2016年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科
感性科学(Kansei Science)[1H27]
2単位 チャン ジョ 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 感性科学の専門知識を学び、その中で特に人間の感性を引き起こすインタラクションの発生・応用・評価について理解し、新しいコンテンツ設計案を編成する。
1.論理的な情報と感性的な情報の特徴を理解できる。 2.感性情報、感性インタラクションの範疇・応用を把握できる。 3.主観・客観情報を利用し、新しいコンテンツの試作と評価をできる。 4.感性科学研究プロセスの中の要点を実践的に理解できる。
- <受講にあたっての前提条件>
- 1.統計学を履修したことが望ましい。
2.グループワークを行うため、他人と共同作業できること。
- <具体的な到達目標>
- 1.感性科学分野において、基礎知識及び現状の問題点を理解・分析できること。
2.定量的に分析できるだけではなく、定性的な分析手法も学び、客観データと主観データを整合できる。 3.新しい提案・評価のプロセスを実践できる。 4.グループ作業能力、コミュニケーション能力を向上できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.講義内容の説明とグループ分け
この講義は知識の解説と実践的グループワークによって構成されることを説明していく。 準備学習:各自の希望によるグループ分けを行う。
2.感性・感性情報・感性科学の定義 広義と狭義の「感性」を説明し、現在の論争や、議論の傾向を説明していく。 準備学習:いままで学んだ知識の中の感性情報にかかわる事象について把握する。
3.感性情報と感性インタラクション 感性情報とインタラクションの中の感性情報を解説し、実例を持ってい感性インタラクションの応用可能性とメリットを分析していく。 準備学習:人間情報のカテゴリーを整理する。
4.感性情報の抽出・定量化 定量分析のための評価実験、評価用紙の設計要点を説明していく。 準備学習:グループワークによって評価用紙を作成する。
5.主観評価の定性分析I インタラクティブな発話データのプロトコル分析、実験編成の要点について説明していく。 準備学習:発話による実験のメリットと不足点、不足を補助する実験方法を理解する。
6.演習課題I(人と人の間の感性) 情景を設定し、人と人の間のインタラクティブな対話を行い、有用な感性情報を抽出する。 準備学習:発話実験をグループ内で行う。
7.主観評価の定性分析II 発話データのプロトコル分析手法を、実例を持って幾つかの方法を提示する。 準備学習:プロトコル分析の手法の中から2種類を選び、前回取得したデータを分析する。
8.情報機器の感性 情報機器の中の感性インタラクションを説明していく。 準備学習:実例をディスカッションし、有用性を検討する。
9.演習課題II(人と機械の間の感性) 人と機械の間のインタラクション問題を議論し、感性情報を利用してより良い提案を試作する。 準備学習:実例を持って、感性情報の利用についてディスカッションする。
10.問題点に対する主観評価 情報機器において、感性科学の視点で現行案の良し悪しを分析していく。 準備学習:現行案の良い効果から有効の手法をディスカッションし、問題点を抽出するためのユーザ評価を行う。
11.提案の意義かと制限条件の整理 新しい提案の位置づけと制限条件を整理する重要性を説明していく。 準備学習:ディスカッションによって各グループの提案の意義と制限条件を整理する。
12.パラメータの抽出と絞り 設計するパラメータを抽出し、制限条件を考慮してパラメータを絞る必要性を説明していく。 準備学習:グループワークによってパラメータを一覧し、提案を行う予定のパラメータを抽出する。
13.プロトタイプの作成と主観・客観評価 実案を利用し、提案を検証・改善するプロセスの重要性を説明していく。 準備学習:プロトタイプを作成し、各案に対して使用時の客観評価と主観評価を行う。
14.主観データと客観データの整合、学習内容の振り返り 準備学習:前回までの総復習を行う
- <成績評価方法>
- グループ単位の課題・個人単位の課題と最終レポートによる100点評価を行う。60点以上で合格とする。
1.グループ単位の課題・個人単位の課題の提出は最終レポート採点の条件とする。 2.最終レポートは100点満点で採点する。
- <教科書>
- 指定教科書なし。
- <参考書>
- プロトコル分析入門―発話データから何を読むか(海保博之,原田悦子、新曜社)
- <オフィスアワー>
- 新宿キャンパスA1575、金曜日16:00−17:00
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