2016年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
リスクマネジメント(Risk Management)[1L10]
2単位 佐藤 雅明 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 製造リスク、食品リスク、医療リスク、環境リスク、金融リスク、プロジェクトリスク、ファミリーリスクなど現代社会には多くのリスクが潜在しています。多様なリスクに対応するには、「リスクとは何か」を理解し、リスクを明確に識別することが重要です。この授業では、いくつもの事例を挙げて様々な角度からアプローチすることで、リスクの概念、リスクの本質、リスクの要素を学びます。さらに企業、非営利組織、プロジェクトや家庭で実践可能なリスクマネジメントの知識、プロセスならびに技術を理解し、リスクマネジメントの基本的な活動が可能となることです。
(JABEE 学習・教育目標) 「国際工学プログラム」:A多面的な視点から考える能力の習得◎ D創造力の習得〇 Fデザイン能力とマネジメント能力の習得〇
- <受講にあたっての前提条件>
- 確率、統計の基礎知識が必要です。
- <具体的な到達目標>
- リスクの概念とリスクマネジメントのプロセスおよび技術に関する基礎知識を理解できること。リスクを識別し、適切な手法でリスクを評価できること。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.ガイダンスおよびリスクとリスクマネジメントの概要について学ぶ。
準備学習:普遍的に潜在するリスクを識別する。 2.リスクの概念および歴史について学ぶ。 準備学習:リスクの由来、リスクの概念に関する主な学説を比較する。 3.社会生活にかかわる様々なリスクについて学ぶ。 準備学習:社会生活や企業活動に脅威となるリスクを識別する。 4.リスクの種類と分類について学ぶ。 準備学習:さまざまなリスクを分類する。 5.リスクと確率統計について学ぶ。理解度の確認のため課題1を実施し、解説する。 準備学習:確率統計を使いリスクを評価する。 6.リスク分析について学ぶ。理解度の確認のため課題2を実施し、解説する。 準備学習:主なリスク分析の技術を使い個々のリスクを分析する。 7.リスクマネジメントの使命と目的について学ぶ。ここまでの学習内容の理解を確認する。 準備学習:リスクマネジメントの目的と効果を評価する。 8.リスクマネジメントの構成、枠組み、プロセスについて学ぶ。 準備学習:リスクマネジメントを計画設計し、実行の準備をする。 9.リスクアセスメントについて学ぶ。理解度の確認のため課題3を実施し、解説する。 準備学習:リスクアセスメント技術の選択と実行をする。 10.リスクマネジメントの事例研究(1)スペースシャトルの事故 準備学習:米国スペースシャトル事故のリスクマネジメントを検証する。 11.リスクマネジメントの事例研究(2)機械設備・システムに係るリスク 準備学習:エンジニアの業務にかかわるリスクマネジメントを検証する。 12.リスクマネジメントの事例研究(3)自然災害のリスク 準備学習:巨大地震災害のリスクアセスマントと危機管理を評価する。 13.リスクマネジメントの事例研究(4)ビジネスリスク 準備学習:企業活動にかかわる様々なリスクとリスクマネジメントを評価する。 14.学習成果の振り返り。 準備学習:前回までの総復習を行う。
- <成績評価方法>
- 授業中の課題3回(30%)と定期試験(70%)の合計(100点満点)で評価し、60点以上を合格とします。
・定期試験(A):100点満点で定期試験期間に行う。 ・講義中に行う課題(B):各課題とも100点満点で講義中に3回(B1、B2、B3)実施し、その平均点を課題の得点とする。 定期試験評価点と課題評価点を合算し、最終評価とする。 <定期試験評価点>=A×0.7 <課題評価点>=(B1+B2+B3)÷3×0.3 <最終評価点>=定期試験評価点+課題評価点=A×0.7+(B1+B2+B3)÷3×0.3
- <教科書>
- 指定教科書はありません。授業の際にレジュメを配付します。
- <参考書>
- 指定参考書なし。ただし、学習の役に立つ参考書は教科書の参考文献に挙げた書籍を利用することを進めます。
武井勲『リスク・マネジメント総論』海文堂 1987 野口和彦『リスクマネジメント』日本規格協会 2009 John X.Wang, Marvin L.Roush 『リスク分析工学』丸善 2003 その他につては授業で紹介します。
- <オフィスアワー>
- 月曜日。授業終了後教室または講師室。
- <学生へのメッセージ>
- リスクマネジメントは工学、数学、統計学、経営学、心理学、社会学など多くの分野の知識を総合的に活用する領域です。様々なリスクに適切に対応することは、エンジニアや起業家、一般の社会人、学生などあらゆる人たちに利益をもたらします。さらにリスクマネジメントの概念とプロセスは新製品や新技術の開発に重要なチャンスを与える可能性があります。授業は意見を交換しながら進めるので積極的な参加を望みます。
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