2016年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

感覚・知覚心理学(Sensation and Perception)[1D21]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
福田 一帆 准教授  
最終更新日 : 2016/10/27

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
われわれ人間は,様々な感覚器から取り込んだ情報をどのように処理して,知覚・認識しているのでしょうか.錯視・錯覚などを体験しながら,感覚器の機能,知覚の特性,知覚メカニズムを学び理解することにより,人の知覚特性に適した情報デザイン,情報技術の創造へと役立つ基盤を築くことをねらいとします.

<受講にあたっての前提条件>
特にありません.

<具体的な到達目標>
感覚・知覚に関する基礎知識,基礎的な用語を修得し,様々な知覚特性とその背景にある感覚器の働き,脳の情報処理メカニズム,および知覚研究の各種実験手法を正しく理解して説明できるようになることを目標とします.

<授業計画及び準備学習>
次の計画に沿って授業をおこないます.
講義資料を配布するので,準備学習として資料に目を通しておき,理解が難しいところに印をつけ,疑問点を書き込んでおくようにして下さい.また,復習として,翌週までに講義資料と授業ノートを見直し,授業中に出題される練習問題は資料を見ずに解けるようになるまで練習して下さい.
1.ガイダンス,感覚知覚とは?
講義の進め方と概要について説明する.感覚,知覚の種類と特徴について解説します.
2.感覚知覚の測定法
感覚知覚を科学的に扱うため定量的に測定する方法について解説します.
3.眼と脳のしくみ
視覚を理解するために,視覚の情報処理に関わる眼と脳のしくみを解説します.
4.明るさの知覚
明暗変化に対する視覚系の情報処理と,明るさの感覚知覚の特徴について解説します.
5.形の知覚
点の集合から物体の形を知覚する情報処理過程について解説します.
6.色の知覚(1)
色の知覚に関して,光の波長の情報に対する網膜における情報処理過程と,それに関する知覚の特徴について解説します.
7.色の知覚(2)
色の知覚について,主に網膜以降から大脳にかけての情報処理過程と,それに関する知覚の特徴について解説します.
8.奥行きの知覚
平面的な網膜の情報から奥行情報を復元して3次元的な知覚を形成するしくみと,立体映像の原理について解説します.
9.運動の知覚
物体の動きの検出メカニズムと,運動情報の知覚の特徴について解説します.
10.眼球運動
眼球運動は見たいところへ眼を向ける以外にも機能や役割があります.眼球運動の種類と性質,計測方法について解説します.
11.視覚的注意
人は眼を動かさなくても注目する対象を変えることができます.また視界に入っているもの全てを認識しているとは限りません,このような視覚的注意の働きと特徴について解説します.
12.知覚の発達
乳幼児期の視覚機能の発達と,それを調べる研究手法について解説します.
13.聴覚,触覚,味覚,嗅覚,感覚間の相互作用
視覚以外の感覚について,その種類とそれぞれの代表的な特徴について解説します.
14.学習内容の振り返り

<成績評価方法>
講義中の小テストおよび試験期間中の学期末試験の結果をもとに成績を評価します.小テストと学期末試験の評価割合は3:7です.到達目標に照らして,6段階のGrade (A+,A,B,C,D,F) で評価し、D以上の者を合格とします.成績不良による再試験はおこないません.追試験は学則規定の手続きを経て承認された者に限り受験を認めます.教室備え付けの端末で出席を取るので毎回学生証を持参して下さい.

<教科書>
教科書は指定しません.講義資料を配布します.

<参考書>
「知覚心理学―心の入り口を科学する (いちばんはじめに読む心理学の本)」北岡明佳 編/著(ミネルヴァ書房)
「視覚科学」横澤 一彦 著(勁草書房)
「朝倉心理学講座6 感覚知覚心理学」菊池 正 編(朝倉書店)
「ライブラリスタンダード心理学2 スタンダード感覚知覚心理学」綾部早穂, 熊田孝恒 編(サイエンス社)
「講座 感覚・知覚の科学1〜5」内川惠二 総編集(朝倉書店)

<オフィスアワー>
毎週月曜日10:10〜10:50,新宿校舎高層棟15階A-1515にて.それ以外の時間も在室時は対応可能です.授業後の教室でも質問を受け付けます.

<学生へのメッセージ>
感覚,知覚は誰もが関係する非常に身近な話題です.日常生活や今後の研究,仕事,そして趣味など様々な場面で,この授業で学ぶ人間の感覚・知覚・認識の特徴と,それを定量的に測定・評価する方法を役立てることができると思います.見て体験しながら学べる授業を実施するので,スクリーンの映像を見やすい座席に座って下さい.


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.