| 2016年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
 
 
○線形代数学(Linear Algebra)[0036]
 2単位
 中島 弘史 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 
 
<学位授与の方針>| ◎ | 1. 基礎知識の習得 |  |  | 2. 専門分野知識の習得 |  | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 |  |  | 4. 道徳的態度と社会性 |  |  | 5. 創成能力 | 
<授業のねらい>線形代数学は科学技術分野で最も重要な基本数学の一つである。本科目では,行列とベクトルおよびその性質について理解することともに,実際に行列式や階数,逆行列などの計算を行う事ができるようになることを目的とする。<受講にあたっての前提条件>高校の数学と前期の数学系授業を通じて簡単なベクトル,行列についての計算ができることを前提とする。<具体的な到達目標>線形代数に関する基礎知識を身につけることで行列の基本演算、逆行列、行列式の計算、連立一次方程式の解法、行列の固有値、固有ベクトルの計算等ができるようになることを目標とする。
<授業計画及び準備学習>1: ガイダンス授業の進め方や,線形代数の重要性を説明する。高校の数学を復習するとともに,教科書の第1章(1講〜3講)を自習して,演習問題を解けるようにしておくこと。
 
 2-3: 行列の導入(4講.行列の和・差・実数倍, 5講.行列の積)
 数学では,複数の数字が長方形の形に並んだ数表を行列という。例えば,行列の積を利用すれば,連立一次方程式を行列の一次方程式の形に表すことができ,大変見通し良く解けるようになる。本講義で行列の演算について解説していき,教科書に沿って演習を実施することで,行列の基礎について学ぶ。
 
 4-6: 行列式を用いた連立一次方程式の解法(6講.基本変形, 7講.簡約な行列、階数, 8講.正則行列)
 行列に掃き出し法とよばれる操作を施すことにより,連立一次方程式の解を求める方法について解説していき,教科書に沿って演習を実施する。掃き出し法は,連立一次方程式を解くための道具に留まることなく,行列がもつさらに興味深い諸性質を明らかにしてくれる。
 
 7-9: 行列式の考察(9講.行列式の定義、クラメルの公式, 10講.行列式の性質, 11講.余因子展開)
 連立一次方程式の解を求めると,どの未知数も同じ規則にしたがって求められることがわかる。まずこの規則性に基づいて行列式を定義する。行列式は解の公式のほか,図形の面積や体積を求める際にも役立つ。本講義で行列式の考察をしていき,教科書に沿って演習を実施する。
 
 10-12: (12講.行列の一次変換,13講.折り返し変換,正射影変換, 14講.複素数と複素数平面)
 行列を利用したベクトルの変換は,音響や画像処理におけるデータ処理などで使われている。まず基礎となる一次変換と折り返しや射影変換について解説する。その後,複素数と複素平面について学ぶ。複素に拡張した行列やベクトルは,複素ベクトルの相関行列や離散フーリエ変換などで用いられている。
 
 13: 固有値問題解法(Ex.固有値・固有ベクトル)
 画像処理等の多くの分野でデータを効率的に表現するために使われている主成分分析の基礎ともなる固有値・固有ベクトルについて,解説していく。また,その基礎を身につけるために必要な演習を実施する。
 
 14: 学習内容の振り返り
<成績評価方法>期末試験によって到達目標に照らして6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し,D以上の者に単位を認める。特別な理由がある場合を除き,再試験,追試験は行わない。<教科書>よくわかる 線形代数 藤田岳彦 他著 実教出版 ISBN978-4-407-32512-6<参考書>テキスト 線形代数 小寺平治 共立出版 ISBN978-4-320-01710-8<オフィスアワー>月曜日,3限,新宿校舎A2472(数理音響学研究室)<学生へのメッセージ>線形代数学は,数値計算,電気回路,線形システム,デジタル信号処理,制御工学,ネットワーク,データベース,科学技術シュミレーション等々,多くの学問の基礎になる非常に重要な科目です。皆さんにとっては難しく感じるかもしれません。しかし予習と復習を必ず行い,学習支援センターやSAを活用して理解を深めれば,十分合格できる科目です。 
 
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