2016年度工学院大学 先進工学部生命化学科

自然科学の歩き方(Fundamentals in Natural Sciences)[5426]

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1単位
小麦 真也 准教授  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
これまでで学んできた数学などに代表される理数系科目については,就学の際,基礎知識を身につけるために独立した科目として,また,進学の手段としてスキルアップを図ることを目的とする傾向にあった。これから自然科学を学んでいくためには,これらの独立した知識を「自然科学を解き明かしていくための道具」として纏め上げていく必要がある。本授業では,以下の到達目標を達成する。

先進工学部のカリキュラムを学んでいく上で必要となる基礎的な知識を確認し,身につけることをねらいとする。

<受講にあたっての前提条件>
高校卒業程度の数学力を要するが,高校時代のカリキュラムの関係で未修単元がある学生に対しては配慮をする。

<具体的な到達目標>
初等関数をグラフなどにより視覚化し,その傾向を説明できる。
実験により得られたデータを適切なグラフで表現し、予測ができる。

<授業計画及び準備学習>
  1. 多項式の微分と積分
    多項式を題材に,微分積分の考え方,合成関数の微分などを定義に基づいて理解する。
  2. 関数とグラフ
    1次関数,2次関数を例に,グラフ作成の演習を行う。この演習を通じ「函数」とも表される入力変数とその変数に依存する値の関係を理解し,自然科学を学ぶ上で必須とも言えるグラフの作法について学ぶ。
     準備学習:本授業の第1回で学んだ多項式の微分,積分を復習し,例題,類題を解く。
  3. データの分析
    実験データをグラフ化する際の注意点について学び、データの性質から実験を行っていない入力変数での出力変数を定量的に推定する方法を学ぶ。
     準備学習:本授業の第2回で学んだ関数について復習する。
  4. 三角比・三角関数と弧度法
    幾何学の基本的な考え方の一つである三角比を復習し,自然科学の各分野で頻繁に用いられる三角関数について学ぶ。あわせて,角度の表現方法である弧度法を理解する。
     準備学習:三角比の「直角三角形による定義」と「単位円による定義」を復習する。
  5. 級数展開
    複雑な構造を持つ関数を理解するためには,入力変数の範囲を狭めて,局所的な振る舞いを理解するといった方法をとる場合がある。そのようなときに使う手法としての級数展開を初等関数を例にとって学ぶ。
     準備学習:本授業第1, 4回で学んだ微分,積分,三角関数の復習をし,例題,類題を解く。
  6. 指数関数と対数関数
    指数関数はべき乗における指数を変数とする関数であり,対数関数はその逆関数である。ネイピア数を底とする指数関数と対数関数は,自然法則を表現するために有用なだけではなく,解析学の解法においても重要な考え方である。この2種類の関数を理解し,応用に生かしていくことを学ぶ。
     準備学習:本授業第1回で学んだ多項式の微分,積分を復習し,例題,類題を解く。
  7. 学習内容の振り返り
     準備学習:前回までの総復習を行う。

<成績評価方法>
毎時間出題される演習問題により評価を行う。到達目標に照らし,A+, A, B, C, D, Fの6段階のGradeで評価する。A+~Dの者に単位を認める。

<教科書>
「自然科学の歩き方テキスト」(工学院大学)

<参考書>
・「高校時代に使用した数学の教科書または参考書」
本授業の目的は,高校までの知識を大学で学ぶ学問の道具として昇華することにある。そういった意味では,現在自分が持ち合わせているスキルを再確認,認識を行う作業を常に行っておいてもらいたい。また、高校で数学IIIを履修していないなど、全ての数学科目(I, II, III, A, B)を履修していない場合には,履修していない科目の学習参考書を入手するなどし,どのような内容が高校数学でカバーされているか一通り目を通しておくこと。
・「数学ガール」(ソフトバンククリエイティブ)
これは参考書,問題集などに分類される書籍ではなく小説である。「数学ガール」として5巻,「数学ガールの秘密ノート」として4巻刊行されているが,「数学ガール」の第1巻を読んでみることを強く勧める。数学的発想とはどういったものであるかのヒントを掴むことができるのではないだろうか。

<オフィスアワー>
• 金曜日2、5限の時間帯。総合教育棟1S-327に直接来てください。

<学生へのメッセージ>
復習と知識の整理を目的とした授業であるため,十分な負荷を感じる学生から物足りなさを感じる学生まで,これまでの学習履歴によりさまざまな捕らえ方をするであろうことは予想されます。そういった場合は,教員にぜひ相談をしてもらいたいと思います。「きつい」でも,「もっと刺激を」でも結構です。それをある程度予測した上で授業内容は考えていますので,それなりの対応を期待してもらっても結構です。

<参考ホームページアドレス>
http://www.map.kogakuin.ac.jp/~physics/


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