2016年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

暗号理論(Cryptography)[3B19]

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2単位
真鍋 義文 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/10/27

<授業のねらい>
情報セキュリティの理論的な基礎となる暗号技術を習得し、暗号技術が現実の社会でどのように使われているかを知る。

<受講にあたっての前提条件>
剰余系演算・ブール代数・計算量に関する基礎的知識を必要とする。

<具体的な到達目標>
共通鍵暗号・公開鍵暗号の原理と具体的な方式を理解する。
コンピュータやインターネット使用時に暗号を正しく利用できる。
情報システム構築時に暗号を適切に利用できる。

<授業計画及び準備学習>
 1 暗号とは
   暗号の歴史、および身近に使われている暗号の例について解説する。
   事前学習:参考書の第1章を読んでおく。
 2 共通鍵暗号その1:共通鍵暗号とは
   共通鍵暗号の概要および分類について解説する。
   事前学習:参考書第2章5,6を読んでおく。
 3 共通鍵暗号その2:ブロック暗号
   ブロック暗号の方式および利用法について解説する。
   事前学習:参考書第2章7ー10を読んでおく。
 4 公開鍵暗号その1:公開鍵暗号とは、RSA暗号
   公開鍵暗号のしくみ、RSA暗号について解説する。
   事前学習:参考書第3章20を読んでおく。
 5 公開鍵暗号その2:公開鍵暗号の安全性定義、ハッシュ関数
   公開鍵暗号の安全性定義、ハッシュ関数について解説する。
   事前学習:参考書第3章21−23,25,26を読んでおく。
 6 ディジタル署名
   ディジタル署名のしくみおよび具体的方式について解説する。
   事前学習:参考書第3章29−35を読んでおく。
 7 認証その1:パスワード認証
   パスワード認証のしくみと攻撃法について解説する。
   事前学習:パスワードのしくみについて調べておく。
 8 認証その2:チャレンジ・レスポンス、生体認証
   チャレンジ・レスポンスおよび生体認証による認証方式について解説する。 
   事前学習:身近な生体認証について調べておく。
 9 メッセージ認証
   メッセージ認証のしくみについて解説する。
   事前学習:参考書第2章15−19を読んでおく。
10 鍵生成、鍵管理、鍵共有
   鍵生成アルゴリズム、鍵管理・鍵共有のしくみについて解説する。
   事前学習:計算機における疑似乱数について調べておく。
11 PKI
   PKIが必要になる理由と具体的な運用方法について解説する。
   事前学習:ブラウザの「証明書」の内容を調べておく。
12 インターネット上の暗号
   インターネット上で使われている暗号プロトコルについて解説する。
   事前学習:Linux上での暗号関連コマンドについて調べておく。
13 暗号の危殆(きたい)化
   暗号方式の取り替えの必要性について解説する。
   事前学習:参考書の上記以外の部分を読んでおく。
14 学習成果の振り返り
   事前学習:前回までの総復習を行う。

<成績評価方法>
定期試験と毎回課すレポートによる100点評価で行う。60点以上を合格とする。
配点の内訳は以下の通りとする。

・定期試験(A):100点満点で定期試験期間に行う。再試験・追試験は行わない。
・レポート(B):1−13回において毎回20点満点で行い、合算する(260点満点)。

評価点=A*9/10+B/26

<教科書>
指定教科書なし。

<参考書>
今井秀樹監修 トコトンやさしい暗号の本 日刊工業新聞社

<オフィスアワー>
木曜2限、A-1572研究室で行う。
上記以外の時間を希望の場合はメールで事前に連絡してアポイントメントを取ること。
メールアドレス:jt13455@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
情報システムの設計・運用にあたってはユーザ情報のセキュリティ保護が必須となっています。暗号理論はこの課題を解決するための基本技術です。この講義では、暗号の入門的基礎を一通り解説します。


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