2016年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科
○数学I(Mathematics I)[1A27]
2単位 鈴木 敏行 非常勤講師
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 1変数の微分法および複素数について学習する.微分積分法は情報科学のみならず,現代科学に接する上で最も基本的なものの一つであり,確実に身に付けてほしい.
高校数学でも,その初歩を学習してきたが,より深く理解してほしい.
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校の数学I・数学IIを中心に復習しておくこと.特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習するように.
再履修のクラスなので,わからないことは何としてでも潰していくよう,積極的な態度で参加してください.
- <具体的な到達目標>
- 具体的な達成目標は以下のとおりである.
(1) 極限を理解し,具体的計算ができる. (2) 微分法の定義と性質を理解し,具体的に計算できる. (3) 微分法を極値問題や極限計算などに応用できる. (4) 複素数を理解し,具体的計算と応用ができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 【受講を予定する人は,事前に以下の事項を書いて fu41118@ns.kogakuin.ac.jp にメールを送ること】
科目名(数学I) 学部・学科 学籍番号 氏名
授業時に用意するプリント類の枚数を把握したいので,協力お願いします.
繰り返しになるが,講義開始前に高校の数学I・数学IIを,特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習しておくこと. 第01回 極限1:数列の極限 lim_{n→∞} 1/n = 0を理解する.また,lim_{n→∞} a^n が aによって変わること(収束や発散)を理解する. 関連した数列の極限を計算できるようにする. lim_{n→∞} (1+1/n)^n = e(定数) が数列の単調性と有界性を用いて定義できることを理解する. 【準備学習】 指数法則をよく復習しておくこと. 第02回 極限2:関数の極限 関数の極限について理解する.特に,lim_{θ→0} (sinθ)/θ = 1 を理解する. その上で,具体的な計算問題をできるようにする. 【準備学習】 三角関数(加法定理)・指数関数(指数法則)・対数関数(指数と対数の関係)の基本的性質を復習しておくこと. 第03回 微分法1:微分の定義と性質 微分や導関数の定義をする.また,多項式関数の微分ができるようにする. 例えば,次のような関数が微分できるようにする:f(x)=x^3-3x^2-9x 【準備学習】 速さを求める公式は重要.多項式や分数式の計算をできるようにしておく. 第04回 微分法2:積と商の微分 積や商の微分ができるようにする. 例えば,次のような関数が微分できるようにする:f(x)=x/(x^2+1) 【準備学習】 多項式の微分は確実にできるように. 第05回 微分法3:合成関数と逆関数の微分 合成関数や逆関数の微分について学習する. その応用として,べき乗根で表される関数の微分計算や,媒介変数表示された関数の微分について学習する. 例えば,次のような関数が微分できるようにする:f(x)=sqrt(x^2+1) 【準備学習】 多項式関数や分数関数の微分をできるようにしておく.定義も忘れない. 第06回 微分法4:三角関数・指数関数・対数関数の微分 三角関数・指数関数・対数関数が微分できるようにする. 合成関数の微分法を駆使して,次のような関数が微分できるようにする:f(x)=e^(sin(2x)) 【準備学習】 三角関数の加法定理や指数法則などをよく復習しておく. lim_{θ→0} (sinθ)/θ = 1 や lim_{h→0} (1+h)^(1/h) = e を思い出しておく. 第07回 微分法5:逆三角関数の定義と導関数 微分積分で重要な関数である逆三角関数を定義する. その逆三角関数の微分を学習する. 【準備学習】 三角関数の基本事項.単純な形の三角関数の入った方程式を解けるように. 第08回 微分法の応用1:中間値の定理・ロピタルの定理 方程式の近似解(二分法)を求める方法を紹介する. また,複雑な関数の極限の計算ができるようにする. 【準備学習】 微分計算をできるように. 第09回 微分法の応用2:関数の増減 関数の増加・減少を微分を用いて調べ,最大・最小(に準ずるもの)を求めることができるようにする. 【準備学習】 微分計算は必須.高次方程式が解けるように. 第10回 微分法の応用3:関数のグラフ・接線 微分法を用いて,関数のグラフの凹凸や,接線の方程式を求められるようにする. 【準備学習】 微分計算や方程式が解けないといけない.前回の続きなので,やったことを忘れずにしておく. 第11回 微分法の応用4:マクローリン展開・テイラー展開 高次導関数を定義し,関数を多項式展開する方法を紹介する. 【準備学習】 簡単な関数の微分を思い出しておく. 第12回 複素数1:複素数の定義と性質 複素数の定義をし,計算できるようにする. 【準備学習】 分数式の計算をできるようにしておく. 第13回 複素数2:複素数の応用(複素数平面・極形式) 複素数を平面上の点に対応させることで,複素数の計算を有効活用する. これまでのまとめとしてオイラーの公式[e^(iθ)=cos(θ)+i sin(θ)]にも触れる. 【準備学習】 三角関数の定義など思い出しておく. 第14回 学習成果の確認(授業内試験) 講義の予定は以上のとおりであるが,理解度に応じて内容が前後する場合がある.
講義の内容を理解してもらうために,ほぼ毎回レポートを課す(計12回予定).採点して返却し,成績にも反映するので,取り組むようにしてください. レポートを含め,日頃の学習への取り組みは大事である.これまでの復習が次につながってくるので,事前学習以上に復習は重要である(事前学習が疎かになっていても,復習を十分にやればカバーできる). 講義プリントにも問題を載せるので,積極的に解いてください.
また,学習支援センターなども積極的に活用すること.
- <成績評価方法>
- ・定期試験の点数(7割ほど)
・レポート課題の解答状況(3割ほど) これで100点満点の素点を計算する。 2015(平成27)年度以降に入学した者については、素点に基づきGradeを算出し,Grade D以上を合格とする。 2014(平成26)年度以前に入学した者については、素点に基づき60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 指定教科書なし.プリントを配布する(授業前にプリントをKUPORTに掲載するので,目を通してほしい).
KUPORT(キューポート)を活用するので,使えるようにしておくこと.
- <参考書>
- 授業内で適宜紹介する.
高校のときの数学の教科書や参考書は役立つはずである.
- <オフィスアワー>
- 授業の前後で受け付ける(12階講師室).
念のためにメールアドレスを載せておく. fu41118@ns.kogakuin.ac.jp
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