと
3. Friedel-Crafts反応
    ハロゲン化、スルホン化、ニトロ化に共通する反応機構を復習し、書けるようにしておくこと
4. 置換基効果
    『有機化学T』(1年3,4Q)で学んだ共鳴理論を復習し、共鳴式を書けるようにしておくこと
5. 立体化学1:鏡像異性体とRS配置
    キラリティーについて予習しておくこと
6. 立体化学2:ジアステレオマー、メソ化合物
    RS配置の決定を復習し、教科書の問題を利用し確実にできるようにしておくこと
7. 立体化学3:異性現象の要約、自然界におけるキラリティー
    教科書に載っているキラルな化合物に関して、分子模型組み立て、RS配置を決定してみること
8. グリニヤル試薬の調製とその反応
    酸化還元反応の見極め方、有機化合物中の各原子の酸化数の求め方を復習しておくこと
9. ハロゲン化アルキルのSN2反応
    資料「5つのルール」のアニオン編のところを見ておくこと
10. ハロゲン化アルキルのSN1反応
    『有機化学T』(1年3,4Q)で学んだ有機反応のエネルギー論(反応速度)を復習しておくこと
11. ハロゲン化アルキルの脱離反応(E1,E2)
12. アルコール、フェノールの性質
    『有機化学基礎』(1年2Q)で学んだルイス酸・塩基、ブレンステッド酸・塩基、極性を復習しておく
13. アルコール・エーテル・フェノールの合成と反応
    有機化合物中の各原子の酸化数の求め方を復習しておくこと
14. 学習内容の振り返り

定期試験は別日に行う。

<成績評価方法>
授業にきちんと出席することが成績評価の前提。
試験期間に学期末試験を実施し、講義中におこなう演習問題の内容を最大10%(合格点に対する)まで加味する。
A+〜Fの6段階評価でD以上の者を合格とする。

<教科書>
マクマリー有機化学概説(東京化学同人)

<参考書>
マクマリー有機化学(上,中) 第6版(東京化学同人)

<オフィスアワー>
火曜日午後、木、金、土(17号館357号室)


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