2016年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
ソフトウェア設計法II(Software Design Methodology II)[2B17]
2単位 位野木 万里 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- ソフトウェア製品開発現場では基本的な技術となっている,オブジェクト指向に基づくモデル中心のソフトウェア開発に焦点をあてて,開発プロセスの上流である要求定義からテスト・運用までの一通りについてソフトウェア製品開発プロジェクトを設定した演習形式により開発技術と知識を習得する.
- <受講にあたっての前提条件>
- プログラミング科目およびソフトウェア設計法Tの単位を取得していること.
- <具体的な到達目標>
- 製品ソフトウェア開発を行う上での用語,手法,表記方法を理解し説明でき,それらを用いて開発成果物が作成できる.
- <授業計画及び準備学習>
- 以下の項目に沿って講義を進める.場合によっては順番が前後することもあるが,その場合は事前に告知する.各単元名がそのままキーワードとなっている.準備学習として,ソフトウェア設計法Tで配布した資料ならびに教科書の該当ページを熟読し,用語の意味,適用される成果物の表現方法,設計や分析手法の考え方を確認しておくこと.
1.ガイダンス:ソフトウェア工学、オブジェクト指向、プロジェクト設定 2.オブジェクト指向モデリング:クラス、抽象化、継承、ポリモルフィズム 3.モデリング/プロジェクト管理ツール 4.要求定義、ドメイン分析 5.システム分析、アーキテクチャ設計 6.基本設計:構造設計 7.基本設計:振る舞い設計 8.詳細設計およびテスト仕様作成 9.実装・単体テスト(テスト仕様作成・実施・評価) 10.結合テスト(テスト仕様作成・実施・評価) 11.システムテスト(テスト仕様作成・実施・評価) 12.ユーザ検証テスト(テスト仕様作成・実施・評価) 13.品質管理および製品出荷レビュー 14.学習内容の振り返り
- <成績評価方法>
- 講義中に演習課題を実施するので,その結果をまとめて中間レポートとして提出すること.試験期間中に試験を実施する.評価は,中間レポートと期末試験によって行う.レポートと期末試験の評価割合は1:1.レポートと期末の総点の60%以上で合格とする.
- <教科書>
- 高橋直久,丸山勝久:情報工学レクチャーシリーズ ソフトウェア工学,森北出版,2010
- <参考書>
- 指定参考書なし
- <オフィスアワー>
- 火曜日:16:30〜17:40 新宿校舎A-2315(高信頼ソフトウェア開発工学研究室)
- <学生へのメッセージ>
- この講義ではプロジェクトを設定してソフトウェア製品開発プロジェクトを疑似体験します.単にプログラムを作成することと,製品ソフトウェアを工業的に構築することの違いを習得していただきます.製品ソフトウェアを工業的に構築するのは大変難しいことですが,家を建てる,家電を生産するなどの別の製品開発のアナロジーを適用すると,その違いが分かるようになると思います.
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