2016年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
△開発途上地域論(Studies on Developing Economies)[4B04]
2単位 小野 一 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 先進国と開発途上国とを統合的視野でとらえた地域研究にもとづき、南北問題や地球環境問題などといった現代的テーマについて考察する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特になし。
- <具体的な到達目標>
- 本講義での達成目標は以下のとおり。
(1) 「開発途上地域」(およびそれと対をなす「先進国」)について、概念的理解を得る。 (2) 習得した知見や概念を、個別の事例分析や時事問題の体系的把握のために援用する。 (3) いわゆる南北問題についての理論的・実証的分析を行う基礎的知見を身につける。 (4) 地球環境問題についての理論的・実証的分析を行う基礎的知見を身につける。 (5) 社会科学の学修の基本である、分析力、思考力、表現力を養う。
- <授業計画及び準備学習>
- (1) イントロダクション:「先進地域」と「開発途上地域」をワンセットでとらえる視点
【第1部】南北問題の現在 (2) 「南北問題」から「南南問題」へ(第8章) 【第2部】地域研究(先進工業地域):戦後欧州統合の歩み (3) 欧州石炭鉄鋼共同体の発足から欧州共同体(EC)まで (4) 平坦でなかったマーストリヒトへの道 (5) 欧州連合(EU):統合の新しい段階と政治的統合 (6) EU拡大−−「先進国クラブ」から格差を伴った共同体へ (7) 新たな試練:ユーロ危機と難民問題 【第3部】地域研究(開発途上地域) (8) アジアNIES、および中国の光と影 (9) 開発独裁型権威主義政権と民主化:韓国を例に (10) 移民送り出し国(1)トルコとドイツ (11) 移民送り出し国(2)フィリピンと日本 (12) 新たな成長センター:アフリカ 【第4部】開発と環境 (13) 地球環境問題の「発見」−−「成長の限界」から「持続可能な開発」へ(第7章) (14) 地球環境問題への地球規模の取組み−− 地球サミット、京都議定書、その後 【期末試験】 (15) 学習成果の確認 ※ 各項目末尾に「第○章」とある場合は、参考書に示した『国際関係学講義』の該当箇所なので、準備学習等に役立てること。それ以外の場合は、前回の授業の復習をした上で各回の授業に臨むこと。具体的な課題が指示されている場合は、それに従うこと。
- <成績評価方法>
- 授業時間中に小レポートを適宜実施する。最終的な成績は学期末の教場試験を主たる評価基準とし、平常点を含む総合評価において60点以上を獲得した場合に合格とする(2015年度以降入学生の場合には、GradeD以上の者に単位を認める)。詳細は初回講義時に説明する。
- <教科書>
- 使用しない。
- <参考書>
- 原彬久編『国際関係学講義』(有斐閣)、長谷川雄一・金子芳樹編『現代の国際政治[第3版]』(ミネルヴァ書房)。その他は講義中に指示する。
- <オフィスアワー>
- 八王子校舎1号館1E-310号室:金曜日13〜14時
新宿校舎27階2744号室:木曜日13〜14時 新宿校舎12階講師室:水曜日19〜19:30(後期のみ) 上記以外にも、事前に協議の上で研究室来訪の日時を予約することができる。休暇中は必ず事前に予約した上で来室すること。
- <学生へのメッセージ>
- 地域研究に際し、「先進国」と「開発途上国」とが便宜的に区別されますが、両者はワンセットのものとしてとらえる必要があります。そして近年の発展の中で、両者の相違はますます曖昧化し、既成の価値観は陳腐化しています。グローバル化時代に生きる私たちには、いずれのフィールドで活躍するのであれ、世界情勢を正しく認識した上で行動することが求められます。
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