2016年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

情報社会論(Discussion on Social Information Technology)[4B21]

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2単位
三木 良雄 教授  
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
情報化社会という言葉が生まれて久しいが、そのような社会が生まれるに至った情報処理、ネットワーク、機器の小型化、インターネット、ネットサービスなど、技術の社会へ与えた影響を体系的に学ぶと同時に、セキュリティや社会的リスクと管理方法の重要性を学習する。以上を通して、情報学を学ぶ者が実際の事業課題に直面した際に課題解決する力を養う。

<受講にあたっての前提条件>
特別の事前知識は要求しないが、技術と社会の両面について考え理解しようとする意欲があること。

<具体的な到達目標>
・情報社会の歴史的な位置づけと社会の変化を理解し、説明できる
・情報技術の発達が社会に与えた影響と課題を整理して示すことができる
・今後の社会の発展に自分がどのように貢献すべきかを考えることができる

<授業計画及び準備学習>
1.情報と社会
 社会とは何か、情報とは何かを再整理し、情報処理技術が社会に与える影響を考察することで、情報社会論の重要性を理解する
 事前学習:高校で情報の科目を履修した者はその内容を復習しておくこと

2.ネットワーク社会
 システムアーキテクチャの集中型から分散型への変遷を整理すると同時に、その核となっているネットワーク技術がもたらしたネットワーク社会を理解する
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

3.ユビキタス情報社会
 Ipv6、ワイヤレスネットワークにより、地理的束縛から解放された情報技術とWeb2.0に代表されるサービス同士、情報同士の結合による新たな変革について学ぶ
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

4.金融、交通、ネットワークシステム
 社会インフラとなっている金融システム、交通制御システム、ネットワークシステムを学ぶことで、情報通信技術と社会との関係を理解する
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

5.流通、生産、企業システム
 物流制御システム、生産制御システム、企業リソース管理システムを学ぶことで、情報通信技術と社会との関係を理解する
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

6.クラウドコンピューティング
 クラウドコンピューティングのサービスアーキテクチャと、それを実現するための仮想化技術についてまなび、実際に商用化されているクラウドサービスについても実物を紹介する
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

7.クラウドセキュリティ管理
 クラウドを利用する立場でのセキュリティ課題とその解決方法を学び、加えて運用フレームワークとしてのITILに触れることで、システム構築と運用の両面からの知識を得る
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

8.企業システム構築
 1〜7の内容に基づき、企業システムや社会インフラシステムを構築する際に必要なキーワードと意味の関係を演習を踏まえて総復習する
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

9.ビッグデータ入門
 これからの社会に大きな影響を与えるであろうビッグデータやIoTに関して、まずその構成技術を学び、後にリスクやマーケティング活用について学ぶ
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

10. 企業会計と課題分析
 課題解決技術やシステムの前に財務諸表から企業の課題を抽出することが重要である。企業会計に関する基本知識を習得するとともに、課題解決に利用する人工知能等の最新技術について学ぶ
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

12.情報セキュリティマネージメント
 情報セキュリティに関する課題、管理方法、対策に関して学び、関連する情報通信技術についても触れる
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

11.プライバシーと個人情報保護
 個人情報保護法とその背景にあるプライバシーについて学び、情報社会に潜むリスクと管理方法の基礎を学ぶ
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

13.企業秘密、営業秘密
 企業における情報管理の在り方と関連法令、セキュリティ監査の基本について学ぶ
 事前学習:事前配布の資料により予習を必ず行うこと

14. 全体の振り返りと発展
 今までの総復習として,特に理解の足りていない単元と課題について解説する.
 準備学習:前回までのすべての復習と課題の再確認

<成績評価方法>
原則として学期末の試験で60点以上の者に対して単位が認定される。その他として、途中課題等にて(最大40%)が考慮される

<教科書>
配布する講義資料をテキストとして用いる

<参考書>
講義の中で適宜指定する

<オフィスアワー>
場所:A2376室、時間:木曜2限
その他、メール等で予約すれば曜日、時間に関わらず対応します
アドレスなどの詳細は初回に案内します

<学生へのメッセージ>
コンピュータやネットワーク技術者として職を選択するにも、職に就いて活躍するにしても、現在社会の中で諸君が学ぶ技術がどのように使われているかを知る必要がある。これらは、日常生活では見えない部分であるために、情報を提供されなければ知ることができない。この科目はそれに応える科目である。


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