2016年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
オートマトンと形式言語(Automata and Formal Languages)[4E15]
2単位 真鍋 義文 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- プログラミング言語や自然言語処理の基本となる生成文法・形式言語・オートマトン理論に関する基礎知識を習得する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 集合・写像・ブール関数・グラフ理論に関する基礎的知識を必要とする。
情報数学Iおよび離散数学の単位を取得しておくこと。
- <具体的な到達目標>
- 与えられた言語を受理する有限オートマトン、プッシュダウンオートマトンの設計ができる。
与えられた有限オートマトン、プッシュダウンオートマトンが受理する言語が求められる。 与えられた言語を生成する文脈自由文法、正規文法、正規表現の設計ができる。 与えられた文脈自由文法、正規文法、正規表現が生成する言語が求められる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1 形式言語理論とは
形式言語とオートマトンとは何か、および理論的準備を解説する。 準備学習:参考書0章を読んでおく。 2 有限オートマトンと言語 有限オートマトンの定義を示し、有限オートマトンが受理する言語について解説する。 事前学習:参考書1.1章 p.35-47を読んでおく。 3 有限オートマトンの構築 与えられた言語を受理する有限オートマトンの設計法について解説する。 事前学習:参考書1.1章 p.48-p.50を読んでおく。 4 正規表現 正規表現の定義を示し、正規表現が表す言語について解説する。 事前学習:参考書1.3章p.73-77を読んでおく。 5 プログラミング言語の正規表現 プログラミング言語で使われる正規表現について解説する。 事前学習:LinuxシェルやRubyなどのリファレンスマニュアルを読んでおく。 6 正規表現の持つ性質 有限オートマトンと正規言語との等価性について解説する。 事前学習:参考書1.3章p.77-88を読んでおく。 7 正規言語の持つ性質 言語に対する演算と、正規言語が持つ性質について解説する。 事前学習:参考書1.1章p.50-54、1.2章を読んでおく。 8 形式文法とそのクラス 形式文法の定義とそのクラスについて解説する。 事前学習:参考書2.1章p.115-120を読んでおく。 9 言語の性質、導出 形式言語による言語の導出について解説する。 事前学習:参考書2.1章p.121-124を読んでおく。 10 文脈自由文法に対するポンピング補題、演算 文脈自由言語でない言語の例と、ある言語が文脈自由言語でないことを証明する手法、および文脈自由言語に対する演算について解説する。 事前学習:参考書2.3章を読んでおく。 11 プッシュダウンオートマトン プッシュダウンオートマトンの定義を示し、プッシュダウンオートマトンが受理する言語について解説する。 事前学習:参考書2.2章p.127-134を読んでおく。 12 プッシュダウンオートマトンの性質 プッシュダウンオートマトンと文脈自由言語の等価性について解説する。 事前学習:参考書2.2章p.134-144を読んでおく。 13 計算量理論 計算量およびクラスNPについて解説する。 事前学習:オーダーについて復習しておく。 14 学習成果の振り返り 事前学習:前回までの総復習を行っておく。
- <成績評価方法>
- 定期試験と講義中に行う小テストによる100点評価で行う。60点以上を合格とする。
配点の内訳は以下の通りとする。
・定期試験(A):100点満点で定期試験期間に行う。再試験・追試験は行わない。 ・小テスト(B):1−13回目において毎回20点満点で行い、合算する(260点満点)。
評価点=A*9/10+B/26
- <教科書>
- 指定教科書なし
- <参考書>
- Michael Sipser著 「計算理論の基礎 原著第2版 1 オートマトンと言語」 共立出版
- <オフィスアワー>
- 水曜1限、A-1572研究室で行う。
上記以外の時間を希望する場合はメールで事前にアポイントメントを取ること。 メールアドレス:jt13455@ns.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 難しい数学を使う訳ではありませんが、内容はやさしくありません。演習問題をこつこつ解くことでのみ、習得できる内容です。
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