2016年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

幾何学(Geometry)[1G30]

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2単位
長谷川 研二 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
情報学部は線形代数学を1年後期に履修するが半年だけで、1年間であれば後半で習う線形代数学の重要な単元である固有値・固有ベクトルまで履修するのは難しい。本科目は幾何学であるが線形代数学の応用となる内容であり、幾何学を通して固有値や固有ベクトルを理解させる。主な授業のねらいは
  1. 正方行列の固有値・固有ベクトルを計算し対角化ができる。
  2. 線形代数の応用として2次曲面や2次曲面を分類し概形を把握する。

<受講にあたっての前提条件>
線形代数学の内容を十分理解している。

<具体的な到達目標>
  1. 固有値・固有ベクトルの計算により正方行列を対角化する。
  2. 対称行列を直交行列で対角化する。
  3. 2次曲線の分類し、概形を把握する。
  4. 2次曲面の分類し、概形を把握する。

<授業計画及び準備学習>
  1. 2次曲線と2次曲線の方程式:
    2変数関数f(x,y)を用いてf(x,y)=0を満たす点(x,y)の集合は平面(2次元空間)上の直線や曲線になり、3変数関数f(x,y,z)を用いてf(x,y,z)=0を満たす点(x,y,z)の集合は3次元空間上の平面や曲面になる。f(x,y)=0を曲線の方程式、f(x,y,z)=0を曲面の方程式というが、fが1次式の場合は直線や平面になり2次式の場合を特に2次曲線、2次曲面という。これらをベクトルと行列で表すことができ、線形代数が応用できることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:プリントは事前に配布できないので線形代数学の復習をしておく。
  2. 2次形式と対称行列:
    2次曲線や2次曲面の方程式の2次の項は2次形式で対称行列で表現できることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  3. 固有値と固有ベクトル:
    正方行列の固有値と固有ベクトルの計算方法を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  4. 正方行列の対角化:
    固有値と固有ベクトルを求めてから、正方行列の対角化させる方法を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  5. 直交行列と対称行列の対角化:
    対称行列は直交行列で対角化できることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  6. 回転と直交行列:
    直交行列は原点を中心とした回転を表すことを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  7. 2次曲線の標準形:
    2次曲線を適当に回転させ、平行移動すると方程式が簡潔になり曲線の性質が調べやすくなることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  8. 楕円・双曲線・放物線:
    典型的な2次曲線である楕円・双曲線・放物線の方程式と概形を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  9. 一般の2次曲線の分類:
    回転や平行移動で標準形に直すことによって、2次曲線が前回で習った3種類の曲線または直線や点に分類できることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  10. 2次曲面の標準形:
    2次曲面を適当に回転させ、平行移動すると方程式が簡潔になり曲面の性質が調べやすくなることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  11. 楕円面・双曲面・錐面:
    典型的な2次曲面である楕円面・双曲面・錐面の方程式と概形を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  12. 楕円放物面・双曲放物面:
    典型的な2次曲面である楕円放物面・双曲放物面の方程式と概形を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  13. 一般の2次曲面の分類:
    回転や平行移動で標準形に直すことによって、2次曲面が前回までに習った5種類の曲面の他に楕円柱面・双曲柱面・放物柱面または平面・直線・点に分類できることを解説する。(次回は試験なので、試験前のオフィスアワーで希望者に返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  14. 学習内容の振り返り:
    準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。

<成績評価方法>
試験期間で実施する定期試験の得点が80点以上であればそれを成績点Xとする。定期試験の得点が80点未満であればそれをx点として、X=(ax)b(小数点以下四捨五入)とする。ただしabは(80a)b =80で合格基準点x0に対して(ax0)b =60を満たすように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後であるが、他人の答案を写すだけの解答が多い場合は平常点を考慮しない(基準点を一律60点)で試験のみで成績評価することがある。2015年以降入学者についてはXが90以上であればA+、80〜89であればA、70〜79であればBとしてXが60〜69で試験の得点が50以上がC、50未満をDとする。2014年以前入学者はXが60以上で単位を与える。

<教科書>
  • 指定教科書なし
  • プリントを授業で配布したり、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。

<参考書>
本科目は線形代数の応用を目的としているので、線形代数に関する書物を紹介する。
  • 線形代数講義 金子 晃 著 サイエンス社
  • 線型代数入門 斎藤 正彦 著 東京大学出版会
  • 理工系のための線形代数 高木・長谷川・熊ノ郷 著 培風館

<オフィスアワー>
月曜日15:30〜16:30(A-2712数学研究室)
ただし月に1回程度会議で応じられないことがある。


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